雑談の場はアイデアの宝庫。“価値ある雑談” を引き出す会話術

コミュニケーションに自信がないならば、まずは短い会話を重ね、雑談力を鍛えてみてはいかがでしょう。たとえば「おはようございます」という挨拶に、一言二言を加える程度のものです。それに、いま、その雑談力こそが注目されているのだとか。雑談力の重要性と、何気ない雑談を価値あるものにする方法をご紹介します。

雑談力が重要である理由

ソフトバンク在籍時に孫正義氏のプレゼン資料を作成し、次々と「一発OK」を取りつけていたという前田鎌利氏は、働き方改革で見直すべきは、雑談の重要性だといいます。なぜならば、ちょっとした雑談は仕事をスムーズに運ぶ潤滑油にも、新たなアイデアを生み出すヒントにもなるからです。

同氏は「生産性の向上とは、“無駄な時間”を減らすことによって“新しい時間”を生み出すこと」と述べ、「その時間を雑談や熟考にあてて、頭の中を耕すことが重要だ」と説明しています。

アサヒビール社長兼CEOの泉谷直木氏も、「雑談力は重要なビジネススキルのひとつだ」といいます。そして、「何をやるかは戦略で決まり、どこまでやるかは風土で決まる」という言葉を挙げ、会社の「風土」は社員の理解度やモチベーションの高低を左右するが、その風土を、成功できるよう醸成するのは「雑談」だと説いています。

雑談力を身につけるには

教育学者の齋藤孝氏によれば、“雑談力が高い=おしゃべりな人”ではないとのこと。そして、雑談の基本は「声をかける→話す→別れる」の3ステップだといいます。たとえば朝、エレベーターホールなどで交わされる、こうしたやり取りが基本形です。

ステップ1 声をかける A:「おはようございます」 B:「あ、おはようございます」

ステップ2 話す A:「今日も暑いですね」 B:「ほんとに暑いですねー」 A:「もうすでに服が汗だらけですよ」 B:「うわあ、大変。でも、実はわたしも同じです」

ステップ3 別れる A:「早くこの暑さが落ちつくといいですね。では、また!」 B:「ええ、また。熱中症に気をつけてくださいね!」 A:「はい、ありがとうございます!」

あなたがAとして話しかけ、サクッと会話を終わらせるもよし、Bとして、テンポよく調子を合わせるもよしです。このように、短く歯切れのよい雑談を意識的に重ねていくことで、いずれ膨らみのある雑談力も身につくでしょう。

雑談力を高めるポイント1.<後味よく話を終わらせる>

齋藤孝氏は、コミュニケーション能力・雑談力の高い人ほど、会話の終わらせ方が上手だと説明しています。つまり、前項の「ステップ3 別れる」をしっかり行いうまく雑談を切り上げて、なおかつ後味のよさを残すことが、雑談力を高めるポイントなのです。ダラダラと、なかなか会話を終わらせないのはNGということ。そして、後味よく会話が終わると「また話したい」という気持が双方にわきあがるので、後々のコミュニケーションにもつながります。

なお、上手に会話を終わらせるコツは「別れ際のひとことを、しっかりという」ことなのだそう。例を挙げると

・「じゃあ、また」「では、また」 ・「じゃあ、お疲れさまです」 ・「じゃあ、お気をつけて」 ・「では、どうぞお大事に」 ・「では、お先に」

などなど。「じゃあ」や「では」の活用で、どんどん広げられますよ。「じゃあ、また。今度旅行のお話聞かせてくださいね。お疲れさまです!」と、くっつけたり、ひとこと加えたりと、応用も自由自在です。

雑談力を高めるポイント2.<聞き上手になる>

コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは、顧客の心をつかむ営業で売上目標を達成し、さまざまな賞を獲得してきた人物。しかも、同時期に銀座のナンバーワンホステスとして、数多くの成功者を身近に観察してきたそう。

そんな異色の経歴を持つ森さんは、著書『雑談が上手い人 下手な人』の中で、「雑談力なくして道は開けなかった」と語る成功者たちのスキルやエピソードを交え、雑談において大切なことを紹介しています。そのひとつが、相手を受容するということ、いわゆる聞き上手になることです。そのポイントは以下のとおり。

・常にオープンマインドで接する ・けっして話の腰を折らない ・いったん相手の話は全部聞く ・否定はしない

すなわち、「相手の気分をよくする」「楽しくさせる」ことが聞き上手になる、そして雑談力を高めるポイントだということ。アサヒビールの泉谷氏も、「まずは自分を飾らず、相手の話に耳を傾けることを心がけるべき」と伝えています。

何気ない雑談を価値あるものにするには

泉谷氏は、「雑談」という言葉の漢字を切り離して、それぞれの意味を取り上げ、「雑談というのは、混ざり合わされた“何か”を言葉の炎で加熱し、新しいものを生み出していく力強いもの」だと説いています。

そして、その“何か”が増えれば増えるほど、化学反応が活発になり、思いもよらないものが生まれてくるとのこと。

そのために必要なのは、やはり「教養」だといえるでしょう。どんなことにも興味を持ち、さまざまな経験をして、多くの本を読み、多様なバックグラウンドを持つ人々と対話を重ねて、深い教養を身につけるのです。そうすると雑談力がより一層高まり、新しいものを生み出す強い力が生まれるはず。

それこそが、「何気ない雑談を価値あるものにする方法」です。

*** 人と雑談を交わすうえで、清潔感のある身なりを心がけることも大切です。教養と身なりを整えて、相手の話に耳を傾けながらスマートに雑談を始め、上手に気持ちよく切り上げましょう!

(参考) ダイヤモンド・オンライン| 会話がはずむ雑談力 |雑談力が高い人ほど会話の「終わらせ方」がうまい JBpress(日本ビジネスプレス)|働き方改革で見直される“雑談”の重要性 前田鎌利氏が語る本当に生産性を高める会議術(前編) PHP研究所|PHPオンライン 衆知|【雑談力】いい会社は必ず「雑談」を大切にしている! 森優子(2017),『雑談が上手い人 下手な人』,かんき出版.

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