集中力が切れやすいのは才能の問題ではない。“この3つの行動” で集中力は高められる!

気が散る自分をコントロール1

みなさんは、勉強中に “別の何か” が気になってしまうということはありませんか? たとえば、ついつい近くのスマートフォンを手に取り、5分だけのつもりが、気づけば30分も時間が経っていた……そんな経験がある人も多いことでしょう。勉強で成果を上げるためには、そういう無駄な時間を減らし、集中する時間を増やしていかなければなりません。

そこで今回は、気が散る自分をコントロールして勉強の生産性を上げる方法についてお伝えします。

集中力が切れるのは「やる気」や「才能」の問題ではない

「集中力が続かない……」
「いつもほかのことが気になってしまう……」
そんな悩みを持っている人は、「自分には集中するという能力がないのではないか?」「そもそもやる気が足りないのではないか?」などと心配になっているかもしれません。

しかし、一般社団法人行動科学マネジメント研究所コンサルタントの冨山真由氏は、「集中力にはやる気も才能も必要なく、小さな行動のコツで誰でも「集中力」を身につけられる」と述べています。つまり、「集中する方法」を知っているかどうかが肝心だということ。

「やる気」や「才能」といった、どこか抽象的でとらえどころのない話になってしまっては、もはや対処のしようがありませんよね。それに対して、「行動」ならば簡単に変えていくことができます。たとえば、「勉強モードになる!」ではなく「5分間でいいから勉強を始める!」などと行動で言い換えてみれば、確実に取り組んでいくことができそうですよね。

では、具体的に何をすれば、集中力を高めていけるのでしょうか。方法を3つ紹介します。

気が散る自分をコントロール2

【集中力を高める行動1】スマートフォンを別の部屋に置く

まず、スマートフォンは別の部屋に置いてしまいましょう。

「集中したいときにスマートフォンを触らないのは当たり前のことでは?」と思うかもしれませんね。しかし、勉強中に机の上に置いておくのも、ポケットに入れておくのもNG。スマートフォンの姿が完全に見えず、アラート音やバイブレーションも聞こえず、簡単に手が届かない別の場所に置いておくことが肝心です。

『Journal of the Association for Consumer Research』に掲載された研究によれば、被験者を「机の上にスマートフォンを置く」「ポケットにスマートフォンを入れる」「別室にスマートフォンを置く」という3つのグループに分け、それぞれの作業成績を比較したところ、最も良かったのが「別室にスマートフォンを置いていたグループ」だったのだそう。スマートフォンは完全に隔離しないと、私たちの作業に影響を及ぼしてしまうのです。

本気で集中したいときは、気になるものを徹底的に排除しましょう。たとえば、近くに置いてある漫画の続きが気になって休憩時間まで待てないといった場合も同様。自分の気を散らしてしまうものとは、意図的に距離を置きましょう。「気になるけど、取りに行くのが面倒だな……」と思えるようになればバッチリですよ。

気が散る自分をコントロール3

【集中力を高める行動2】1時間ごとに10分の休憩をとる

気が散る原因として、ただ単に疲れてきたことも挙げられます。そんなときは、1時間ごとに必ず10分休憩するのがおすすめです。「そんなに小まめに休憩しなくてもいいのでは?」と思う人ももいるかもしれませんが、じつは「3時間ごとに30分休憩する」よりも「1時間ごとに10分休憩する」するほうが理にかなっているらしいのです。

メンタルレスキュー・インストラクターの下園壮太氏は、たとえ集中力が続いていたとしても頑張りすぎないことが重要だと述べています。ある軍隊にて行なわれた実験によると、「1時間歩いて10分休む」「3時間歩いて30分休む」「6時間歩いて60分休む」の3パターンを比較したところ、休む割合は同じであっても疲労度が全然異なるという結果が出たのだそう。疲労度が最も低いのは、もちろん「1時間歩いて10分休む」でした。

下園氏は、「調子がいいからといって何時間も休憩なしで頑張りすぎると、あとでツケが回ってくる」と言います。根を詰めすぎて疲弊してしまう前に、1時間ごとに休憩をはさむようにしてみてはいかがでしょうか。

気が散る自分をコントロール4

【集中力を高める行動3】タイマーで時間を区切る

だらだら勉強してしまう原因のひとつに、時間を区切らないことが挙げられます。

生産性の専門家で、『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』の著者であるクリス・ベイリー氏は、記事を執筆するとき、タイマーをセットして1時間の制限時間を設けるそうです。時間的制約があると、集中せざるを得ません。したがって、楽しいもの・脅かすもの・新しいものに気を取られている場合ではなくなるのだとか。

脳科学者の茂木健一郎氏も、時間制限を決めて、その中で課題をこなすことを目指す「タイムプレッシャー」を有効に使うことを推奨しています。時間を決めずにだらだらやるよりも、格段に高い集中力で取り組むことができるそうです。たとえば、「この参考書の30ページから50ページを1時間でやりきる」などと決めてタイマーをセットし、その目標達成のために全力を注ぐようにしてみてください。

もちろん、タイマーが鳴ったあとは休憩を挟むのも忘れずに!

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みなさんも、お伝えした方法をぜひ実践してみてください。当たり前の方法を徹底して行なうことで、きっと集中して勉強できるようになりますよ。

(参考)
日経Gooday|「仕事に集中できない」こんなときどうする?
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|気が散る自分を制御して生産性を上げる4つの方法
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|スマホが近くにあるだけで、あなたの思考力は低下する
UCP Journals|Brain Drain: The Mere Presence of One’s Own Smartphone Reduces Available Cognitive Capacity
東洋経済オンライン|集中力を下げる!ダメな行動「ワースト3」
note|苦手なことほど、タイムプレッシャーをうまく使うべき

【ライタープロフィール】
三島春香
神戸大学経営学部所属。京都市立西京高等学校卒業。海、宇宙、音楽、レモンが好き。旅行も大好き。大学生のうちにいろいろな所へ出かけて見聞を広めたい。

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