不安で不安で仕方ないときほどやりがち。不安な人が「絶対しないほうがいい」3つのこと

不安を抱えている人が絶対にしないほうがいい3つのこと01

不安な気持ちにいつまでもとらわれて、なかなか前に進めないということはありませんか? たとえば、会社で大事なプレゼンがあるのに不安で準備が進まない、資格試験や昇進試験が迫っているのに不安で勉強が手につかないなど……。それはあなたが、不安なときこそ “やらないほうがいい” ことをしてしまっているからかもしれません。

不安を抱えていても、仕事で実力を発揮したり勉強に集中したりできるようになるために、あなたが不安を感じたときにやるべきでないことと、その不安を解消する方法を3つ解説していきます。

【1】「暗い部屋」にはいないほうがいい

不安で仕方がないとき、カーテンを閉めきった薄暗い部屋で、ひとりで思考を堂々めぐりさせていませんか? 「このあいだ上司に〇〇って言われたけれど、あれってどういう意味だったんだろう。私のやり方がダメだったのかな……それとも上司の機嫌が悪いだけだったのか。私のことが嫌いだったりして……」と、休日に昼になってもベッドから出ず考え続けてしまう、といった感じです。

不安なときにやりがちなこの過ごし方には、問題点があります。じつは、不安に陥っているときこそ、暗い場所にはいないほうがいいのです。

というのも、いつまでも暗い場所にいたままだと、セロトニンという神経伝達物質が脳内で十分に分泌されないから。

東京大学大学院医学系研究科准教授の西大輔氏によれば、セロトニンには精神を安定させる働きがあるとのこと。セロトニンの分泌量が低下すると、同じく神経伝達物質で、喜びや快楽をつかさどるドーパミンや、恐怖や驚きをつかさどるノルアドレナリンなどを制御できなくなり、それらのバランスが不安定になるそう。その結果、不安やうつなどの精神症状が出てしまうのだと、西氏は説明しています。

そこで、不安になったときでもセロトニンの力で気持ちをコントロールできるようになるために実践してほしいのが、太陽光を浴びること。脳生理学者で医師の有田秀穂氏は、脳幹に数万個あるセロトニン神経は、目の網膜に入った太陽光の刺激がスイッチとなって活性化し、セロトニンを分泌すると言います。

また、セロトニン神経の活性化には通常、2,500~3,000ルクス以上の照度が必要だとのこと。一方、電灯光の照度はたった500ルクス程度しかないそうです。暗い部屋にいたままでは当然、また照明をつけていたとしても、とても足りませんよね。

なお、健康食品などを開発・販売する株式会社カイミンが示すところによれば、晴れた屋外の照度は10万ルクス、雨の屋外だと5,000ルクス、晴れた屋内では2,500ルクス

不安を抱えて暗い部屋にいがちな人は、カーテンを開けて部屋に太陽光を取り入れるか、できるだけ外に出てみましょう。セロトニンの分泌が整い、仕事や勉強へ前向きに取り組めるようになりますよ。

不安を抱えている人が絶対にしないほうがいい3つのこと02

【2】「運動不足な生活」はやめたほうがいい

不安な気持ちが強くあるときには、外へ出るのもおっくうになりがち……。しかしそういうときこそ、運動不足のままでいるのはよくありません

というのも、運動、なかでも「リズム運動」が不安解消に効果的だからです。これは、前出の有田氏が述べていること。リズム運動を意識的に行なうとセロトニンの分泌量が増加しやすくなるのだそう。結果として、脳で感じるストレスを上手に受け流すことができると言います。

では、具体的にどのような運動をどの程度行なえばよいのでしょう。

有田氏の示すリズム運動とは、たとえばウォーキングやジョギング、サイクリングなど、日常生活で無理なくできる軽めの運動のこと。これを、1日5~30分程度の短い時間でもよいので、毎日継続して行なうことが大切だそうです。

ただし、人が多い繁華街や駅周辺などを歩くだけだと、周囲の刺激で心が乱されてしまいセロトニンの分泌は促されないのだとか。通勤やショッピングは適さないということですね。

有田氏がおすすめしているのは、いつもより朝30分早く起き、歩行のリズムに集中しながら公園などを歩くこと。このやり方で、セロトニンがしっかり分泌され、脳も身体も気持ちも自然に目覚めると伝えています。たしかに朝なら人も少なく、前の項で紹介した太陽光もたっぷりと浴びられるでしょう。

運動習慣でコンディションを整えれば、不安やストレスを軽くして仕事や勉強をうまくこなせるようになるはずです。

不安を抱えている人が絶対にしないほうがいい3つのこと03

【3】「栄養バランスの悪い食事」はやめたほうがいい

不安な気持ちでいるときには、食事にもなかなか気を配れませんよね。たとえば、大事なプレゼンが翌日に控えていて、うまくいくかどうかとても心配なとき、簡単なものをさっと食べてプレゼンの準備に時間や手間を使いたいという人は、きっと多いでしょう。緊張して食べ物が喉を通らない……なんてこともあるかもしれません。

しかし、不安なときこそ、栄養バランスの悪い食事はやめたほうがよいのです。ここで言う栄養バランスの悪い食事とは、セロトニンをつくるもととなる「トリプトファン」という必須アミノ酸が欠けている食事のこと。前述のとおり、セロトニンがつくれなければ、不安を解消できないのは当然ですよね。

必須アミノ酸とは、体内で合成できないアミノ酸のこと。つまり、トリプトファンは食事で摂取するしかありません。では、トリプトファンを多く含む食品には、どのようなものがあるのでしょうか?

管理栄養士の道江美貴子氏は、カツオやマグロ、牛乳、納豆や豆腐といった大豆製品などをすすめています。トリプトファンが含まれている食品とは、私たちになじみのあるものばかりなのです。

仕事や勉強で抱えた不安を和らげたいとき、あまり食べる気分ではなくても、チーズをひとかけ口にするといったちょっとした行動から始めてみてはいかがでしょうか。

***
不安を抱えているときに “やらないほうがいい” ことをやっているうちは、不安はいつまでたっても消えてくれません。

それらをする代わりに「太陽光を浴びる」「リズム運動をする」「トリプトファンを摂取する」の3つを実践してみてください。どれも手軽にできるものばかりです。ぜひ、普段の生活に取り入れてくださいね。

(参考)
e-ヘルスネット(厚生労働省)|セロトニン
ダ・ヴィンチニュース|幸せを感じないのは太陽の浴び方が間違っているせい? 不調をリセットする生活習慣
Kaimin Online|曇りや雨の日にも十分なセロトニン! 日光を味方につける方法
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STUDY HACKER|【脳生理学者が解説】社会人が「ストレスフリー」でいるための超基本的な5つの日常習慣
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【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。

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