毎日勉強できる人が “やらない” 3つのこと。やる気を当てにするより○○をつくるほうが勉強できる

夜間に勉強している女性

「毎日勉強をしよう――こう決意しても、いつも1週間も続かない」
「とりたい資格があるのに、疲れてどうしても机に向かう気になれない……」

仕事で忙しいなか、勉強する時間を毎日確保することは簡単ではありません。目標とした勉強時間をつくれず、自己嫌悪に陥ることもあるのではないでしょうか。

そんなあなたは、“あること” をしてしまっているために、勉強習慣をつけられていないのかも。今回は、毎日勉強できる人になるために、やらないほうがいいことを3つご紹介します。勉強を続けるために、まずは日々の習慣を変えるところから始めてみてくださいね。

【ライタープロフィール】
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

1. 睡眠を軽視しない

「仕事で残業してしまった。眠いけど、◯時間は勉強しないと……」
「日中は時間がないから、夜中まで勉強しよう」

そんなふうに勉強時間を確保するために睡眠時間を削っている方は、要注意。睡眠不足は、やる気や集中力を低下させるなど、勉強の効率に大きな悪影響を与えます。

精神科医の樺沢紫苑氏も、次のように語っています。

そもそも、やる気とは何か。科学的に言うと、脳内物質のセロトニンやドーパミンによってもたらされるものであり、これらが足りない、もしくは十分に作られないとやる気は起きません。
(中略)
質のいい睡眠を取ることでセロトニンが活性し、「やる気が起きない」問題も改善されるのです。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|精神科医に聞いた「仕事にやる気が起きない」を解消する処方箋 ※太字は編集部が施した)

つまり、睡眠がやる気と関係しているのですね。みなさんも、寝不足の状態でモチベーションが上がらなかった経験があるのではないでしょうか。これは気のせいでなく、睡眠不足のときにやる気が起きないのは当然なのです。

では、やる気を出すのに最適な睡眠時間とはどれくらいなのでしょう。じつは、「○時間睡眠をとれば十分」という絶対的な基準はないようです。

秋田大学大学院教授で睡眠について研究する三島和夫氏によれば、睡眠時間については「個人によってかなり大きな差」があるとのこと。「過不足がないかどうかの目安は、日中の活動に支障が出ていないかどうか」だと三島氏は語ります。(カギカッコ内引用元:朝日新聞Reライフ.net|理想の睡眠時間は? 5時間で足りている? 足りていない?

たとえば、勉強であれば、

  • 机に向かってもボーっとしてしまう
  • 勉強を始めてもすぐに意識が遠のく

といった症状がある場合は、睡眠時間が足りていないサインかもしれません。勉強する気になれずに悩んでいる方は、まずは睡眠不足になっていないかチェックしてみてはいかがでしょうか。

多忙なビジネスパーソンが勉強時間を生み出そうとすると、どうしても睡眠を削りがち。しかし、そのせいでやる気が出なくなっては本末転倒です。自分に最適な睡眠時間を確保し、基本的な生活習慣を整えましょう。

十分に睡眠をとっている女性

2. 自分の意志は信じない

「今年こそ、毎日たくさん勉強する」
「今度こそ勉強を習慣化して試験に合格する」

そんな決意をしていたにもかかわらず挫折してしまい、「自分は意志が弱いから」と諦めたことはありませんか? 

勉強できないことを意志のせいにしていては、なかなか勉強できるようにはならないかも。勉強を続けられる人になりたければ、意志が弱くても自然と勉強できるルールをつくる必要があるのです。

心理学者ハイディ・グラント氏は、やる気が出ないときに行動するコツを次のように語っています。

意志力には限界があるという事実を受け入れよう。難しいことや退屈なこと、不愉快なことを実行に移すという難題に、意志の力で立ち向かえるとは限らないことを理解するのだ。その代わりに、「条件付けによる計画(if-then planning)」を使ってみよう。

(引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|どうしてもやる気が出ないとき、自分を動かす3つの方法 ※太字は編集部が施した)

条件付けによる計画とは、「物事を完遂するために必要なステップ」を「『いつ』『どこで』行うかを決めること。(カギカッコ内引用元:同上)

たとえば、

  • 20時になったら、どんな作業も中断して一度勉強机に向かう
  • 家に着いたら、晩ご飯を食べる前にソファに座って単語を10個覚える

といった決まり事をつくるわけですね。こうすれば、勉強は “すでに決まった予定” となります。時間が来たら勉強を始めるだけなので、意志の力は不要になるのです。

筆者も、実際に条件付けによる計画を試してみました。以下が、筆者が決めたルールです。

20時になったらコーヒーのためのお湯を沸かす
⇒お湯が沸くのを待つあいだ、資格のテキストを読む

お湯が沸くまでに必ず発生する数分間の暇な時間を活用し、自然と勉強ができるようになりました。待ち時間に勉強を始めると、お湯が沸いてコーヒーを入れたあともまたスムーズに勉強へ戻れます。計画した20時に間に合うように、夕食の時間なども調整するようになりましたよ。

条件付けによる計画は、疲れているときなどには特に効果的です。毎日勉強できる人になるために、やる気がなくても勉強できる習慣を手に入れましょう。

机に置かれた本とコーヒー

3.「毎日やる」を目標にしない

「忙しい日にはどうしても勉強に時間を割けない」
「毎日勉強しようと決めても、三日坊主になってしまう……」

そんなお悩みを抱えている方は、“毎日” という目標設定に問題があるのかもしれません。もともと勉強習慣のなかった人が、いきなり毎日勉強するのはハードルが高すぎるのです。結果、「達成できなかった……」と自己否定に陥り、モチベーションが下がる悪循環に。

ですので、“毎日やる” ではなく、もっと緩い目標を設定してみましょう

個人に合わせた目標設定が大切だと語るのは、メンタルトレーナーの森川陽太郎氏。「最初の段階のOKラインを、欲張らずに『週1回』」から始めるようすすめています。

最初の1ヵ月は「週1日」というその約束をきっちり守り、それが達成でき、「ここは確実にクリアできる」という実感を得たら、次の1ヵ月は、少しだけOKラインを上げて「週2日をもう1ヵ月」に設定します。

(カギカッコ内・枠内引用元:ダイヤモンド・オンライン|「弱い自分」のままで三日坊主を克服する方法

徐々に頻度を上げていくことで、最終的に毎日の習慣にするのですね。

毎日勉強したいのに、残業が続いたり、急な会食が入ったりと、予定が狂うことが多い……というビジネスパーソンの方こそ、「週〇回勉強する」というように週単位での目標設定をしてみてください。

この方法なら、勉強できなかった日があっても別の日にカバーできるため目標達成の可能性が高まります。「できた」という満足感を味わいながら、習慣化に取り組めるのです。

「また勉強できなかった……」という気持ちが何度も繰り返されると、どうしてもやる気が湧かなくなってしまうもの。自分に合った小さな目標からスタートし、達成できた自分をほめながら、毎日勉強できる人になることを目指しましょう。

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今回は、毎日勉強できる人になるために、やらないほうがいいことをまとめました。ぜひ参考にして、勉強習慣を身につけてください。

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