記憶効率が上がる「耳栓+音読」&「連想結合法」というワザがすごい。

暗記効率を上げる方法01

みなさんは「勉強効率」について考えたことがありますか?

「時間をかければ覚えられる」という考えをお持ちの方も多いかもしれませんが、そもそも大人になれば「時間がない」のが当たり前。そんななかで確実に成果をあげるためには、やはり効率を追っていかないといけませんよね。

そこで今回は、主に「暗記」の観点から、勉強効率を上げるための方法を3つご紹介していきましょう

1.「耳栓+音読」で記憶力が上がる

みなさんは、何かを暗記しようとするときにどんな勉強法をとっているでしょうか。「テキストに何周も目を通す」「ひたすら書きまくる」などが王道かもしれません。しかし、自分の「聴覚」を刺激する方法も取り入れれば、効率がもっとアップするかもしれませんよ。

バイオリニストの廣津留すみれ氏は、ハーバード大学を首席で卒業したというキャリアの持ち主。彼女は高校時代、ハーバード大学受験のために英単語を覚える際、必ず音読していたのだそう。英単語の「綴り」と「音」――視覚と聴覚の両方から情報をインプットすることで、記憶をより強固なものにしていたのです。

事実、カナダのウォータールー大学が行なった実験が、音読の効果を証明しています。95名の被験者を対象に、テキストを「黙読した場合」「他人が声に出して読んでいるのを聞いた場合」「自分が読んでいる音声を録音して聞いた場合」「音読した場合」とで、記憶力に違いが出るかを調べました。その結果、「音読した場合」の結果が最もよかったのだそう。

6度の記憶力日本一に輝いた実績を持つ池田義博氏も、声に出して聴覚を刺激する暗記術をすすめています。コツは耳栓をすること。耳栓をした状態で音読すると、骨伝導で声が頭の中で響き、より音に集中できるようになるのだとか。

特別なテクニックは必要ないこの方法、お手軽に試せそうですね。

暗記効率を上げる方法02

2. 一度に多くのことが覚えられる「連想結合法」

覚えるのに難儀するものは、ほかのものと関連づけてしまいましょう。

多くの記憶アスリートたちが実践している「連想結合法」というメソッドがあります。 これは漢字のとおり、ある物事をほかの物事と無理やり関連づけながら覚えていく方法です。ひとつを思い出したら、それに連想されるようにして、ほかのことも思い出されてくる――記憶を芋づる式に引っ張り出すことができます。

たとえば、記憶力世界一としてギネスブックに載った経験を持つエラン・カッツ氏は、ボードに貼られた100枚のステッカーの色を記憶するというチャレンジにおいて、語呂合わせで連想する(例:yellowとredでyear、など)という手法を取り、見事25分ですべてを暗記できたのだそう(※従来の記録は1時間)。

カッツ氏はアドバイスとして、「人は “興味があるもの” と結びついたときに連想しやすくなる」と述べています。たとえば、「宮沢賢治や井伏鱒二が生まれた年」と「エンツォ・フェラーリが生まれた年」はどちらも同じで1898年です。仮にあなたが車に興味があるのであれば、ただ無機質に文豪2人の誕生年を暗記するよりも、よっぽど記憶に残りそうですよね。

自分にとって、それほど興味が湧かない分野を勉強しなければならない場合も多々あります。そんなとき、「この単語は、あのキャラクターの名前に似ている」「この計算式は、あの作品のトリックに使われていたな」などと、自分の好きな分野に結びつける工夫をしてみてはいかがでしょうか。あらゆる物事や知識が、暗記するためのヒントになるのです。

暗記効率を上げる方法03

3. 「運動+勉強」の効果も科学的に証明されている

筑波大学の征矢英昭教授らが36名の男女を対象にした実験により、エアロバイクを10分間漕ぐという運動をするだけで、その後の記憶テストの結果が著しく向上することが判明しています。

被験者たちの脳をMRIで調べてみると、体を動かしたことにより、脳の記憶を司る海馬が活性化していたのだそう。絶対に暗記しておきたいことがあったら、勉強前に軽く運動しておくといいかもしれませんね。

あるいは、運動しながら勉強するのも手です。医学博士であり受験アドバイザーとしても活動する福井一成氏は、歩き回りながら勉強することをすすめています。両足をこまめに動かすと、体中の血液の流れがよくなり、脳にも大量の血液が送られて活性化するとのこと。すなわち、歩くことは、脳にエネルギーを補給することにもなるのです。

勉強というと、「机の前にじっと座って取り組むもの」というイメージが強いかもしれませんが……部屋の中を周回しながら暗記したい内容を見返せば、もっと覚えやすくなりそうですね。

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勉強効率を高め、短時間でたくさんの知識を獲得していきましょう!

(参考)
プレジデント・オンライン|ハーバード流「あれ?」がなくなる暗記術
UNIVERSITY OF WATERLOO|Study finds reading information aloud to yourself improves memory
TOWNWORKマガジン|記憶力日本一、池田義博さんに聞く「五感を使って暗記力を高める方法」
プレジデント・オンライン|ギネス認定! 「世界一の暗記王」記憶の引き出し整理術【1】
産経新聞|運動と脳 わずか10分間で記憶力向上
福井一成(2018),『東大に2回合格した医者が教える 脳を一番効率よく使う勉強法』, KADOKAWA.

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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