年始には「今年こそ勉強を習慣にしよう!」「キャリアアップのために資格をとろう!」などと意気込んでいたのに、いまだに勉強を始めることができていない……。
このように悩んでいる方は、まだ諦めないでください。今回の記事では、いまからでも勉強を開始するためにやってみると良いことについてご紹介します。
実践例もお伝えしますので、参考にしていただけると幸いです。では、さっそくご説明しましょう。
【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。
- 「やるぞ!」と決意したはずなのにまだ取り組めていない理由
- いまからでも遅くない。勉強を開始するための2ステップ
- 【ステップ1】使える時間を知る
- 【ステップ2】時間の使い道を考える
- まとめ~開始した勉強を習慣化するコツ~
STUDY HACKER|専門家が解説「先延ばしせず勉強できる人」になるための強力な方法。大切なのは「○○の振り返り」
ZUU online|科学的に脳の力を120%引き出す! 勉強量を増やす2つの方法
東洋経済オンライン|三日坊主は卒業!「簡単に」行動を習慣化する方法 新しい習慣を0から身につけるのは一苦労だが
「やるぞ!」と決意したはずなのにまだ取り組めていない理由
「毎日忙しくて、なかなか勉強を始められない」とお悩みの方は多いようです。
行動分析学の専門家である明星大学心理学部教授の竹内康二氏も、先延ばしが生じる理由について次のように説明しています。
先延ばしをするときには「多忙」を理由にすることも多いものです。「忙しいから、いまは勉強できない」といった具合です。
(STUDY HACKER|専門家が解説「先延ばしせず勉強できる人」になるための強力な方法。大切なのは「○○の振り返り」)
年始にどんなに志高く目標設定しても、忙しい毎日を送るうちに「やっぱり自分には勉強する時間がないや……」と考えるようになり、いつまで経っても勉強を開始できない状態に陥ってしまうのですね。
しかし、竹内氏は、さきほどの話に続けて「どんなに忙しい人にも、隙間時間は存在」すると指摘し、勉強のために「隙間時間を活用する」べきだとも述べています。
では、どうしたら「隙間時間」を見つけることができるのでしょうか。(カギカッコ内引用元:同上)
いまからでも遅くない。勉強を開始するための2ステップ
そこで試してみてほしいのが、「使える時間がどれぐらいあるかを知り、次にその使い道を考え」るというワーク。(カギカッコ内引用元:ZUU online|科学的に脳の力を120%引き出す! 勉強量を増やす2つの方法)
これは、受験アドバイザーとしても有名な精神科医の和田秀樹氏が、勉強量を増やす方法のひとつとしてすすめている方法です。
このワークは、以下の2つのステップに分けることができます。各ステップについて、詳しくご説明しましょう。
【ステップ1】使える時間を知る
まず行なうといいのが、「朝から晩まで自分がその時間に何をしていたかを記録する」こと。(カギカッコ内引用元:同上)
前出の和田氏によると、「この作業によって日々の無駄な時間が可視化され、その中で勉強に転化できる時間がどれくらいあるかもはかることができ」るのだそう。(カギカッコ内引用元:同上)
この作業のポイントは大きくふたつです。
- 分単位で書き出すこと
- 数日記録して傾向をつかむこと
(参考:同上よりまとめた)
実際に記録してみるとすると、下記のようなイメージになります。SNSを見ている時間やゴロゴロしている時間といった無駄な時間には、ラインマーカーを施しました。
こうして数日ぶんの行動を洗い出してみると、次のような気づきがありました。
- 通勤電車に乗っている10分を毎回無駄にしている(SNSを見たり寝たりしている)
- 帰宅後にゴロゴロしがち(1回あたり40分ほど無駄にしていることも)
- 夜、寝ている子どもがぐずると再度寝かしつけが必要。いつ子どもがぐずるかは予測できないので、確実に勉強時間を確保するなら帰宅後なるべく早いタイミングがよさそう。
【ステップ2】時間の使い道を考える
無駄な時間があることがわかったら、その時間にできることがないかを考えます。時間の使い道について、和田氏は次のような見解を述べています。
文章を読むスピードでいうと、1分でだいたい原稿用紙2枚分(800字)の文章が読めるはずです。週刊誌1ページの文章量が1,200字程度ですから、1ページを読むのに1分半はかからないと思います。4ページの特集でも、5〜6分もあれば読めるでしょう。
このように、短い時間にできることは、思いのほかたくさんあります。もちろん個人差はありますが、それぞれの時間に自分は何ができるかをつかんでおくと、時間が空いたときにそこに組み込んでいくことができます。
(引用元:同上)
ですから、多忙な生活を送りながらも勉強したい気持ちがあるなら、「通勤電車に乗っている10分じゃ勉強なんてできないや……」などと諦めてしまうのはNG。ステップ1での気づきをふまえて、下記のように時間の使い道を決めましょう。
通勤電車でSNSを見ている時間、昼休憩中にネットサーフィンしている時間、帰宅後にゴロゴロしている時間を活用することができれば、1日にこれだけの勉強をすることが可能になります。
- 通勤電車内→読書する or テキストを読む(10分×2)
- 昼休憩中→単語を覚える or 一問一答形式の問題を解く(5分)
- 帰宅後→問題集を解く or ノートをまとめる(30分)
時間の使い道を決めるときは「○分しかない」ではなく「○分もある」と考えるのがポイントです。ご自身が持つ時間と学習内容に応じて、どの時間に何ができるかを考えてみてくださいね。
まとめ~開始した勉強を習慣化するコツ~
勉強に充てられる時間があるとわかれば、あなたもきっと勉強を開始する気になれるはず。「忙しい自分には勉強する時間なんてない……」と思い込んでいる方こそ、ぜひこのワークを試して、勉強を始めるきっかけにしてほしいと思います。
最後に、開始した勉強を習慣化するコツについてもご紹介します。
やり方は、すでに習慣化していることの直後に無駄な時間があれば、その時間を勉強に充てるだけ!
習慣化に詳しいメンタルコーチの大平信孝氏によると、「すでに習慣化していることの直後に、『新しく習慣化したいこと』をくっつけ」ると、「すでに習慣化していることの勢いを借りて行動を開始できるのでうまくいきやすい」のだそう。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|三日坊主は卒業!「簡単に」行動を習慣化する方法 新しい習慣を0から身につけるのは一苦労だが)
したがって、すでに習慣化していることの直後に勉強すれば、勉強が習慣になりやすいということ。電車通勤の習慣を利用して「電車に乗ったら10分テキストを読む」、入浴の習慣を利用して「お風呂から出たら5分単語を覚える」などと決めれば、勉強が習慣になりやすいはずです。
ぜひご自身の1日の行動記録を確認し、すでに習慣化していることの直後に無駄な時間がないかチェックしてみてくださいね。あった人はラッキー! 勉強を習慣化するチャンスです。
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まずは1日の行動を記録して無駄な時間を可視化することから、ぜひ試してみてくださいね。記事の内容を参考にして勉強を習慣化できたら、自分の目標に一歩近づくはずですよ。