あえて “普通から外れる” とデキる人に見られる可能性(※やりすぎ注意)

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職場で、大学で、大事な取引先や初対面の人に会ったとき……あなたは自分をどんなふうにアプローチしていますか? 今回は、セルフプロデュースに役立ち、あなたの成功を後押ししてくれそうな「赤いスニーカー効果」と、取り入れるコツを紹介します。

賢く成功するなら目立つほうがいい

フリーのジャーナリスト・編集者のSeb Murray氏は、スマートな働き方・生き方を提案するWebサイト「BBC Capital」に寄稿した記事の中で、「より賢く成功したいなら、周囲にうまくなじむより、目立ったほうがいい可能性がある」と伝えています。

成功したいなら目立つほうがよいということは、2014年に消費者心理専門の学術誌『Journal of Consumer Research』に発表された研究で示されました。“標準的な人よりも、異端児的な人のほうが、より高い地位と能力があると周囲に印象づけられる” のだそうです。そして、目立つことで能力の高さを印象づけられる、という現象には、「赤いスニーカー効果:red sneaker effect」という名が与えられました。

上述の研究を行った、ハーバードビジネススクールのフランチェスカ・ジーノ(Francesca Gino)教授らは、「不適合な行動」に対して人々がどのように反応するかを調べたそう。「不適合な行動」とは、たとえばラフなジャージを着て高級ブティックに入る、ビジネススーツばかりの職場で“赤いスニーカー”を履くといったことです。

ジーノ教授らの研究によって、「不適合な行動」をとる人は周囲から「きっとこの人は高い地位と能力がある」と推測されやすいことがわかりました。「不適合な行動」は、「私は自律的であり、慣例に従わないリスクを知っていますよ」というアピールだと受け取られるためです。

「不適合な行動」が自律性のアピールだというのは、高級ブランド品を着用することが「誇示的消費」(自らがお金持ちであると示すための消費行動)だと捉えられることに似ています。つまり私たちは、高級そうな服を着ている人を見ると「お金持ちなんだなあ」と思うように、目立つ格好をしている人を見ると「あえて周囲に溶け込まないようにしているのだから、きっと目立つことを恐れない、能力の高い人なんだろう」と思うのです。

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「赤いスニーカー効果」の例

前出の研究論文の著者のひとりで、コロンビア・ビジネス・スクール(ニューヨーク)の准教授でもあるシルビア・ベレッツァ(Silvia Bellezza)氏は、「多くの成功者は、Appleのスティーブ・ジョブズ氏同様に、慣例(しきたり)を非難する」と話します。

ジョブズ氏が、黒いタートルネックにリーバイス501というスタイルを維持し、ビジネススーツを見限った行動は、わかりやすい「レッドスニーカー効果」の例と言えるでしょう。Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏の、パーカーとグレーのTシャツといったトレードマークにも同じことが言えます。

もちろん、毎日服を選ぶことに時間を割きたくないなど、効率的に考えた結果の行動でもあったはず。「レッドスニーカー効果」がなくても、ジョブズ氏やザッカーバーグ氏は、目立たずにはいられない非凡さがありましたからね。

しかし、ジョブズ氏やザッカーバーグ氏の服装に代表される “慣例に縛られない行動” が、より非凡さを際立たせたのではないでしょうか。

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「赤いスニーカー効果」の注意

ただし、「赤いスニーカー効果」を利用する際は、以下の2点に注意してください。

1. 意図的に見えなければならない

ベレッツァ准教授は、「不適合は意図的に見えなければならない」と説明します。たとえば、リゾートのようなシワシワの麻ジャケットを入社式に着ていったら、ただ「場違いな格好だなあ」と冷たい目を送られるだけ。成功者の特徴から外れてしまいます。

大切なのは、独自のスタイルリスク耐性自律性を意図的に見せること。「判断ミス・常識の欠如によって場違いな格好をしてしまった人」ではなく、「周囲から浮いてしまうリスクを理解しつつ、あえてその服装を選んだ人」だと思われるようにしてください。周囲の人が、あなたの服装から「自律性」を感じれば、「きっとこの人は高い地位と能力がある」と思ってくれますよ。

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2. 効果が生まれにくい環境がある

規範や行動基準がない環境の場合、「赤いスニーカー効果」が生まれにくい可能性があります。たとえばシリコンバレーで、ただTシャツとスニーカーを着用していても、もともと自由度が高いのであまり目立ちませんね。逆に、規範意識が非常に高い会社で、特に新入社員の立場で、過度にカジュアルなスタイルを誇示するのも、避けたほうがいいでしょう。

心理学ジャーナル『Personality and Social Psychology Bulletin』のオンライン版で2018年に公開された、アムステルダム大学や米メリーランド大学などの共同研究では、19カ国2,369人の参加者を対象として「規範」について調査を行いました。調査の結果、「個人主義的な文化」において、規範違反者は規範遵守者よりも強力だと考えられることが分かりました。反対に、「集団主義的な文化」においては規範違反者のほうが力が弱いと考えられ、かつ「道徳的な怒り」を引き起こしたとのことです。

「レッドスニーカー効果」が効くかどうかは、環境に左右される模様。あなたが自分をアピールしたいと思う場所が「個人主義的な文化」なのか「集団主義的な文化」なのかは、考えたほうがよさそうですね。

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「レッドスニーカー効果」活用のコツ

「レッドスニーカー効果」を生むのは、必ずしもファッションだけではありません。次以下で挙げるような、少しだけあなたを目立たせる「独自のこだわり」でも、多少の効果が期待できるはずです。

  • お礼のメールではなく手紙を書く
  • スマートフォンよりも本を開く回数を増やす 
  • ペンではなく鉛筆を使い、よく鉛筆を削っている
  • 複数人でランチを注文するとき「同じものを」と言わない
  • 使い込んだ味わい深いバッグを大切に持っている 
  • 飲み会では、必ず最後に特定のカクテルを頼む 
  • スーツスタイルの中にも必ず入れるこだわりのカラーがある

重要なのは、自律性と強い信念を、意図的に見せること。赤いスニーカーを履いたり、タートルネックとジーンズになったりする必要はありません。ほかにいくらでも考えられるはずです。

ほんの少し “普通” から逸脱するだけで、周囲に印象を残すことができます。周囲の人が受けた印象は、「この人物はきっと何かやってくれるだろう」という期待につながるでしょう。

***
「レッドスニーカー効果」について説明しました。よろしければ、セルフプロデュースに役立ててくださいね。

(参考)
BBC Capital|How breaking dress codes pays off 
Harvard Business School|The Red Sneakers Effect: Inferring Status and Competence from Signals of Nonconformity - Article
NCBI|Cultural Collectivism and Tightness Moderate Responses to Norm Violators: Effects on Power Perception, Moral Emotions, and Leader Support. 

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