1日 “最低1時間” 勉強するにはどうすればいいのか? 「マンダラート」で考察してみた。

みなさんは、「勉強」を日々の習慣にすることはできているでしょうか。漠然と「勉強しなければ」とは思っているものの、そもそも勉強時間をうまく捻出できなかったり、気分に左右されて勉強が捗らなかったり……こんな悩みを抱えている人も多いはずです。

勉強がなかなか習慣にならないのは、勉強を毎日続けるための “戦略” や “仕組み” をうまく作れていないことに原因があるかもしれません。例えば「1日最低1時間は勉強したい」と考えた場合、私たちは普段の生活にどんな工夫を施していけばいいのでしょうか?

それを考えるうえでおすすめしたいのが「マンダラート」を使うことです。マンダラートで思考を深掘りしていくと、“1日1時間勉強する” ための具体的な方法が、細かな部分まで鮮明に見えてきます。詳しくご説明していきましょう。

マンダラートとは?

「マンダラート」とは、デザイナーの今泉浩晃氏が考案した発想法です。仏教に由来する「曼荼羅(まんだら)」に「アート」を加えて「マンダラート」と名付けられました。

マンダラートには、大きな正方形が3×3に9マス並んでいて、それぞれの大きな正方形の中にさらに3×3の9つの小さな正方形が並んでいます。詳しくは次項で図示しますが、マンダラートはこれら81マスすべてを埋めていくことで完成するものです。

じつは、いまメジャーリーガーとして活躍する大谷翔平選手も、高校生のときに使っていたことのあるのだそう。彼はマンダラートの中心に「ドラフト1位で8球団から指名される」ことを目標に掲げ、そのために必要な要素をマンダラートに落とし込んでいきました。プロ入り後の大活躍は説明するまでもありませんが……目標達成のための具体的な手段を考えたり自分の思考を深掘りしたりするうえで、マンダラートは優れものなのです

「1日1時間勉強する方法」をマンダラートで考えてみた

さて、今回は、1日1時間勉強するための具体的な方法を、マンダラートを使って実際に考えてみることにします。作業順序としては以下の通りです。

  1. 中央のマスに「1日1時間勉強する」と書く
  2. 1日1時間勉強するために必要だと考えられることを、周囲の残り8つのマスを埋める
  3. 8つのマスに記入した項目を、それぞれ外側のマスの中央に書き入れる
  4. 書き入れた8つの項目に対して、さらにそのために必要だと考えられることを周囲の小さいマスに書き入れる

実際にすべてのマスを埋めてみると、次のようになりました。

(画像は筆者にて作成)

このように、1日1時間勉強するためにどのような行動を取ればよいのか、詳細な選択肢が可視化されました。「勉強しなければ」となんとなく思っていただけの状況とは、大違いですね。

“行動ベース” で記入していこう! マンダラート作成のポイント

マンダラートを完成させるには、かなり多くのマスを埋める必要があります。うまく作成するために、私たちはどんな点に気を配ればいいのでしょうか。今回マンダラートを作るにあたって意識したポイントをご説明していきます。

ポイントの1つめは、マスを埋めていく際に “精神的な決意” ではなく “学習環境を整える行動” を重視して考えたことです。例えば、先ほど示したマンダラートの左上、「朝1時間だけ早起きする」の項目における小さなマスのひとつには、「朝日が入るようにカーテンを少し開けておく」や「目覚まし時計を遠い場所に置く」と記入しています。「『明日は早起きする』と意気込む」のように、自分の気持ちに頼る必要のあることを記入するよりも、環境を整えるほうが実現可能性が高いためです。

また、2つめのポイントとして、1日のなかで無駄になってしまっている時間や場所、機会、モノはないかを探してみました。例えば、中央左の「スキマ時間を活用する」の項目に「5分程度の待ち時間を活用する」と記入しています。ここでの待ち時間とは、電車を待っている時間や、待ち合わせで早く着きすぎてしまったときに発生する時間などを指します。普段はあまり意識することのない無駄な時間も、考え方によっては勉強時間として有効活用させられるという気づきも、マンダラートを通して得られるわけです。

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作成したマンダラートは、部屋の見えるところに貼っておくなり小さくコピーして自分の手帳に貼っておくなりすれば、書いた内容を思い出しやすくなるはずです。ただし、ここで注意していただきたいのは、マンダラート作成は決してゴールではないということ。マンダラートを完成させて満足するのではなく、それを実際の勉強に活かしていきましょう

勉強に関する悩みがある方は、ぜひマンダラートを使って “必要な行動” を可視化してみるところから始めてみませんか?

(参考)
Dropbox|マンダラートとは?9つのマスで閃きが加速する一流のアイデア発想法
StudyHacker|勉強にも仕事にも! 大谷翔平も使う『目標達成マンダラート』がすごい

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