自分の失敗を許せない人は、知らず知らずのうちに “脳の働き” を低下させている。

誰でも失敗はいやなもの。しかし、失敗を恐れないマインドを持つことは可能です。落ち込むほどの失敗でも、自分自身がそれを許すことで、前へと進めるでしょう。心理学者が教える「失敗に強くなるマインドセット」を紹介します。

3ステップで成長できる考え方に:Heidi Grant Halvorson 氏

――「Be-Good」と「Get-Better」の違い

社会心理学者の Heidi Grant Halvorson 氏は、アイデアの実行にフォーカスしたコンテンツを発信している『99U』で、新しい課題に取り組み、自分のスキルと知識を拡大し、成長と改善を続けたいのであれば、【失敗する許可】を自分に与えるようアドバイスしています。

そのなかで同氏が触れているのは、Be-Good(良い)の考え方と、Get-Better(良くなる)の考え方について。詳しく説明すると――

Be-Good は「自分が賢いことを証明したい」という考え方です。

失敗を「能力の欠如を示すもの」として常に恐れ、不安を感じています。その感情はワーキングメモリーのパフォーマンスを低下させ、多くの認知プロセスを混乱させるのだとか。また、物事を完璧にすることばかりに集中しすぎると、新しい知識や革新を生み出す思考や行動に結びついていかないそう。

一方の Get-Better は、「賢くなりたい」という考え方です。

Heidi Grant Halvorson 氏はこの考え方を、ほとんど批判の余地がないと解説します。なぜならば、学習と習得の観点を持ち、途中で自分がミスをするかもしれない、あるいは後退するかもしれないと受け入れながら、“やる気”を保つことができる考え方だから。

事実、Heidi Grant Halvorson 氏が行った以前の実験で、Be-Good の考えを持つ参加者は、問題解決のテストで多くの間違いを犯したそう。そのとき同氏は、わざとテストを中断したり、解決できない問題をいくつか追加したりして、より難しくしたのだとか。

しかし、Get-Better の考えを持つ参加者は、同じように難しいテストを行っても、“やる気”を維持し、問題を正しく解決したそうです。

「あなたが“失敗することを許されている”と感じるとき、実際に失敗する可能性がかなり低いことを研究は示している」とHeidi Grant Halvorson 氏はいいます。

――Get-Better(良くなる)の考え方になるステップ

Heidi Grant Halvorson 氏によれば、Be-Good(良い)の考え方から、Get-Better(良くなる)の考え方にシフトし、失敗の恐怖から自分を解放するためには、次のステップが役立つとのこと。

【ステップ1】:新しいことに取りかかる際、難しくて慣れていないこと、それらを理解するためには時間がかかることを認め、受け入れる。「いくつかミスを犯すかもしれないけれど、それは、成長の糧になるから大丈夫」と何度も自分にいいきかせる。

【ステップ2】:トラブルに遭遇したら、失敗したことを隠さず、他の人に助けを求める。失敗することが愚かなのではなく、失敗を隠し、あたかも自分がすべてを熟知しているように演じることが愚かなのだと理解する。

【ステップ3】:「他人」と「自分」を比較するのをやめ、「過去の自分」と「今日の自分」を比較する意識を持つ。ミスを犯すこと、完璧ではないことが問題ではなく、重要なのは、「過去の自分」に比べ、「今日の自分」が成長しているかどうか。

過去の失敗を許すための方法:Fred Luskin 氏

失敗すると、人は自分を責め続けてしまうことがあります。しかし、そうした行為は心拍数や血圧を上げ、消化を妨害し、筋肉を緊張させ、血流にコレステロールを放出して思考能力を低下させてしまうのだとか。

そこで、必要なのは、失敗した自分を許すこと。

「許すこと」は黙認や言い訳ではなく、失敗を受け入れ、前に進むための方法です。心理学者の Fred Luskin 氏が示す「過去の“過ち”を許すための12の方法」から抜粋し、仕事のうえでの「失敗」に置き換え紹介します。

1.失敗を分類する

Fred Luskin 氏は、「罪を分類することで、許しのプロセスが始まる」といいます。失敗を分類し、距離をおいて俯瞰的に眺めることで、気持ちが楽になるでしょう。たとえば次のような項目を挙げ、自分の失敗を分類します。

・見間違い、勘違いミス ・コミュニケーション不足のミス ・タイムマネジメントの失敗 ・プライドのせいで失敗 ・緊張しすぎで失敗

2.誰かに話す

誰か信頼できる人に自分の失敗を話しましょう。ひとりで抱えていても、癒しを困難にするだけです。誰かと共有することで、そうした失敗は自分だけではないと分かるはず。それが、失敗への思いを薄めます。

3.非現実的な期待を認識する

わたしたちは幼いころに吸収したルール(学校の規則やしつけなど)のせいで、ときに非現実的な期待をします。たとえば、大きな仕事を任されたとき、現実的には助けがいる、あるいは困難だと告げたほうがいい場合でも、「全て自分が担うべきであり、頑張れば達成可能」と考えてしまうのです。

大切なのは、失敗した自分を責めることではなく、非現実的な期待を認識していなかったと、自分に気づいてもらうことです。

4.失敗を感謝の言葉に交換

失敗に対する恥ずかしい気持ちや、罪の意識から逃れて「一息」つくために、失敗を、感謝の言葉に置き換えましょう。その表現が、理にかなっていなくても構いません。大切なのは、気分が悪いことではなく、気分がいいことに意識を向けること。たとえばこうです。

・間違って大事なデータを消してしまった。→役に立つデータに感謝します。 ・会議に大事な資料を忘れ〇〇部長に激怒された→〇〇部長に感謝します。 ・プレゼンで頭が真っ白になった→プレゼンの聴衆に感謝します。

*** 社会心理学者・ Heidi Grant Halvorson 氏の「成長できる考え方へにシフトする3ステップ」と、心理学者・ Fred Luskin 氏のアドバイスをもとに「過去の失敗を許すための方法」を紹介しました。失敗に強くなるマインドセットで、昨日よりも成長した自分に出会い続けてくださいね。

(参考) Adobe 99U|Why You Should Give Yourself Permission to Screw Up Prevention|How to Forgive Yourself - 12 Techniques for Self-Forgiveness

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