あの「ポスト・イット」誕生の裏側にあったもの。失敗を成功に変える『リフレーミング』という思考法。

失敗して落ち込んだり、自分の悪いところに悩んだりすることはありませんか? 落ち込んだらずるずると引きずってしまって、またうまくいかなくなる……。そんなこともあるかもしれません。ネガティブな考えからは早く抜け出したいですよね。

そんな時に役立つ、マイナスな思考をプラスに転換する方法をお伝えしましょう。

感じ方を変える「リフレーミング」

マイナスな考え方をプラスに転換する方法、それはNLP心理学で用いられる「リフレーミング」です。リフレーミングとは、ある物事を別の枠組み(フレーム)で捉えることで、見方・感じ方を変えること

例えば、ペットボトルに飲み物が半分ほど入っているとしましょう。「半分しか入っていない」というフレームでそのペットボトルを見た時と、「半分も入っている」というフレームで見た時では、全く感じ方が違ってきます。前者のフレームでペットボトルを見れば物足りない気持ちになるでしょうし、後者のフレームであれば嬉しい気持ちになりますね。このように、同じ出来事でも、フレームが変われば感じ方は変わります。このことを利用して、一見マイナスに見える物事にプラスの価値を与えようというのが、今回ご紹介するリフレーミングなのです。

リフレーミングには種類が2つあります。「状況のリフレーミング」「内容のリフレーミング」です。

状況のリフレーミング

「状況のリフレーミング」とは、ある物事について、「他のどのような状況では役立つか?」と考えることです。

例えば、仕事が遅くて周りに迷惑をかけてしまうことに悩んでいるとしましょう。仕事に早さを求める状況ならば、それはマイナス面かもしれません。しかし、仕事を仕上げるのが遅いということは、仕事に対して慎重だということ。つまり、慎重さが求められる状況ならばプラスになるのです。このように、状況のリフレーミングを行なえば、「仕事が遅い=欠点である」としてしまうマイナス思考から抜け出すことができます。

状況のリフレーミングによって、実際に成功した製品もあります。アメリカの化学メーカー3Mの研究員は、強力な接着剤を開発しようとして、偶然とても弱い接着剤を作ってしまいました。当初、この弱い接着剤は使い道がなかったのですが、ある時他の研究員が、本のしおりにしたらよいのではないかと思いついたそう。こうして製品化されたのが、みなさんもご存じのポスト・イットです。一つの目的のためには失敗に見えるものも、他の目的のためには成功になる可能性がある、ということがわかりますね。

内容のリフレーミング

「内容のリフレーミング」とは、ある物事について、「他にどんな意味があるか?」と考えることです。

例えば、仕事で失敗してしまって上司に叱られたとします。マイナス思考に陥ると、評価が落ちた、自分はこの仕事に向いていない、という考え方をして落ち込んでしまうでしょう。そこで、この出来事の未来に対する意味を考えてみるのです。この失敗のおかげで、次に同じような仕事をする時にどうすればよいかがわかったのではありませんか? これまでの自分のやり方を見直す機会になるかもしれません。また、「上司に叱られた」ということの意味も考え直してみましょう。上司は失敗した部下に対して、「そうすべきでない」という道筋を示してくれたのです。無関心な部下のことなど叱るはずはありません。「叱る」という行為からは、期待している、育てたいという気持ちも読み取れるでしょう。

他にも、状況のリフレーミングによって、自分の欠点だと思っているところを言い換えてプラスの意味にすることもできます。例えば、「頑固」は「芯がある、最後までやり抜く責任感がある」と言い換えられますし、「自主性がない」は「他人の意思を尊重できる、適応能力がある」、「短気」は「嘘をつかない、素直に感情を表現できる」というふうに言い換えることができますね。自分の欠点について悩んでいる方は、言い換えを試してみてはいかがでしょうか。

「失敗はない。フィードバックがあるのみ」

NLP心理学における考え方として、「失敗はない。フィードバックがあるのみ」というものがあります。普通は失敗だと片付けてしまうような出来事も、フィードバックがある、失敗からも学べることがあるという意味でプラスの面を持っています。捉え方を変えることで、どんなマイナスも今や未来にとってのプラスになるのです。

マイナス思考に陥ってしまった時は、プラスの意味を持たせることはできないか、リフレーミングをしてみましょう。NLP心理学の考え方には、「すべての行動には肯定的意図がある」というものもあります。どんなに悪いことに見える物事でも、捉え方を変えればプラスの意味を受け取れるフレームが見つかるはずです。

*** リフレーミングがどんなものか、理解していただけたでしょうか。リフレーミングは、マイナスな感情を解消するだけでなく、そのマイナスを今や未来の自分にとってのプラスに転換することができます。落ち込んだり悩んだりした時には、ぜひ実践してみてください。

(参考) 芝健太(2011),『プロが教えるはじめてのNLP超入門』,成美堂出版. Life&Mind|【完全理解】一瞬で世界を変えるリフレーミングの効果と活用事例 日本NLP協会|リフレーミング:NLP用語集 Wikipedia|付箋

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