みなさんは夜、疲れがピークに達して予定していた作業や勉強をしないままだらだらと過ごしてしまうということはありませんか。筆者も、疲れて帰宅した日には、夜にやろうと計画していた勉強になかなか取りかかれなかった経験が多々あります。

日中忙しい社会人・大学生の皆さんの中には、自分のためにまとまった時間を使えるのは夜しかない、という方も多いことでしょう。資格試験のための勉強や、提出期限が迫ったレポートの作成など、できるだけ夜の時間を有効に使って進めたいものですよね。しかし、いくら疲れてだらだら過ごしたいからとはいえ、こうした作業に1日でも取りかからない日があると、以降の予定が狂い、どんどん大変な状況に陥ってしまいます。

そこで今回は、夜にだらけてしまわないようにするための方法についてお伝えします。

夜についだらけてしまう理由

私たちが夜をだらだら過ごしてしまうのは、いったいどうしてなのでしょうか。その理由として「疲れてやる気が出ないから」ということを挙げる人は非常に多いでしょう。

肉体的な疲れ、人間関係などによる精神的な疲れ、仕事や勉強に集中したことによる疲れ……。疲労にはいろいろな種類がありますが、私たちが感じるすべての疲労の原因は「脳の疲れ」なのだそう。こう解説するのは、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏です。梶本氏は次のように述べています。

「過度な仕事や運動、メンタルの悩みなどを脳はすべて『ストレス』として受け取り、対処するためにさまざまな指令を体に送ります。強いストレスが続くと脳内の処理が増大して活性酸素が発生し、脳が酸化ストレスにさらされ本来の働きができなくなる。そのとき脳は『疲れた』というシグナルを体に送るのです」

(引用元:NIKKEI STYLE|すべての疲れは「脳の疲れ」 脳疲労をためない新習慣

夜には、1日分の疲労が襲ってきます。誰だって、疲れていればやる気が起きず、だらだら過ごしたくなるもの。やるべきことがあるのはわかっていても心身を休ませながらだらけているほうが楽です。「やりたくない。でもやらなくちゃ。いや、やっぱりやりたくない……」とぐずぐずしているうちに時間が過ぎ、やるべきことをつい先延ばしにしてしまうことはよくあることですよね。

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夜、だらけて過ごすのはもったいない!

日中の活動を頑張れば、夜に疲れが出るのは当然のこと。ですからもちろん、休息を取ってはいけないというわけではありません。ただし、夜をだらだら過ごすことには確実にデメリットがあります。

例えば、せっかく自分のために使える夜の時間を何の目的もなく過ごしていると、結局は無駄な時間になってしまうということ。経験のある方はおわかりですね。あとで「あのとき、ちゃんとやっていれば……!」と何度後悔したか筆者もはかり知れません。

また、夜にいつまでもだらけていると、つい夜更かしをしてしまうこともあるでしょう。疲れているからといってやるべきことをやらず、代わりにボーっとテレビを見たり好きなものを食べたりしていたら、いつの間にか時間は過ぎてしまいます。その結果、夜更かしからの睡眠不足につながり、疲れを取るどころか疲労を蓄積させる原因にもなり得るのです。

夜を有意義に過ごすには

では、私たちはどうすれば夜の時間をだらけず有意義に過ごすことができるのでしょうか。具体的な方法をご紹介します。

1. 単純作業に時間を充てる

だらだらしている時間がもったいないとは思うけれど、なかなかスイッチが入らないというときは、単純作業からまず始めてみてはいかがでしょうか。書類の文章の校正のように、頭をフル回転させなくてもできるような平凡な作業をするのです。

例えば、夜疲れて帰ってきた。しかし英語や資格の勉強を少しでも進めたい。そのような時は、英単語帳や参考書の覚えたいページを見返して音読をする作業はいかがでしょうか。また、取り組まなければならないレポートがある場合には、とりあえずいくつか資料集めだけをして終わる程度でも構いません。こうすれば、予定していた作業や勉強を少しでも進めることができますよ。

作業の途中で疲れきってしまったら、無理をしてやり続けるのではなく、きちんと切り替えて休憩を取るようにしてくださいね。

2. 「マインドワンダリング」を活かす

それでも、どうしても夜はやる気が出ないという方も中にはいらっしゃるでしょう。だらけているときはたいてい注意力散漫な状態だと思いますが、逆にその状態を活かす方法があります。それが「マインドワンダリング」です。マインドワンダリングとは、現在直面している課題や外的環境における出来事から注意がそれて、自発的な思考をし始める現象のことを指します。ぼんやりしているとき、取り留めもなくいろいろなことを考えることがありますよね。それがまさにマインドワンダリングの状態です。

マインドワンダリングの状態にあるとき、私たちは特定の方向性に固執することなく柔軟な思考をすることができます。ですから、創造的な課題、アイデアをたくさん出さなければならないような課題に取り組む際には、一極集中状態よりもマインドワンダリングの状態にあるタイミングを狙って取り組むと良いでしょう。

例えば、日中ずっと忙しく、レポートで使えそうなアイデアを出す時間の余裕がなかった。そのような場合には、夜帰ってから集中してなんとか考えようとするのではなく、お風呂に入りながらぼーっと考えるほうが、良いアイデアが浮かぶ可能性が高くなります。

3. いつもより早い時間に寝る

いっそのこと、就寝時間を早めてしまうのもひとつの手かもしれません。脳の疲れを取るには睡眠がとても有効です。だらだらと夜に起きているより、質の良い睡眠をきちんととって朝すっきりと起きられれば、次の日に疲れを持ち越すこともありません。

前出の梶本氏は、眠るときの姿勢にも言及しています。仰向けで寝た場合、気道を圧迫していびきをかきやすく、脳への酸素供給量が不足してしまうため余計に疲労が溜まってしまうことになるのだそう。疲れている日には、仰向けを避けて「横向き」で寝るようにしてみてください。

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みなさんも、ここでお伝えした方法を実践し、夜の時間を無駄遣いしないように気を付けてみてくださいね。

(参考)
NIKKEI STYLE|すべての疲れは「脳の疲れ」 脳疲労をためない新習慣
DIAMOND online|難しい仕事は「朝」、単純作業は「夜」やるのが鉄則! しかも、若い人ほど朝を活かすと一目置かれる
山岡明奈,湯川進太郎(2016),「マインドワンダリングが創造的な問題解決を増進する」,心理学研究|2016年87巻5号,pp.506-512.
日本社会心理学会|ほどほどに気を散らすのが創造的になる秘訣?