「一流のメモ術」で思考を深めろ! ただ書くだけじゃない、成功者のメモ “3つのルール”

歴史に名を残す偉人や成功者には“メモ魔”が多いといいます。もちろん、ビジネスパーソンにもメモを心がけている人は少なくないでしょう。しかし、メモをとることに夢中になり、さらにはメモの整理に時間を取られてしまっては本末転倒。

“メモ魔”になればいいというものではなく、効率的にメモを取り活かすことが肝心です。そこで今回は、成功者に学ぶ「活かせる“メモ魔”」になる方法をご紹介します。

偉人や成功者には“メモ魔”が多い

イタリアのルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、『最後の晩餐』や『モナ・リザ』ほか数々の名画を残し、さらには設計や解剖学など、様々な分野に業績を残した万能の天才です。その彼の残したスケッチやアイデアのメモはなんと1万枚以上。およそ1,300もの発明と技術革新を行ったエジソンも、生涯で大学ノート3500冊分のメモを残したそう。

その他にも相対性理論を提唱したアインシュタインや、ニュートン力学の確立や微積分法の発見をした“近代科学の父”ニュートン、種の形成理論を構築したダーウィンといった、名だたる偉人が“メモ魔”であったと言われています。

現代においても、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの創業者、増田宗昭氏や、GMOインターネットの熊谷正寿会長、日本マクドナルドの創業者・藤田田氏らも“メモ魔”として知られています。

では、なぜ偉人や成功者たちは、そこまでメモを取るのでしょう?

メモ=「手を使ってアウトプット」の効果

メモを取るメリットは以下のとおり、いくつもあります。

・忘却を防ぐ ・情報の整理・整頓 ・想起スイッチになる ・アイデアをカタチにする ・考えをまとめる

人間の脳は“生命にかかわる情報”以外は、積極的に保管しようとしません。また、記憶しても肝心なときに思い出せないということが往々にして起こります。しかし、メモさえ取っておけば、そのリスクを簡単に回避できるのです。それに、手を動かしてメモを書くことは、記憶の定着に大きく役立ちます。見たり聞いたりする感覚系回路でインプットした情報は、文章にする、説明するといった運動系回路でアウトプットして、再び感覚系回路でインプットすることを繰り返し、脳に記憶として定着するからです。

ただインプットしただけだと、脳に入ってきた情報は断片化してしまうとソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員の茂木健一郎氏はいいます。そういったことから、メモは入ってきた情報と、頭の中の整理・整頓にも役立ちます。

なおかつ、メモを見返すことは記憶を呼び起こすスイッチになり、そこから新たなことに気づかされる場合もあります。頭の中で何かアイデアが湧きあがり、それを自分自身がハッキリと説明できない場合にも、思いつくままを書き出しつなぎ合わせていけば明確になっていくでしょう。アイデアをカタチにしたり、考えをまとめたりする役割もメモは担っているのです。

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“メモ魔”になって、それを活かす方法

――成功者のメモはどんなもの?

プレジデント社の編集部は2016年に、「ノート習慣」に関する意識調査(委託先:株式会社ルート・アンド・パートナーズ)を行いました。対象は総資産約1億円以上、年収2,000万円超という経営者や役員、医師、弁護士などのエグゼクティブ。

それにmorich代表取締役・森本千賀子氏と、ルート・アンド・パートナーズ代表取締役・増渕達也氏といった、エグゼクティの行動習慣に詳しい2人の知見も加えた内容によれば、エグゼクティブ層は毎日かなりの頻度でメモを取りますが、手帳やノートではなく、手近にあるコピー用紙の余白や裏側などに書くことが多いそうです。その際、彼らは要点を抜き出し、図解化することに長けているのだとか。なおかつその内容を、頻繁に見返しているといいます。

一方、エグゼクティブ層“以外”の層に見られるのは、自分でメモを取らずに部下任せにするケースや、手帳などメモを取るアイテムにこだわったり、内容を丸写ししたりするケース。また、メモを何度も見返す機会は設けていないそうです。

『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』の著者、石原明氏は「メモを取ってから自問する時間を持つことが大事だ」といいます。メモにともない思考する訓練が必要だということ。したがって、ビジネス成功者に学ぶ、活かせるメモは以下のとおり。

・思いついたら要点だけを書く ・分かりやすくする=図式化・チャート化など ・何度も見返して、再度思考する

――ビジネスパーソンがメモを活かす方法

では、ビジネスパーソンが“メモ魔”になって、それを活かすためにはどうしたら良いでしょう。そこで、今回ご紹介したいシンプルな方法は、書いたメモを、ただノートに貼っていくということ。

用意するものは「普通のノート」と「スティックのりハサミ」です。

ちなみに、メモするものは何でもOK。先述したようにエグゼクティブ層にならい、気がついたとき手近にあるコピー用紙の余白や裏側で構いません。もちろん手元にあればノートに直接書いてもいいのです。適当なものに書き出したら、必要に応じて適度な大きさに切り、貼っていく、ただそれだけです。はがれてしまうリスクはありますが、面倒ならポストイットでもいいですよ。大きなメモになったら折りたたんでしまえば大丈夫。ただし、メモする際は要約したものを簡単に項目化、図式化、チャート化などして、分かりやすくしましょう。

そして、ノートの上に日付だけ書いて、メモを書いたらどんどん貼っていきます。この日付が「この前、こんなことを書いたなあ」という想起の手助けになります。また、これは思考の日記であり、ノートの一番新しいところに貼っているのが最新情報なので、「同じ内容だからまとめよう」と日付を無視して整理する必要はありません。

メモが貼られていったノートには、日々のあなたの頭の中が、すっかり映し出されているはずです。思考の日記を何度も見返して、さらに思考を深めてください。

*** 今回ご紹介した“メモ魔”になって活かす方法は、「普通のノート」と「スティックのりとハサミ(あるいはポストイット)」を使って、自分の頭の中を日記のように残していく方法です。ぜひ、ビジネスに役立ててくださいね。

(参考) ジェイテクト|Leonardo da Vinci 日経BizGate|成功する社長は「ケチ」「メモ魔」「細かい」 リクナビNEXTジャーナル|デキる人は、やっぱり「メモ魔」だった――メモのもたらす5つの効果 ITmedia エンタープライズ|トップ3%の人の仕事のルール:「メモ魔」にならない ハタラクティブ|メモ魔になって仕事の効率UP?メモを取る際のポイント PRESIDENT Online|高年収エグゼクティブの「ノート習慣」 Study Hacker|成功者には「メモ魔」が多い。最大の効果を生み出す “メモ” のコツ。 茂木健一郎著(2008),『脳を活かす仕事術』,PHP研究所.

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