あいまいな目標なんて意味がない! “具体化主義” の目標設定メソッド『SMART』を実践してみた。

様々な場で私たちは「目標」を立てますよね。しかし、せっかく目標を立てたのに達成できなかったことのある方も多いのではないでしょうか。

目標を達成するには、最初の「設定のしかた」が重要です。いくら目標を立てても、それが実現できなければ意味がありません。そこで今回は、新しい目標設定法をご紹介したいと思います。

目標が達成できない原因

目標設定について考える前に、まず目標が達成できない原因について考えてみましょう。

・そもそも無謀な目標を立てている 目標が達成できない場合に一番ありがちなのが、そもそも計画が無謀であるということ。例えばTOEICの点数アップを目指していたとして、現在400点レベルの人がたった数週間で900点突破を目標に掲げても、達成が難しいことは明白です。

・何を目指すのか、最終的なゴールが見えない 目標設定の際に必要不可欠なのが、「ゴール」です。いつまでに、どの程度の水準までいくのかを設定できていなくては、目標の達成はできません。仮にそれが読書習慣のような恒常的に続いていくものだとしても、一定のところにゴールを作らなければ、モチベーションも維持できないのです。

・次にすべきことが分からない 達成できない目標の中には、目標を立てて満足してしまっているものもあるのではないでしょうか。目標を立てた後に取るべき具体的な行動が分からなくては、そもそも目標の達成をしようがないのです。

目標設定の5つのポイント

今回提案したいのが「SMART」という目標設定法。言葉の解釈などによりいくつかのパターンに分かれるようですが、経営コンサルタントの奥山由美子氏は、以下のように説明しています。

◆要素1:Specific(具体的に) 誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す ◆要素2:Measurable(測定可能な) 目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す ◆要素3:Achievable(達成可能な) 希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する ◆要素4:Related(経営目標に関連した) 設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する ◆要素5:Time-bound(時間制約がある) いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する

(引用元:GLOBIS知見録|目標設定は「SMART」に

目標を設定する際には、これら5つの基準に合わせて見直してみることが重要です。そうすることで、実践可能かつ無駄のない目標立てられるようになりますよ。今回は、この「SMART」の効果のほどを確かめるため、実際に筆者が以下の通り実践してみました。

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「SMART」で実際に目標を立ててみた

今回、筆者が達成したかったのは「運動習慣を身につける」という目標です。このままでは、次に何をすればいいのか、いつまでに取り組めばいいのかが分かりませんよね。「SMART」の5つのポイントを参考に、明確な目標としていきます。

1. Specific(具体的に) まず、目標の内容を具体化していきます。今回、筆者が運動習慣を身につけたいのは、脳が活性化され、勉強や仕事に良い影響を与えると聞いたため。

こちらの記事「運動で頭が良くなる! 勉強に効果のある運動と、最適なタイミング。」を参考に、具体的に運動の内容を考えていきます。

脳に良い刺激を与えるには、なによりも「毎日続ける」ことが重要なのだそう。そのため、時間のとれる時ととれない時の2通りの運動メニューを用意し、毎日どちらかの運動に取り組むことにしました。

脳を育てるためには、心拍数を上げるような少し激しい運動を短時間行うことと、ゆっくりした運動を長めに行うことを組み合わせるのが理想的なのだそう。複数種類の運動を取り入れるのは時間的に難しかったため、筆者はランニングをする際のペースを変えることにしました。話したり歌ったりできるくらいのゆっくりとしたペースと、軽く息が上がる程度の速いペースとを交互に繰り返せば、脳への良い効果を期待できるでしょう。

また、ストレッチも脳を活性化する運動なようなので、雨天時や時間のとれない日にはこういった運動を短時間でも取り入れるようにします。

2. Measurable(測定可能な) 「毎日運動をする」というのは、測定可能ではありますが、「できたorできなかった」だけでしか判断できないため、より明確にします。

ランニングは「5km以上」、ストレッチは「10分以上」と、それぞれ数値目標を追加しました。どのような目標であっても、数字を使って基準を設けることで、十分に測定可能な目標とすることができます。

3. Achievable(達成可能な) ランニングだけだと、時間がとれなかった場合や体調の優れない日などには実践できなくなってしまいますが、今回は負担の少ない運動も用意しているため、問題なさそうです。

時間も10分程度とれればいいわけですから、朝出かける前や、夜寝る前など、簡単にとることができますね。

4. Related(経営目標に関連した) 経営目標とされていますが、個人の場合には「達成したい成果に基づいた目標になっているか」といった考えでよいでしょう。今回は「運動習慣を身につける」という目的がすでに設定されているため、自然と目的に沿った目標設定ができました。

5. Time-bound(時間制約がある) ゴールも区切りもないまま毎日同じ運動を続けるのでは、モチベーション維持が難しくなってしまいますよね。そこで期間を「1か月間」としました。1か月であれば続けようと思えますし、1か月間続ければ自然と生活スタイルに馴染み、習慣化もできそうです。

結果できあがった目標は、「1か月間毎日、5km以上のランニングか、10分以上のストレッチを行なう」です。

実践してみて感じたこと

実際にやってみて、確かな効果を実感することができました。

まず、次に自分が何をすべきかを認識できるようになったことです。今回も、早速今日から取り組める、というほどに、具体的で行動しやすい目標がつくれました。

さらに、ここまで具体的に組み立てていますから、その目標が本当に効果的であると確信できます。例えば勉強の場合、自分の習熟度に対して勉強の難易度を変える必要があります。TOEIC400点レベルの人と、900点レベルの人とでは、当然ながらやる内容は違いますよね。「SMART」を使えば、今の自分のレベルに合わせた目標設定か可能なのです。

*** SMARTは、個人の目標設定の際だけでなく、チームプロジェクトのゴール設定など、ビジネスの場面でも十分に活用できる手法です。本コラムを参考に、ぜひ実践してみてくださいね。

(参考) GLOIBS知見録|目標設定は「SMART」に AllAbout|「SMART」の考え方とは?コンサルタントの目標設定法 FreeConsultant.jp|コンサルタントの目標設定「SMARTの法則」を使いこなす キャリアパーク!ビジネス|目標を達成できない人の特徴と改善方法

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