“恋人さえ大切にできない人” に欠けている「SQ」という知性。 - STUDY HACKER（スタディーハッカー）

知能を指数化したIQ（知能指数）のほか、近年は感情を指数化したEQ（心の知能指数）や、逆境への対応力を指数化したAQ（逆境指数）なども重要視されるようになりました。

そして、もうひとつ注目を集めているのは、「SQ」と呼ばれる「社会的知性」です。このSQ が高いと、ビジネスパーソンとしてはもちろんのこと、リーダーとしても高い能力を発揮できるのだとか。

今回は、世界的なベストセラー『メンタルが強い人がやめた13の習慣』の著者が伝えている「SQの育み方」を紹介します。

「SQ（社会的知性）」とは

SQは「Social Intelligence Quotient」の略で、社会性の知能指数を意味します。アメリカのコロンビア大学で心理学・教育学の研究をしていた Edward L. Thorndike 氏によって、1920年に「人々を管理する能力」として定義づけられました。

しかし、その考え方には他人を利用して自分の利益を得るような内容が認められたため、後に EQ（心の知能指数）を世の中にひろめたハーバード大学の研究者、 Daniel Goleman 氏によって修正されたのだそう。

Goleman 氏は EQの考え方をさらに深め、脳科学の最新の研究も取り入れつつ、「他者との関係において高い知性を発揮する能力」としました。つまり、他人の感情や思惑など感じとり、理解したうえで、自分の行動が及ぼす影響を考慮し、どのように行動すればよいかを認識できる能力です。

25の言語に翻訳されたという国際的なベストセラー『メンタルが強い人がやめた13の習慣』の著者であり、マサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学では講師を務める心理療法士の Amy Morin 氏は、「SQ（社会的知性）」のサインとして、以下の4つを挙げています。

会話において、単に反応するのではなく、人の言葉の真意に注意を払う。

人々の詳細を記憶でき、気が利いて、あらゆる状況や場面において適切で、ユーモラスで誠実で、誰とでも会話できる。

自分の言葉や行動が他者に与える印象を考慮して、慎重にバランスをとり、イメージを守ることができる。

他者を不愉快にしてまで論点を立証したり、証明したりしない。違う意見にも耳を傾けられる。

こうした特性を示す SQ が高い人々は、より大きな群衆のなかにいても確固たる自信を持っているように見えると Amy Morin 氏はいいます。では、この「SQ（社会性の知能指数）」は、どう育めばいいのでしょう。

Amy Morin 氏によれば、社会的知性を開発するには、以下5つの意識や行動が役立つとのこと。

SQ が高い人々は注意深く、周囲の人々からの微妙な社会的合図に目を配っています。そうしたスキルが高いと感じる人々の、他者とのやり取りを、注意深く観察しましょう。

SQ に似ている EQ（心の知能指数）は、他人の感情を認識することを助け、否定的な感情を制御することに役立ちます。心の知能指数も高めていくよう意識しましょう。（こちら「EQを高めるための、具体的な４つの方法。そもそもEQを高めるってどういうこと？」に、その具体的な方法を紹介しています）

SQ が高い人は、誰もがそれぞれの育成にもとづき、さまざまな反応や習慣を持っていると理解しています。他者に文化的な違いを見つけて、理解するようにしましょう。

相手の言葉を積極的に“傾聴”する姿勢や態度、聴き方の技術を磨きましょう。相手の言葉の抑揚に耳を傾け、その奥に潜む真意の手がかりを得てください。

配偶者や恋人、子供、友人、同僚など、自分の人生においてもっとも近い人々との“つながり”が失われないように、彼らの感情に注意を払いましょう。SQ が高い人は、自分の人生にとって意味のある人々と、深い絆を持っています。

株式会社アイ・キューが運営する「日本の人事部」によると、ある研究の調査結果で、高い業績をあげているリーダーは、平均的なリーダーよりも、部下たちの笑いを引き出す回数が3倍多いとわかったそうです。

だからといって、ジョークが上手い・下手が観点になるわけではありません。いかに笑顔を多く見せて、相手のミラーニューロン（他者の行動をマネて相手の気持ちを理解する脳のメカニズム）を作動させるかが大切なのだとか。社会的知性「SQ」を育むうえで、あなたの「笑顔」は強力な武器になるはずです。

＊＊＊社会性の知能指数「SQ 」についての説明と、その特性や、育み方について紹介しました。積極的かつ注意深く人と接し、そのなかで失敗と成功を重ねながら、社会的知性と人間的な魅力を高めてくださいね。