EQを高めるための、具体的な4つの方法。そもそもEQを高めるってどういうこと?

「できるビジネスパーソン」になりたい……。おそらく誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。でも、「できるビジネスパーソン」って何でしょう。地頭が良い人でしょうか、弁が立つ人でしょうか、それとも専門的な知識に優れている人でしょうか。

もちろんそれらも、必要とされる素養のひとつに含まれているかもしれません。でも、ビジネスの世界で成功を収めるためには、もっと根源的で普遍的なものを大切にしなければなりません。

そこで今回は、ビジネスにおいて非常に重要視されている “EQ” に注目し、その高め方を探ります。

EQとは

EQとは Emotional Intelligence Quotient の略であり、「心の知能指数」とも呼ばれています。エール大学エールカレッジ学長であるピーター・サロベイ博士と、ニューハンプシャー大学教授のジョン・メイヤー博士によって提唱された理論です。

両氏は、学歴がそれほど高くなくても(つまり、IQがそれほど高くなくても)ビジネスの世界で成功している人が数多くいることに着目し、その成功の要因を心理学的観点から探ろうと、広範な調査を行ないました。その結果、以下のような結論を導き出したのです。

ビジネス社会で成功した人は「自分の感情の状態を把握し、それを上手に管理調整するだけでなく、他者の感情の状態を知覚する能力に長けている」

自分自身の感情を正確に知り、それをコントロールできるだけではなく、相手の感情にも適切に対処できる——。EQとは、こういった能力のことを指すのです。

EQの重要性

EQがなぜ重要であるか、それはビジネスの世界で絶対に必要とされる対人コミュニケーションスキルに直結する能力であるからです。実際、心理学の専門誌『Psychology Today』に掲載された記事によれば、職場でのパフォーマンスが高い90%の人はEQが高く、逆にパフォーマンスが低い80%の人はEQが低いという結果が出ているのだとか。

自分の感情を知覚してうまくコントロールすることができれば、前向きな感情を生み、前向きな行動を作り出すことができます。同時に他人の感情に適切に対処できれば、それはすなわち良好な人間関係の構築につながります。すると、その人間関係から得られる支援や協力を活用しながら、周囲を巻きこんでチームとしての目標の達成に向かうことができますよね。ハイパフォーマーとしての成果を安定的に生み出すことができるのは、こういった部分にあるのです。

一方でEQが低い状態、つまり自分や他人の感情にうまく対処できない状態ですと、人間関係の構築にも難が生じてしまいますし、冷静さを欠いて感情のまま行動してしまう、他人の感情に支配されてしまう(機嫌の悪い人を見てこちらも機嫌が悪くなってしまう)など、普段の仕事にも悪影響が出かねません。いくら学歴が高くても、頭脳が切れても、それではビジネスの世界での成功は難しそうですよね。

もちろん、EQを高めたからといってすぐに成功を掴み取れるわけではないでしょう。しかしEQを高めることで、高いパフォーマンスを発揮する「できるビジネスパーソン」に近づくことはできるはず。それではここからは、EQを高める具体的な方法をいくつかご紹介していきましょう。

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EQを高める4つの方法

1. 負の感情を紙に書き出す

自分の感情を知り上手に管理できるのがEQが高い人の特徴ではありますが、とりわけ「怒り」や「フラストレーション」といったネガティブな感情との付き合い方は難しいものですよね。そこで、そういった負の感情は紙に書き出してしまうことをおすすめします。

ここでのポイントは、ただ漠然と書くのではなく「なぜ」「どうして」といった理由も併せて記入すること。自分の感情を分析することで冷静な自分を取り戻すきっかけになりますし、「こうすればよかったんだ!」と前向きな行動につながるヒントが見つかるかもしれません。

また、慢性的に負の感情に苛まれている場合は、“幸せホルモン” とも呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」が不足している可能性もあります。セロトニンは日光を浴びることによって分泌が促進されますので、朝起きたら太陽の光を浴びながらウォーキングをするのが効果的ですよ、

2. 無理をしないために「ノー」と言う

自分の感情を抑圧しすぎてしまうこともまた、感情のコントロールという観点では避けたいものです。特に何かを頼まれた際、相手の気分を害するのではないかと、つい断りきれずに「はい」と言ってしまう人はいないでしょうか。

断ることは決して相手の人格を拒絶することにはなりません。自分に無理をさせないためにも、素直に「ノー」と言えるようになりしょう。「本当は断りたくないのですが……」などと丁寧に前置きをしたうえで断る理由を伝えれば、相手の理解もきっと得られるでしょう。

3. 1日10回「ありがとう」と言う EQが高い人は総じて、相手の感情や表情、その場の雰囲気などを読み取る力、いわゆる「空気を読む力」に優れています。とはいえ、人間観察をして感情の状態を読み取ろうとしても、慣れないうちはなかなか難しいものですよね。

そこで少し視点を変えて、感情を無理に読み取ろうとするのではなく、相手の感情をこちらに “開かせる” ために、1日10回「ありがとう」と言う習慣をつけてみましょう。「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいません。あなたに心を開いて様々な感情を見せてくれるようになりますし、その人との関係も良好なものになりますよ。

4. 大切な人と深い気持ちを共有する

最後に、EQを高めるのに有効な手段として、自分の奥深くにある気持ちを大切な人と共有することを提案します。

あなたが自分の気持ちを表現するのはもちろんですが、相手が気持ちを表現してくれたときも、それを大切にするようにしましょう。それがたとえネガティブなものであったとしても、前向きに受け止めようと努力することが重要です。

インターネットやSNSなどデジタルな場所でのコミュニケーションが主流となった今、このように面と向かって気持ちを交流させる機会は減ってきているといえます。それは「EQを高める」という観点ではマイナスの要因です。だからこそ、身近にいる人の “感情” を大切にしてみてはどうでしょうか。自分の感情を伝え、相手の感情を知覚する。それは必ず私たちの人生にしっかりとした基盤をつくってくれるはずです。

*** 「EQが高い」「EQが低い」というように数字ですべてを判断することはできませんし、数字では計れない部分にこそ各人の個性や魅力があることもまた事実でしょう。しかし、EQという概念に着目し、それを高めようと努力することで、何かが変わるかもしれませんよ。

ご紹介した方法を実践して、「できるビジネスパーソン」に近づきましょう!

(参考) EQグローバルアライアンス|EQとは? EQグローバルアライアンス|EQとは誰もが持っている能力 Lealta|「EQ」を高めて人間力を高める! Advance!|できる人は、EQが高い! いまからEQを鍛える2つの方法 日経BPネット|頭がよくてもEQ能力がないと成功できない 健康生活|早起きは三文の徳!早寝早起きでセロトニンの分泌を活性化

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