コロナの逆境下で成長するためのマインドセット。「不完全なまま行動する勇気」をもて!

澤円さん「コロナの逆境下で成長するためのマインドセット」01

いま、新型コロナウイルスの影響もあり時代は大きく変動しています。ただ、その変化に惑わされるのではなく、ここでこそ必要になるのは、固定観念にとらわれた価値観や表面的な方法論ではなく、自分自身のなかにあるゆるぎない「本質」ではないでしょうか。

そこで、「あなたが本当にやりたいこと、それこそがあなたの『本質』です」と語るのは、『個人力 やりたいことにわがままになるニューノーマルの働き方』(プレジデント社)を上梓したばかりの澤円(さわ・まどか)さん。この逆境下で成長していくために、私たちがもつべきマインドセットを教えてもらいます。

構成/岩川悟  写真/榎本壯三

「もっとやりたい」と思うことに磨きをかける

いま、このような状況下において、多くの人にもっていただきたいマインドセットがあります。

ピンチで終わらせない

「いまはこんなご時世なのだから、うまくいかなくても仕方ない」と終わらせるのか。それとも、マイナスからでも一歩を踏み出し、少しでも自分ができることを増やしていこうとするのか。これはもう、「個」それぞれのマインドセット次第です。

ただし、後者のように考えないと、結局は外部環境に翻弄され続け、ずっと苦労が耐えなくなってしまいます。ピンチを言い訳にして努力しないでいると、当然そのあともいい物事は起きにくいもの。逆に、ピンチでも一歩を踏み出していくと、逆境に負けないための鍛錬となります

ピンチに過剰に反応するのではなく、乗り越えることでチャンスに変わる場合もある。具体的にどうすればいいかというと、よりストレスが少なく、かつ世の中に対して貢献しやすい鍛え方をすることです。

自分の得意なことや、「もっとやりたい」と感じるものに取り組んでみる

「個」の成長はこのプロセスに尽きます。もちろん、いくらまわりから評価されても、自分がやりたくなければ話は別。でも、もしそうでないなら、「得意なこと」に磨きをかけるほうが、苦手なものに取り組んであくせくするよりも確実に結果がついてきて、なにより楽しいというのが僕の考えです。

澤円さん「コロナの逆境下で成長するためのマインドセット」02

「~してからやる」と考えない

「でも、自分がやりたいことを見つけたり、得意なものを磨いたりするのには時間がかかるんだよね……」

そんな人もいるかもしれません。そう思う人は、ぜひ不完全なまま行動する勇気をもってください。とにかく、「完全な状態でなければならない」という呪縛から離れてほしい。僕は、よくこういう言い方をします。

「ちゃんとし過ぎないでいい」

特に、日本人は「~してからやる」と考える人が本当にたくさんいます。

「お金ができてから結婚しよう」
「英語がある程度話せるようになってから留学しよう」
「ダイエットしてからスポーツクラブへ行こう」

でも、それって話が逆ですよね? 「ちゃんとしていなければいけない」という気持ちが強すぎると、このような考え方になるように思います。

なにかを発言したり行動したりするときに、そのための資格なんて必要ありません。もし僕が、「エンジニアです」と言うと、「あなたのどこがエンジニアなの?」と文句をつけてくる人もいるかもしれない。

でも、それは無意味な主張です。自称と詐称はあくまで別ものだから。たとえば、僕が「ケンブリッジ大学を首席で卒業しました」と言ったなら、それはただの噓なので詐称になるでしょう。

ただ、「自分はこれから思考と行動を変えて、エンジニアリングを生業にし、充実した幸せな人生を送りたいと思っています」と言うなら、少なくとも自分がもつ知識をもとにエンジニアを名乗っても構わない。それは自称でまったく構いません。

もし、なにも経験がなくて気が引けるなら、「私はエンジニア志望です」とでも言えばいいのではないでしょうか。いまの状態のまま、アクティブに自分を発信していけばいいのです。

スキルや能力がすべてそろってから、大義名分が立ってから、という呪縛を自分にかけると、大きく損をすると僕は声を大にして伝えたい。もう、そんな変化のスピードがのんびりした時代は終わりました。

結局のところ、「~してからやる」と考えるのは、心のどこかで「人からどう思われるか」を気にしている証拠。自分でも気づかないうちに、自分と他人とを比べてしまっているのです。そんな「他人の単位」で自分を縛るのは、僕はとてももったいないことだと思います。

澤円さん「コロナの逆境下で成長するためのマインドセット」03

過去の成功体験にこだわってはいけない

これからは、日常生活はもとより社会経済基盤や働き方の慣行など、あらゆる部分において変化が起こるでしょう。そんな時代だからこそ、これまで以上に過去の成功体験にこだわることもやめたいものです。それを育んだ環境自体がすでに失われているのだから、こだわるのは無意味などころか、自らの成長を阻害するものになりかねません。

人は苦しい状況に陥ると、どうしてもコンフォート(快適な)ゾーンに逃げ込みたくなるものです。そんな心に癒しを与えてくれるのが、「かつて私はこんな活躍をした」「ここまで上り詰めた」というような、過去の成功体験の自慢話の数々……。

でも、残念ながら、過去に授かった賞や昇格などの成功体験は、すべて特定の時期に限定された、しかも他人から与えられた栄光に過ぎません。正直なところ、いまの時代を生きるには期待するほど役には立たないでしょう。

このような話をするとき、僕はよく旧来型の変化を嫌う企業を例に挙げますが、これは僕がメインフィールドにしているIT業界でも同じです。最先端のテクノロジーに触れる機会の多いIT業界人も、なにか問題が起これば、つい過去の成功体験に逃げ込んでしまう面はあると思うのです。

過去の成功体験にこだわる人は、ベンチャー起業家やフリーランスの人のなかにもいます。たしかに、過去の自分が成したものに誇りをもつことで、自分の情熱を再生産していける面はあるかもしれない。過去の成功体験が、すべて無意味だと言っているのではありません。

ただ、それらを内なる自信の源にするのはよくても、大切なのは時代の変化に合わせて、アップデートしたかたちで再現させることではないでしょうか。過去の成功体験をそのままもち出して、「だから私はすごい」「だから自分には価値がある」という態度でいるのは、ただの思考停止に過ぎません。

価値は時代とともに次々と変わるものであって、常に新しいものを見いだしていけるマインドをもつ人こそが、これから活躍していける人なのだと思います。

常に自分という「個」を起点にして、自分を「Transform(変化)」させていこう。

「あなたはいまどんな価値を提供できるの?」と問われたら、真っ先に自分ができることや、やりたいことを答えられるようにしておくこと。そして、すぐさま取り組んでいける態勢をつくっておくことです。

澤円さん「コロナの逆境下で成長するためのマインドセット」04

※今コラムは、澤円 著『個人力 やりたいことにわがままになるニューノーマルの働き方』(プレジデント社)をアレンジしたものです。

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【プロフィール】
澤 円 (さわ・まどか)
株式会社圓窓代表取締役。1969年生まれ、千葉県出身。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、1997年にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。情報共有系コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任し、2011年、マイクロソフトテクノロジーセンター・センター長に就任。2006年には、世界中のマイクロソフト社員のなかで卓越した社員にのみ授与される、ビル・ゲイツの名を冠した賞を受賞した。現在は、年間300回近くのプレゼンをこなすスペシャリストとしても知られる。ボイスメディア「Voicy」で配信する「澤円の深夜の福音ラジオ」も人気。著書には、『外資系エリートのシンプルな伝え方』(KADOKAWA)、『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1 プレゼン術』(ダイヤモンド社)、伊藤羊一氏との共著『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)などがある。

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