残念なプレゼンしかできない人は “この3つ” をやってしまっている。

残念なプレゼン1

あなたは、プレゼンのしかたを誰かから教わった経験はありますか?

「スライド資料の上手な作り方がわからない……」「人前で話すのが得意ではない……」など、プレゼンに苦手意識を持っている人も多いことでしょう。あるいは、「自分が伝えたいことは聴衆に伝わっているのだろうか?」といった悩みもあるかもしれませんね。

そこで今回は、プレゼンのときに気をつけたい3つのNG行動を指摘します。これらをしないように心がけ、あなたのプレゼンのクオリティを底上げしていきましょう。

【NG1】結論を最初に述べないまま話し始めてしまう

人に何かを伝える際、細かい情報から入っていることはありませんか。最初から詳細な話を始めてしまっては、聴衆は「この話は自分にとってどんな意味があるんだろう?」と疑問を感じてしまいます。聴衆の関心を惹きつけて、あなたのプレゼンに耳を傾けてもらうためには、これから何を話すかを最初に示すことが大切です。

聴衆の関心を惹きつけるのがうまい人物といえば、スティーブ・ジョブズ氏が挙げられます。誰もが認めるカリスマ性をまとっていたジョブズ氏は、最初に「結論や大枠」を伝えること徹底していたことで有名です。2001年のAppleの製品『iPod』発表のときは「ポケットに1,000曲」、2007年の『iPhone』発表のときは「Appleが電話を再発明する」と、プレゼンの冒頭で伝えていました。

プレゼンの代表的な型のひとつである「PREP法」を覚えておくとよいでしょう。これは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の順番でストーリー展開していくというもの。結論となる「Point」を、プレゼンの最初と最後に伝えるのです。これにより、最も伝えたいことを聴衆に強く印象づけることができます。

たとえば、自社の新製品を提案したい場面でPREP法を使う場合、次のようになります。

「この商品の一番の強みはバッテリー持続時間です(※結論)。各所に省エネ機能を施し、従来製品と比較しておよそ3倍の持続時間を実現しました(※理由)。バッテリーの減りを心配する必要がなくなるので、外でも気軽に使えます。仕事でも重宝するでしょう(※具体例)。バッテリーの減りに悩んでいた人にとっては、かなりおすすめの商品です(結論)」

このように、まず結論を先に話してから、詳細情報に移行していきましょう。そして、最後にもう一度結論を繰り返してあげると、もっとわかりやすくなりますよ。

残念なプレゼン2

【NG2】余計なことまで話してしまう

iPS細胞を発見しノーベル賞を受賞した山中伸弥教授も、プレゼンの名人と言われています。山中氏はアメリカ留学で、研究だけではなく人に伝えることも重要であると実感し、徹底的にプレゼンスキルを学んだそうです。そんな山中氏からも、プレゼンのコツを学べます。

みなさんは、プレゼンの途中にふとほかの考えが思い浮かんで、話が脱線してしまった経験はないでしょうか。山中氏は、プレゼンではスライドに書かれていることを紙芝居の1枚ページと見立てて「スライドに書かれていることだけを話す」ことを大切にしています。スライドと異なる情報を話すと、目から入ってくる情報と耳から入ってくる情報が異なるため、聴衆は「今はどこを説明しているんだろう」と混乱してしまうからです。

要するに、スライドと話す内容が一致することで、聴衆は混乱することなくプレゼン内容を理解できるということ。プレゼン中に「あれも話さないといけないな」と頭の中にパッと浮かんだとしても、グッと抑えましょう。

残念なプレゼン3

【NG3】手元の資料ばかりを見て、話に抑揚がない

優れたプレゼンテーターの多くが、手元の資料に頼らず、自分の言葉で話すことを大切にしています。顔を下に向けて淡々と資料を読み上げるのは、日本人の多くに見られる特徴。あなたも一度はそういった経験があるのではないでしょうか?

ソフトバンク株式会社の孫正義氏も、かつては早口でせっかちな喋り方で聴衆を置いてきぼりにするようなプレゼンを行なっていたそうです。しかし、彼は自身の努力によってその癖を克服し、今では日本有数のプレゼンテーターになっています。

手元の資料に頼らないプレゼンをする方法は、孫氏から学びましょう。現在の孫氏は、ゆっくりとした口調で話し、大事な部分をしっかりとした口調で聴衆に伝えています。大事なところを強調することで話に抑揚が出て、聞く側の共感と納得につながるのです。

そうは言っても、今までの話し方を変えるのは難しい話。長年かけて身についたものなので、変えようにも時間はかかります。そんな人は、最も言いたいことを、一呼吸または二呼吸の間をおいて話してみるといいでしょう。

たとえば、新商品開発の社内会議では、次のように話します。「もちろん、予算がオーバーしているのは、百も承知です。だけど……(2~3秒間を置く)どうしても挑戦したいのです。この新商品には、それを回収できるだけの根拠があります」。このように、一瞬の静寂を作って、周囲の注意を引いてから、一番伝えたいことを伝えてみましょう。

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プレゼンをする際についついやってしまうことに気づければ、それは成長のチャンスです。これからプレゼンをする機会がある方は、ご紹介した3つの点に注意してみてはいかがでしょうか。

(参考)
ヒューマンタッチ キャリアエージェント|プレゼンにおける全体ストーリーの基本となる『PREP法』
Bluebacks Outreach|山中伸弥教授の「人生を変えるプレゼン術」〜とにかくココを意識せよ
プレジデントオンライン|S・ジョブズのリズム感:思わず拍手させられる「抑揚の黄金率」

【ライタープロフィール】
森下智彬
大学卒業後、国内外の農業に従事。帰国後はITインフラエンジニアとして都内の企業に勤める。仕事の傍ら、自身のブログを開設・運営を始める。現在は、自身のブログ運営とライターの業務をメインに行っている。

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