「自分はダメだ」とつらいあなたに。1日1回の “○○の評価” で、自信のある人になる!

下園壮太さんインタビュー「自信をもつためのメソッド」01

かつてのような「大企業に就職さえすれば安泰」という時代は終わり、日本の企業にも成果主義が徐々に浸透しつつあると言われます。そのなかで、思ったように成果を挙げられず、自分に自信をもてなくなっている人もいることでしょう。そんな悩みを、NPO法人メンタルレスキュー協会理事長である下園壮太(しもぞの・そうた)さんが解決してくれます。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

【お悩み】
同期入社の同僚はもちろん、後輩のなかにもどんどん成果を出している人間もいるのに、自分はこれまで目立って大きな成果を挙げられていません。「このままではダメだ」と思っているのですが、どうにも自信をもてない……。そんな自分はどうすればいいでしょうか?

まじめな人ほど自分を責めて自信を失いがち

自信がないのはつらいものです。自信を失うのは、続けて失敗をしてしまっているときでしょう。失敗を重ねることで、「あれもダメだった」「これもダメだった」と感じると、まだ起きていない未来のことに対しても「あのこともやっぱりうまくいかないのではないか」と考えてしまうのです。

特に「自分はこうあるべき」「ここまでできるべき」という高い理想をもつ人ほど、ちょっとしたミスに対しても「どうしてあんなミスをしてしまったのか……」と自分を責めて、自信を失いがちです。

そこで、そんな人でも、自分を責めすぎないようにする(自分を自分で励ませるようにする)「サイコーの評価」というメソッドをご紹介しましょう。

「サイコーの評価」とは、簡単に言うと「よかったことを意識的に思い出す」ことです。

先にお伝えしたように、特に理想が高くまじめな人ほど自分を責める傾向があります。しかも、私たちはそうするのがいいことだと子どもの頃から教わってきました。自分の問題点をきちんと見つめる人ほど、「責任感がある」とか「あの人は謙虚だ」などとほめられ、社会でも認められるからです。

もちろん、自分の問題点をきちんと見つめて、時には自分を責めて反省することが必要な場合もあります。でも、必要以上に自分を責めることは危険。自分を責め続けると、うつ症状を発し、逆に気力がなくなり、パフォーマンスが落ち、本当に自信を失います

下園壮太さんインタビュー「自信をもつためのメソッド」02

よかったことを意識的に思い出す「サイコーの評価」

自信をキープするには、「できている」「よくやれている」というフィードバックが欠かせません。心には、そのような栄養が必要なのです。子どもの頃は、親や先生がそんな温かい栄養を与えてくれるので、子ども自身は、自分に厳しいだけの態度でもよかったかもしれません。しかし大人になると、誰も自分を励ましたり、ほめたり、勇気づけてくれないのです。

大人になると、自分で自分の心に栄養を与えながら、活動していくことになります。それが、大人の心の強さなのです。ただ、子ども時代に鍛えた「乗り越える」「改善する」「逃げない」などの価値観からすると真逆の態度なので、自分に厳しい「自信のない人」には、当初は難しいかもしれません。

自分に優しくなるには、まず周囲や世の中に対して、優しい目線をもつ練習からするといいでしょう。そんな大人の心の強さを鍛える練習が「サイコーの評価」です。1日に1回でもいいので、「今日、なにかいいことがなかったかな?」と、よかったことを意識的に思い出してください。

そのよかったこととは、本当になんでもいい。きちんと予定の時間に打ち合わせの場所に行けたとか、それこそ「今日は天気がよかった」なんてことでもいい。「そんなこと?」と思った人もいるかもしれませんね。でも、意識的にそう考えないと、私たちはつい「当たり前」だと考えてしまいます。でも、打ち合わせに遅刻することもあれば、天気がよくない日もある。あらゆることは、決して「当たり前」ではないのです。

下園壮太さんインタビュー「自信をもつためのメソッド」03

よかったことに目を向ければ、体の緊張が緩みポジティブ思考になる

そのようにして、当たり前を当たり前ではなく「いいことだ」ととらえるようになると、自分の幸運を感じ、体の緊張を緩ませることができるようになります。これはとても重要なことです。緊張が続くことが、ネガティブ思考を強める大きな要因だからです。体と心の動きはとても密接に連動しています。体の緊張を緩めることができれば、心もリラックスして物事をよりポジティブに考えられるようになるのです。

でも、先に触れたとおり、慎重派の頑張り屋さんには、ポジティブな面だけを見るのはなにか違和感を覚えます。また、私たち日本人は、ネガティブなところを見つけて改善することで自信を高めたい民族でもあります。ところが、ポジティブなところばかりに目を向けると、「改善したい」という気持ちを満たすことができません。

そこで、ネガティブなことを1つ見つけたら、ポジティブなよかったことをできれば3つ見つけるように意識してください。もし、ネガティブなことがいくつも思い浮かぶなら、そのなかで1つに絞ってみる。一番ネガティブなことはなにかと考え、その改善法まで考えましょう。そうすれば、「改善したい」という気持ちをきちんと満たすことができます。もちろん、3つのよかったことを見つけることもお忘れなく。ポジティブなことを「3(サ)」つ、ネガティブなことを「1(イ)」つ探して、「今後(コー)」の改善策を考えるので、「サイコーの評価」だというわけです。

そして、この「サイコーの評価」をするのは、いつでもOK。まじめな人は、「振り返りなんだから、1日の終わりにやってノートに書きとめよう」なんて考えがちです。でもそれだと、なにかイレギュラーの出来事が起きてできなかった場合、また自分を責めることになってしまいます。

そうではなく、駅へ向かう途中でもトイレに入ったときでも、思い立ったときでいい。そして、もし「サイコーの評価」をできなかったとしても、自分を責めないでください。むしろ逆に、「今日はうまく諦められた!」とポジティブに考えましょう(笑)。それくらい緩くとらえて、「サイコーの評価」に取り組んでみてください。

下園壮太さんインタビュー「自信をもつためのメソッド」04

よかったことがどうしても見つからない場合の対処法

「サイコーの評価」をやろうとしても、どうしてもうまくいかないことがあります。それは、うつ状態になっているとき。うつ状態とは、なんらかの理由で自分が弱ってしまっており、外界の危険から身を守ろうとしている状態です。

うつになると、誰でも不安が大きくなり、夜は眠らずに警戒し(不眠)、エネルギーを使いたくないのでやる気が低下し、行動も慎重にすべきなので自信もなくなります。そんなときは、いいことを探そうとしても、体が「そんなのんきなことを言っている場合ではない」と拒否するのです。

そんなときは、必死に「サイコーの評価」をやろうとせず、まずは休むことを優先しましょう。きちんと睡眠をとると、また、いいことが見えるようになります。うつ状態が長引いているときは、医療の力を借りることも考えてください。

下園壮太さんインタビュー「自信をもつためのメソッド」05

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【プロフィール】
下園壮太(しもぞの・そうた)
1959年、鹿児島県生まれ。NPO法人メンタルレスキュー協会理事長。MRSI(メンタルレスキュー・シニアインストラクター)。海上保安庁パワハラ防止委員。元陸上自衛隊心理教官。1982年に防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。陸上自衛隊初の心理教官として、衛生隊員やレンジャー隊員などにメンタルケア、惨事ストレスコントロールの指導、教育を手がけ、その経験をもとに独自のカウンセリング理論、トレーニング法を構築。2015年に退官し、現在はそれらの普及に努めている。『令和時代の子育て戦略』(講談社)、『自衛得体メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』(朝日新聞出版)、『「一見、いい人」が一番ヤバイ』(PHP研究所)、『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(朝日新聞出版)、『自衛隊メンタル教官が教える うつからの脱出』(朝日新聞出版)、『寛容力のコツ ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかない』(三笠書房)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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