あなたが人前で緊張してしまう3つの要因。自信がないなら徹底的に〇〇すべし

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「大勢の人の前で話すとき、いつも緊張して言葉に詰まってしまう……」
ビジネスパーソンにとって「言葉を伝える力」は最も重要なスキルのひとつです。しかし、それを得意としている人は意外にも多くありません。

マーケティング会社エルネットによる400人以上を対象にした調査では、「自分は緊張しやすいタイプだ」と回答した人の割合が84.6%、さらに仕事で一番緊張するシーンとして「社外でのプレゼンや発表のとき」と回答した人が38.0%という結果だったそう。

現状多くのビジネスパーソンが「緊張」という問題に直面しているなか、緊張にうまく対処してスムーズに話すことができれば、ほかの人との差別化を図れるでしょう。今回は、重要な仕事の場面で緊張せずに話すためのコツをご紹介します。

緊張してしまうのには ”3つ” の理由がある

私たちはなぜ人前で緊張してしまうのでしょうか。一般社団法人話力総合研究所の理事長をつとめる秋田義一氏によると、緊張でうまく話せなくなってしまう原因には、「内容的要因」「心理的・生理的要因」「方法的要因」の3つがあると説明しています。

1つめの「内容的要因」とは、話す内容を十分に用意できていない場合です。たとえ話がどんなにうまい人であっても、そもそも話す内容がなかったり、話す内容について詳しくなかったりする場合はまったく話せませんよね。また秋田氏によれば、準備をしていたとしても、その内容に自信をもてなかったときは緊張を感じるそうです。

2つめの「心理的・生理的要因」は、期待を過剰に抱いている場合や、聞き手に対して劣等感を感じている場合を指します。具体的には「絶対成功させて職場での評価を上げてやるぞ」などと力を入れすぎてしまっているとき、また会社の重役など目上の人を相手に話さなければならないときに緊張しやすくなるとのこと。

そして3つめの「方法的要因」とは、内容ではなく技術としての「話し方」に自信がない、また効果的な話し方を知らないというもの。内容については理解していても、それを「どのように伝えたらよいか」という技術面に不足があると、話すこと自体に緊張してしまう場合があるのです。

以上3つの要因を踏まえたうえで、対策をどのように講じるべきかご紹介しましょう。

あなたが緊張する3つの要因02

【コツ1】事前準備を徹底的に行なう

前出の秋田氏によれば、会議やプレゼンなどに際し、資料の準備だけでなく「話をすること」に対しても徹底的な準備が必要なのだそう。

たとえば、聞き手のことをしっかりと理解したうえで、話す項目や順番など作戦を立てておく。聞き手の人数や役職以外にも性格や興味・関心などの情報を集め、相手がどのような内容を聞きたがっているのか予想しておくことで、相手に伝わりやすい話ができるのです。

また、『決定版! あがり症克服の教科書』の著者であり講演家の鴨頭嘉人氏は、「話す」準備として、どんな場合にも対応できる原稿を作成すべきだと伝えています。

たとえばある企画についてプレゼンをするとき、企画の決裁者へ渡す原稿はA4用紙一枚にまとめるのが理想的である一方、手元に用意しておく原稿はその10倍の量が必要とのこと。その原稿には、「企画にかかるコストはどのくらいなのか」「ほかに競合している企業はあるのか」など考えうるあらゆる質問に対して、すべて即座に返答できるほどの十分な内容を準備しておかなければならないのです。

こうして徹底的に原稿をつくり込めば、「どのような質問をされても大丈夫」な状態になることができ、緊張は緩和されていくでしょう。

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【コツ2】「相手好き」の視点に切り替える

『気配りの正解』の著者でありビジネス書作家の後田良輔氏は、人前で緊張してしまう人とあまり緊張しない人とのあいだには「視点の違い」が存在すると伝えています。

緊張してしまいやすい人の特徴として、「失敗して自分の評価を下げたくない」「自分について相手によく思われたい」と心のなかで思っていることが挙げられます。これは、視点が「自分」へ向けられている状態です。一方で緊張しにくい人は、「相手のことをもっとよく知りたい」「相手と仲よくなりたい」といったように、視点を「相手」へ向けているという特徴があるとのこと。視点が「自分」へ向いているか「相手」へ向いているかという違いによって、緊張の度合いは変わってくるのです。

では、自分をカッコよく見せようとするのをやめて、視点を「相手」へ向けるにはどうすればよいのでしょうか。たとえば、「いま、すごく緊張しています」などと口に出して相手へ伝えてみてください。野田氏によれば、「緊張している」と実際に口に出すことで、「緊張するほど大切な機会だと思っている」というリスペクトが相手へ伝わり、相手との距離を効果的に縮めることができるそう。

どんなに事前準備をしても緊張しやすい人は、緊張をさらけ出してしまって、自分の視点を「他人」へ向けることに注力しましょう。

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【コツ3】声の抑揚とボディランゲージを活用する

一般社団法人マインド・リーディング協会の代表理事を務めるメンタリストのロミオ・ロドリゲス Jr.氏は、人前で話すときには、興味を惹きつけるために「場を支配する」ような話し方を心がけるべきだとしています。

たとえば、話す際にボディランゲージと声の使い方を意識すると、自信があるように見せることができるとのこと。コミュニケーションの情報量のうち視覚情報は大きな割合を占めるため、ボディランゲージは重要です。どんなボディランゲージが効果的かわからないときは、政治家やプレゼンターが行なうジェスチャーの心理的な意味を調べてまねをしてみるとよいそう。

一例として、全米NLP協会公認のNLPトレーナー足達大和氏は、「ここにいる全員」と言うときに、両手を水平にして大きく回すジェスチャーをすると臨場感を演出できると伝えています。言いたいことの意味に合うよう両手を使ったジェスチャーで表現力が高まり、内容に説得力が出てくるのだとか。

また、声の使い方としては、「抑揚をつけること」が最も重要だそう。内容の肝となる重要な部分ではゆっくりと強調しながら話し、それ以外のところでは流して話すようにして、口調のスピードを使い分けるのが効果的なのだそうです。

話し方に自信がなく緊張してしまう人は、ボディランゲージと抑揚のつけ方を覚えて、あらかじめ何度も練習しておきましょう。

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3つすべての要因が当てはまった方もきっといるのではないでしょうか。ご紹介した対策をぜひ実践して、自信をもって話せるようになってくださいね。

(参考)
PR TIMES|仕事で最も緊張するシーンは「社外でのプレゼンや発表」。緊張防止対策は事前準備&イメトレ? [宅ふぁいる便リサーチ/エルネット調べ]
FUJIFILM|話の要点が伝わらない理由と、緊張でうまく話せない要因とは?
Business Journal|講演のプロが実践する「人前での話し方」<準備編>
リクナビNEXTジャーナル|初対面や人前で「緊張する人」と「緊張しない人」の違いとは?
日本実業出版社|メンタリストに学ぶ「大勢の前でも緊張しない唯一の方法」
Life&Mind|これさえやれば大丈夫!プロが教える、一歩差がつくプレゼンの話し方

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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