勉強効率を高める「5分」の使い方。頭のいい人は5分だけ○○している

テキストやノートが開いた状態で置かれている

「明日の仕事の不安や心配が残って、勉強モードに切り替えができない……」
「休日にまとめて勉強しようと思っても、途中から疲れて別のことをしてしまう……」

思い通りに勉強が進まず、自己嫌悪と焦りを感じていませんか? 大きく変えることはできなくとも、たった5分の使い方を見直せば、勉強が進まないストレスから解放されるかもしれません。

本記事では、勉強効率を高めるための5分の使い方を3つご紹介。筆者も勉強効率の改善にチャレンジしてみました。

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

5分だけ音楽を聴く

好きな音楽を聴いて気分がよくなるのは、誰もが経験しているでしょう。しかし、専門家によれば勉強前の音楽は、気分のみならず集中力の向上も期待できるのだとか。音楽を聴いて勉強のパフォーマンスが上がるとは、とてもおいしい話ですよね。

脳と音楽の関係を中心に研究している、脳科学者の宮﨑敦子氏は、音楽の効果を脳科学的に評価しています。宮崎氏によれば、「好きな音楽を聴いたとき」には脳が「デフォルト・モード・ネットワーク」(=DMN)に入ることがわかっているのだそうです。

DMNとは、「自分に意識が向かっていて、外界からの刺激をシャットアウトしているような脳活動のパターン」のこと。つまり、何も作業せず、意図して考えることもせず、ただぼーっと過ごしている状態ですね。

一見、ぼーっと過ごしている時間はムダに感じられますが、勉強前にDMNの状態に入ることは大きな意味があるのだそうです。

好きな音楽を聴いてデフォルト・モード・ネットワークに入ることができれば、集中を阻害される可能性が大きく低下するのです。

(カギカッコ内および引用元:STUDY HACKER|異色の脳科学者が教える「勉強がはかどる脳」のつくり方。勉強前に○○するだけで理解力が上がる

勉強しながらSNSの通知が気になったり、部屋を掃除したくなったり……と気が散ることはよくあるもの。ですが、好きな音楽を聴けば、その世界のなかに浸れるわけですから、あれこれ気が散ることもありませんね。その状態を覚えて勉強すれば、集中モードに切り替えられるのです。

さらに宮﨑氏のおすすめは「私はこの音楽を聴くと気持ちを切り替えられる」という曲を決めること。フィギュアスケートの選手が試合前に音楽を聴く場面はよく見られますが、集中するためのスイッチにもなるのですね。(カギカッコ内引用元:同上)                                                  
筆者もあらかじめYouTubeのプレイリストに、お気に入りのアコースティック曲を何本か入れています。それは、勉強に飽きたと感じたときの気分転換のため。

音楽を聴けば、勉強の成果が出ないストレスを忘れられますし、何よりコスパのいい報酬になります。ただ、普通の曲では気分が上がらないため、本当にお気に入りの曲であるほうが効果的です。

机の上に置かれたヘッドフォン

5分だけ不安を書き出す

仕事や家庭のこと、将来の心配……。あれこれ考えて勉強に集中できない人も多いのでは。であるなら、アウトプットして脳のなかをスッキリさせてみてください。

日本人初の世界記憶力グランドマスター、記憶工学研究所・所長の池田義博氏は、不安や悩みを抱えているとき、脳のワーキングメモリに影響を与えてしまうと言います。

ワーキングメモリとは、「脳の『メモ帳』」のようなもので「暗算するときなどに途中の計算結果を少しの間だけ覚えておく」働きをするのだとか。

ただ、この便利な機能はとても容量が少なく「メンタルの状態に非常に影響されやすい」弱点があるのだそうです。そのため、ストレスが溜まると「優先的にその脳のメモ帳に不安や心配事が書き込ま」れてしまうのだとか。(カギカッコ内引用元:幻冬舎plus|「過緊張」を解消するメモ術 埋まった脳のワーキングメモリは書くことで開放される

パソコンでも同様、メモリの空き容量に余裕がなければ、パフォーマンスは低下して動作が遅くなるもの。人間に置き換えても「昨日のミスが大ごとになったら」「厄介な人の機嫌を損ねたら」……と、あれこれ考えていたら脳の容量が不安で埋まり、集中できなくなるのです。

であるなら、解決策は明確ですね。不安や悩みでいっぱいになった脳のデータを、別の場所に移動させればいいだけ。実際に池田氏によると、不安や悩みを書き出す方法は科学的な効果が証明されているのだそう。

シカゴ大学の心理学者シアン・バイロックが行った実験によると本番前のプレッシャーを解消するための有効な手段が「紙に不安要素を全て書き出す」ことなのです。

(引用元:同上)

そこで早速筆者もA5ノートを用意し、勉強する前に悩みごとを書き出してみることに。

実践に利用したA5ノート

1回目に書き出したのがこちら。

1回目に書き出した実践紙面

5分書き出して頭のなかはスッキリ——とまではいきませんが、書き出す前と比べて思考のノイズが減った感覚がします。

1日1回とは決めず、勉強前に不安や心配ごとがあるタイミングで書き出してみたら——。

勉強前に不安や心配ごとがあるタイミングで書き出した実践紙面

はっきりわかったことは、単語の暗記や勉強用の読書など、インプット系の前にとても効果があったということ。おそらく、頭のなかにある考えを吐き出すことで、脳のスペースが空いたのでしょう。以前より情報の吸収力が上がった実感がありました。ぜひ、お試しくださいね。

5分だけ寝てみる

「勉強する時間がないから」と、休憩を惜しんでずっと勉強に取り組もうとしていませんか? それでは集中力を維持するのは困難です。5分の仮眠を挟んでみましょう。

睡眠専門医、医学博士の坪田氏は「約20分を目安に短時間、積極的に目を閉じて、脳と体を休息させる」「パワーナップ」という睡眠法を提案しています。坪田氏いわく、パワーナップには以下の効果があるのだとか。

目覚めた後は記憶力や集中力も上がって、活動的に過ごすことができます。

(カギカッコ内および引用元:朝日新聞デジタル|仕事も家事も能率UP!“パワーナップ”、始めてみませんか?

とはいえ、平日であれば15分や20分の仮眠時間を確保するのも難しいですよね。しかし、坪田氏いわく「ほんの数分でもOK」とのこと。それなら、帰宅前の移動時間にも取り入れられますし、夜の勉強の合間にとってもあとの睡眠に支障はでないでしょう。

もちろん、数分ですぐ入眠できる人はまれです。仮眠とはいえ、完全に眠る状態にならなくても大丈夫なのだとか。目を閉じるだけでも、情報のほとんどを遮断できるため、疲労をとるのに十分なのだそうですよ。

パワーナップを実践すると、勉強の集中力がどれくらい維持できるのか——実際に体感したいため、筆者はストップウォッチとディフューザーを準備して、勉強を始めることにしました。今回ディフューザーも用意したのは、好きな香りもあれば、よりリラックスできると考えたため。

実践に使用したテキスト、ディフューザー、ストップウォッチ

今回筆者は疲れを感じる30分を区切りに、パワーナップを試してみました。集中力の長さは個人差がありますから、自分の限度に応じて調整してみるといいかもしれませんね。

5分目を閉じると、いつも感じていた目の裏側の圧迫感や頭の重さが軽くなり——。そのつど疲労をリセットできるため、1時間勉強したとしても、勉強始めと終わりの集中力が変わりません。さらに香りも使うと意識が香りに向くため、余計な考えをせずに瞑想のように休むことができましたよ。

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継続して勉強するのなら、苦しい思いは避けましょう。勉強前や勉強中の5分を使って、適度に息抜きをしてみてください。心を疲れさせない方法が、一番効率的ですよ。

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