人間関係が断然よくなる文章の書き方。メールを書くとき○○しないほうがいい

スマートフォンを片手に持つ人の手元。スマートフォンのまわりにメールのマークが浮かんでいる。

メールやチャットなど、ビジネスシーンでは文章を書く機会が多くありますよね。読みやすくわかりやすい文章は、周囲の人からよい印象をもたれるはず。

しかし「文章が苦手だから、相手からどう思われているか不安」「気を使ってメールを書いているけれど、なかなか相手と打ち解けられない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、人間関係が断然よくなる文章の書き方をご紹介します。

【ライタープロフィール】
藤真唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

1. 余計な前置きをしないほうがいい

ビジネスシーンでは、文章にも丁寧な言葉遣いが求められます。しかし、あいさつや自己紹介などで本題に入る前の文章が長すぎると、相手はいつまでも用件がわからず、かえって印象が悪くなる可能性があります。そのため、余計な前置きは捨てたほうが好印象を得られるでしょう。

一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗氏は、メールでありがちな失敗として「いきなり長い自己紹介から始まり、メールを送った経緯などがつらつらと書かれている」というものを挙げています。これでは「どういう用件でメールを送ってきたのか」つかめず、「相手をイライラさせ」ると言うのです。(上記カギカッコ内引用元:リクナビNEXTジャーナル|相手を「イラッ」とさせるビジネスメール 7つのパターン

ここでは、アポイントをとるメールを例に考えてみましょう。筆者が作成したメールの例を見てください。

筆者が作成した、余計な前置きを捨てるべきメールの文例

お礼や見積もりの完成報告が長く、肝心のアポイントのお願いになかなかたどりつけません。長いメールは相手の時間を奪ううえ、読んでいるうちに「結局、なんの用事?」とうんざりさせてしまう可能性があります。

そこで意識したいのが、前置きを最低限に抑えて早めに用件を書くこと。平野氏も「早い段階でこのメールの主目的を伝えれば、相手のアタマの引き出しが開き、対応する体制がとれるのでストレスを与え」ないと言います。具体的には、次のようなイメージです。

最初に自社名・氏名を名乗った後、「~~の件でご連絡差し上げました」「~~をお願い(ご案内)したくご連絡差し上げました」などの一文を入れた上で詳細を記す。

(上記枠内・カギカッコ内引用元:同上)

これを先ほどのメールに当てはめると、次のようになります。

筆者が作成した、早めに要件を書いたメールの例

前置きを捨てたことで、用件がひと目でわかるようになりました。メールをした主目的がすぐにわかるようにすれば、相手にもストレスなく読んでもらえます。これで「メールがわかりやすい・読みやすい」という印象がつき、相手からの評価も上がるはずです。

2. 文章を長くしないほうがいい

相手によい印象をもってもらいたくて、メールやチャットにおいても丁寧な言葉を使うように気をつけている方は多いことでしょう。しかし「~~させていただきます」をはじめ、丁寧な言葉を使うと自然に文章が長くなりがち。その結果、相手にとっては読みづらくなってしまったり、距離を感じたりする可能性があります。

株式会社電通のクリエーティブ・ディレクターで『言葉ダイエット』の著者である橋口幸生氏は、「メールであれ企画書であれ『短いは正義』が鉄則」だと述べています。なぜなら、「ダラダラとした文章が送られてきたら、それだけで生産性が落ち」るからだそうです。(上記カギカッコ内引用元:電通報|テレワーク時代は、文章ベタは生き残れない時代だ。

たとえば、メールで問い合わせへの回答を送るとき、こんな文章になっていませんか?

お問い合わせいただいた内容を弊社で協議させていただき、ご参考にしていただけそうな資料をおまとめし、お送りさせていただきます。

「させていただく」と、動詞や名詞の前の「お」が多用されていて、文章が必要以上に長くなっています。

 

丁寧にしようとするあまり長くなる文章は、「『嫌われたくない』という意識が強いあまりに、卑屈さが前面に出てしまっている」からだと橋口氏は言います。「卑屈な人が尊敬されたり信頼されたりすることはありません」と述べ、端的な文章にするポイントを挙げています。

  • 「させていただきます」は使わない。「いたします」に言い換える。
  • 「お」をつけない。

(上記カギカッコ内・枠内引用元:同上 太字は編集部が施した)

上記のポイントを取り入れて、先の例文を書き換えると、次のようになります。

問い合わせ内容を弊社で協議し、参考資料をまとめて送付いたします。

橋口氏の挙げたポイントに加え、「熟語にする」というのも使えそうだと筆者は考えました。「ご参考にしていただけそうな資料」は「参考資料」、「お送り」は「送付」といった感じですね。これによって、必要以上に丁寧な言葉を使わずにすみ、文章が端的に収まります。これらのポイントは、メールやチャットだけでなく企画書や報告書といった文書作成にも応用できそうです。

短い文章を心がけることで、スマートな印象を与えられます。また、言いたいことを端的に伝えれば相手との食い違いも少なく、人間関係が円滑になるはずですよ。

デスクにて、笑顔でノートパソコンに向き合う女性

3. 曖昧な表現で頼み事をしないほうがいい

メールやチャットなどで、頼み事をすることもありますよね。そんなとき「なるべく」「できれば」など、曖昧な表現は避けたほうがよいでしょう。相手に誤解や戸惑いを与えてしまい、印象を悪くする可能性があるからです。

たとえば、急ぎの用事があるときに「“なるべく早く” お返事をいただけますと幸いです」とメールで送ったとします。すると相手は「なるべく早く」が今日中なのか、明日でもいいのかわからず、ストレスを感じるかもしれません。

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏は、曖昧な表現を「気を使ったつもりで」付け加えてしまうことに注意を促しています。

受け取ったほうは「いつまで」に返事をすればよいのか明確にわからないので、勝手に判断せざるをえないことになります。(中略)どのくらい急ぎなのかわからず、いつ対処すればよいのかと戸惑うことで余計ストレスになることもありますし、「なるべく」だから後でもいいやと、そのまま放っておかれることもあります。

(上記カギカッコ内・枠内引用元:東洋経済オンライン|メールやLINEで「地雷」を踏まないためのワザ

つまり、「なるべく」「できれば」といった曖昧な表現は、人によってとらえ方が異なるために判断に困るうえ、すれ違いの原因にもなりやすいのですね。

そこで大野氏がすすめるのは「具体的な最終期限と、対応が難しい場合のフォローを付け加える」方法。(引用元:同上 太字は編集部が施した)先ほどのメールの例だと、次のように書き換えられます。

【NG例】

なるべく早く、お返事をいただけますと幸いです。

【OK例】

お忙しいところ恐縮ですが、○日△時までにお返事をいただけますと幸いです。もし難しい場合には、その旨ご連絡をお願いいたします。

期限を明確に書けば、こちらの要望が正確に伝わりますね。このほかにも「お手すきの際に」「少々」「しばらく」なども、具体的な数字に書き換えるとよいでしょう。

メールやチャットで頼み事をするときには、具体的な表現を使ったほうが相手からの印象がよくなりますよ。

ノートパソコンの操作をするスーツを着たビジネスパーソン

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文章を書くときにあえて「しない」ことを意識すると、相手からの印象がよくなる場合があります。人間関係をよくするために、メールやチャットの書き方を見直してみてはいかがでしょうか。

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