現役東大生が提案「ふせんを使った学習計画術」がおすすめ! 達成感とモチベーションのアップに効く

ふせんを使った学習計画術01

資格試験や定期テストに挑むとき、勉強の計画を立てたはいいものの、実際には計画通りにいかずうまく進まなかった……そんな経験はありませんか?

累計19万部のベストセラーともなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)の著者で、現役東大生の西岡壱誠氏が提案する「ふせん」を使った学習計画術は、そんな悩みを解決してくれるものかもしれませんよ。

今回はその効果とやり方を詳しくご紹介します。

「ふせん」を使った計画術とは?

そもそも、勉強が計画通りにいかないのはなぜなのでしょうか。StudyHackerのインタビューで、西岡氏は「何をどうすれば合格するのか」がわからない状況に原因があると述べています。

わからないから、いま取り組んでいることが本当に正しいのか不安になり、計画もどんどん狂っていく――逆にいえば、「何をどうするか」をより具体化していけば、合格への見通しが立ち、勉強をスムーズに進めることができるはず。そのときの助けとなるのが「ふせん」です。

西岡氏が提案する「ふせん」を使った学習計画法の手順は、以下の通り。

  1. 長い期間(3ヵ月ほど)にやっておきたいことを、1枚の紙に箇条書きで書き出す
  2. それらを細かいタスクに分ける
  3. タスクをひとつひとつふせんに書く
  4. 別の紙にふせんを貼る
  5. (タスクを消化するごとに)ふせんを外していく

ちなみに、細分化したタスクは、「1週間」や「1日」といったスパンで、さらに細分化してスケジュールに落とし込んでいくことも可です。

ふせんを使った学習計画術02

ふせんを使うことのすごいメリット

西岡氏はふせんを使うことのメリットについて、次のように説明しています。

まずは、ふせんを捨てていくのが快感になるということ。だからこそ、それがモチベーションになる。それから、やるべきことを具体化するという意味もあります。

(引用元:StudyHacker|ふせんを活用「“東大式” 学習計画」がすごい。やるべきことがどんどん具体化される! ※太字は筆者が施した)

これらのメリットについては、心理学の世界で言うところの「スモールステップの原理」で説明できます。

「スモールステップの原理」とは、アメリカの心理学者バラス・スキナー氏が提唱したもの。ゴールに向けての小さなステップを確実に踏んでいくことで、達成率が上昇するという原理です。さらに重要なのは、小さなステップで得られた達成感が、モチベーションの持続を後押ししてくれるということ。

心理カウンセラーの中島輝氏は、人間の脳にやる気を出させるためには、脳の「報酬系回路」を満足させる必要があると説明します。報酬系を満たしやすい条件は、以下の2つ。

  • 達成できそうな課題に取り組む
  • 課題を達成できた成功体験を得る

ふせんを使った学習計画術は、ひとつひとつのタスク量を細分化・具体化することで、「これならば達成できそうだ!」と感じさせてくれます。さらに、そのタスクをひとつひとつこなしていくことで成功体験が得られ、脳の報酬系を満足させることができるのです。ふせんを使うと、その「達成した」という事実が視覚として脳に伝わるので、より効果が期待できそうですね。

また、習慣化コンサルティング代表取締役の古川武士氏も、計画術として「ふせん」を利用するひとり。TODOリストを直接紙に書き出すよりも、ふせんを使うのが効果的なのは、「優先順位がわかりやすくなる」「突発的な出来事に対応しやすくなる」からだと、古川氏は述べています。

たしかに、やるべきことを紙に直接箇条書きで書き出していくと、思いついた順になってしまいがち。その点、ふせんを使用する場合は、どの順番から消化していけばいいのか、あとから優先順位を決めて並び変えることもできます。さらに、「突然の用事が入って、今日のタスクを全部消化できそうにない……」となったときにも、そのタスクのふせんを翌日に回せば大丈夫ですね。

このように、ふせんは、臨機応変な対応が可能となるのです。

ふせんを使った学習計画術03

「ふせん」を使った学習計画術の手順

さまざまなメリットがある「ふせん学習計画術」ですが、実際にやるとどのような具合になるのか、「TOEICの点数を上げたいと考えている人」を例に解説していきましょう。

【1】3か月後の目標を書き出す

まず初めに、3か月後の目標をざっくりと箇条書きで書き出します。

ふせんを使った学習計画術「3か月後の目標」

【2】タスクを細分化する

この状態だとまだ曖昧なので、実際に達成できるかどうかの見通しがつきにくいですよね。さらに、1週間、1日ごとにどのタスクをどの程度こなしていけば目標に到達できるかも不透明です。

したがって、「これならできそう」と思えるよう、より具体化させる必要があります。箇条書きで出した目標を細分化してみましょう。

ふせんを使った学習計画術「タスク細分化1」

3か月後の目標では「英単語を1000語以上覚える」と書いていましたが、それを1か月単位で考え、さらに1日にどれくらいの量を学習すると目標に近づけるか見積もります。英文法・リスニング・リーディングも同様に書き出します。

しかし、英単語はその日に学習しても、いずれ忘れてしまいます。英単語に限らず、ほかのタスクにおいても同様、記憶に定着させるためには「復習する」作業が必要となってくるでしょう。さらに、効率良く学習するには、ただ問題集を繰り返し解くのではなく、不正答だった箇所をピックアップして、理解に落とし込むことも肝心となってきます。となると、まだタスクを細分化できそうですね。

ふせんを使った学習計画術「タスク細分化2」

さらにタスクを細分化したのが、上の画像です。この状態まで来ると、やるべきタスクの量が具体的に見えてきますね。想像していたよりも多かった……と感じたのなら、その時点で修正してもよいでしょう。

【3】ふせんを紙に貼る

細分化させたものをふせんに書き写し、ノートに貼ってみます。ひと目でわかりやすくするため、ふせんの色を同じ部類のタスクごとに分けました(英単語→ピンク英文法→青リスニング→オレンジリーディング→黄色

ふせんを使った学習計画術「ふせんを紙に貼る」

つけ外しが自由なので、優先順ごとに並び変えができるのが、ふせんの良さのひとつ。
その日のスケジュールとして、やるべきタスク順に並び変えてみましょう。

ふせんを使った学習計画術「ふせんをタスク順に並び替え」

平日を想定して、タスクを朝と夜に分けて順序を入れ替えてみると、こんな具合になりました。

あとは勉強していくだけ! ひとつひとつのタスクをこなしていくごとに、ふせんを外していきます。勉強が快感になっていきそうですね!

***
何事も「楽しい」と感じることで継続していくもの。ぜひ、この「ふせん」を使った学習計画を参考に、正しく勉強計画を立てて実行していってくださいね。

(参考)
StudyHacker|ふせんを活用「“東大式” 学習計画」がすごい。やるべきことがどんどん具体化される!
プレジデント ウーマン|へこんだ時、平常心に戻れるすごい小ワザ2つ
プレジデントオンライン|To Doリストの優先順位は「付箋×マトリクス」で考える

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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