英単語を覚える時、どのようにしていますか? 力づくで暗記に挑んだり、単純接触効果などの心理学的ハックを使ってみたり……。 多くの人がその人なりの暗記法で日々頑張っていることでしょう。 しかし、そうした手法とともに、英単語を「理解する」ことで覚えやすくなるということをご存知でしょうか?
単語は分解できる
英語や日本語、その他さまざまな言語に共通なことですが、単語の中には要素に分解することが出来るものが多くあります。 そして、英単語は単語の意味を拡張する「接頭辞」、単語の意味の根幹をなす「語根(語幹)」、品詞を決定する「接尾辞」の三つからなります。(もちろん、分解できないものや三つ揃ってないものなども多くありますが) 堅苦しい文法用語の説明よりも、いくつか例を挙げてみましょう
structure:[名]構造、構成、骨格 construct:[他]~を建設する、組み立てる construction:[名]建設 constructive:[形]建設的な destruction:[名]破壊
こうすると、struct(組み立てる)という語根にそれぞれ「con-(共に、あるいは強意)」,「de-(分離)」という接頭辞や「-ive(形容詞化)」「-ion(名詞化)」という接尾辞がついて単語が作られていることがわかります。
また、接頭辞には ・im-,in-はb,m,pの前ではim-となり、l,rの前ではil-,ir-となる のようにスペルの法則を持つものもあります。 このように分解して覚えると、スペルミスなどの防止にもつながりますよね。
このような接頭辞や語源などをまとめたサイトもありますので、覗いてみてはいかがでしょう。 Gogengo!‐ゴゲンゴ!‐英単語は語源で楽しく!
単語を分解するメリットはなにも、覚えやすくなることだけではありません。 未知の単語に出くわしたときや、知っているのにど忘れしてしまったときなどに、先ほどの「struct」のような語根を知っていると推測もしやすくなるのです。 「spect:見る」という語根を例に見てみましょう。 ・inspect→in-(中を)+spect(見る):[他]~を詳しく調べる;inspection(-ion名詞化:調査、検査) ・prospect→pro-(前を)+spect(見る):[名]見通し、展望;prospective(-ive形容詞化:予想される、見込みのある) ・retrospect→retro-(後ろを)+spect(見る):追想、回想 いかがでしょうか。 reterospectという単語は一見ややこしい単語ですが、retero-という接頭辞とinspectやprospectといった単語を知っていれば十分に推測可能ですよね。 文章を読んでいて知らない単語が出てくることはしょっちゅうありますが、文脈からの推測には限界があります。 そんな時、単語そのものを分解し、そこから意味を推測することができれば、切り抜けられる可能性も高まりますね。
アクセントを覚えるのにも役立つ
英語を上手に話したり、ネイティブの英語を聞き取ったりするのに必須の知識アクセント。
意味やスペルは知っているけど発音なんて気にしたことない! という方も多いのではないでしょうか。 これも、単語を分解することによって比較的楽にマスターしていくことができます。 ここで注目するのは接尾辞。 ・単語の接尾辞が-ate[名詞化][形容詞化]の場合は2つ前の音節にアクセント。 ・-ion,-ity[名詞化]や-ic,-ical[形容詞化]の接尾辞は直前の音節にアクセント。 といった具合に、接尾辞によってその単語のアクセントがどこか知ることが出来ます。 もちろん例外もありますが、接尾辞の法則とその例外を覚えるだけで、かなりの範囲で丸暗記から解放されます。
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いかがでしょうか。接頭辞、接尾辞などの法則はこれ以外にもたくさんあります。
英語を学ぶ上での効率を大きくアップさせてくれる知識であり、また、ちょっとした気分転換にもなりますね。奥深い単語の世界に触れてみてはいかがでしょう。