どんどん短くなる英語との上手な付き合い方(スラング編)

避けては通れない! 存在感を増す「英語スラング」の学び方

「ネイティブのスラングについていけない」
「海外ドラマやSNSで目にする英語表現がわからない」
そうお困りの方はいませんか?

せっかくテキストや英単語帳で語彙を増やしても、日々刻々と変化する英語圏の最新スラングには対応できません。ネイティブと話すとき、テレビを見るとき、ネットサーフィンをするとき......わからない語ばかりだとイヤになってしまいますよね。どうすれば必要な英語表現を効率よく学ぶことができるのでしょう?

そんなお悩みを解消すべく、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でトレーナーとして活躍する “英語の専門家” 長束啓樹さんにお話をうかがいました。

どんな英語学習者にも役立つ「スラング」

あなたはなんのために英語を学んでいますか? 仕事のため、学業のため、趣味のため、交友関係を広げるため――答えは十人十色でしょう。

「語学力を武器にビジネスで活躍したい」「海外の大学で学びたい」「世界中の人と友だちになりたい」「好きなアメリカ人俳優の主演ドラマを字幕なしで見たい」「英語を使ってインターネット上で情報収集したい」――どんな学習者にも必要なのが、英語のスラング

「でも、スラングって汚い言葉でしょ?」と思ったあなた。じつは必ずしもそうではありません。オックスフォード大学出版社による英英辞典Oxford Advanced Learner's Dictionaryによると、スラング(slang)の定義は「特定の集団のなかで使われる、くだけた語や表現」。カジュアルなだけで、卑俗な言葉ばかりだとは限らないのです。

日本語の例を見てみましょう。たとえばGoogleユーザーが使う「ググる」や、就職活動中の大学生が使う「お祈りメール」。口語的ではありますが、汚い言葉だという印象はありませんね。みなさんも一度は耳にしたことがあるのでは? 

英語のスラングでも同じ。ビジネスパーソン、大学生、ティーンエイジャー、友だちどうし、インターネットユーザー。それぞれのグループのなかで独自に発達したスラングが存在します

仕事のために英語が必要ならビジネススラング、海外大学で学びたいなら学生スラング、オンラインチャットやSNSを楽しみたいならインターネットスラング。友情や恋愛を描いた海外ドラマが好き、または外国人と仲よくなりたいなら仲間内のスラング。これらを知っているだけで、英語のニュアンスが深く理解でき、齟齬のないコミュニケーションが実現します。

全分野のスラングを学ぶ必要はありませんが、自分が属する社会集団で頻繁に使われる表現はぜひ覚えておきたいもの。学習目的に合わせた英語スラングの習得は、実践的な英語力の向上に役立つのです。

避けては通れない! 存在感を増す「英語スラング」の学び方1

英語が短くなっている!? 存在感を増すスラング

もともと、ある特定の社会集団のなかで発達したスラング。しかし認知度が高まり、一般的に使われるようになった語もたくさんあります。

日本語でも「インターネットスラング」「流行語」「若者言葉」などの一部の言葉は、広く日常的に使われています。たとえば、「ネタバレ」「ドタキャン」「インフル」「ギャラ」「KY」「アラサー」「インスタ映え」「バズる」「やばい」など、挙げればキリがないほど。どれも普段使いされる言葉ばかりですよね。

英語でも同じこと。いまや標準的な英単語となった形容詞 clever(賢い)や naughty(いたずらな)、音楽のJazz(ジャズ)やBlues(ブルース)は、もともとスラング。なかには、時が経つにつれて広まり、ついにはスラングの域を出るものもあるのです。

もちろん多くは数年経たないうちに消滅しますが、代わりに日々新たな語や意味が生まれていきます。そんなスラングは近年英語圏で存在感を増していると、ティーンエージャー向けの著書を持つジャーナリストのロビン・フリードマンは語ります。

「英語」が短くなってきていると感じているなら、多分その通りだろう。ニュースの情報量から、携帯メール、さらにはよく知られているように、注意力の持続時間が短縮していることまで、私たちは次第に言葉少なになりより一層スラングに頼るようになっている

(引用先:アメリカ大使館公式マガジン|American View 若者言葉

フリードマンはその理由をふたつ挙げています。

ひとつめは「技術の飽和状態が避けられないなかでの、息つく暇もない多忙な生活」。最近は、日常的なやり取りの多くがオンラインで交わされるようになりました。インターネットを使うのに欠かせないツールの中心も、大型のパソコンから小型のスマートフォンやタブレットへと変化を遂げています。

そんななか、時短コミュニケーションを可能にするスラングの使用頻度は高まるばかり。片手に収まるほどの小さな機械を使って即時に大量の情報をさばかなければならない――そんなとき、略語や頭文字を使ったスラングの必要性が増すのは想像にかたくありません。

ふたつめは「絶えることのない若者言葉の誘惑」。日本語の「キモい」や「自己中」、2019年に流行語大賞を受賞した「タピる」(タピオカドリンクを飲むこと)などからもわかるよう、若者言葉には短縮語が多いもの。さらに「KY」や「JK」(女子高生)など、言葉の頭文字をアルファベットを用いて短く表現することもありますね。英語でも似たような傾向が見られます。

若者市場の傾向を追跡している調査会社テイラー・グループによると、米国経済におけるティーンエージャー市場の規模は年間1,700億ドル。そのため今日のアメリカでは、若者言葉を使いこなせるか否かが、商売の成否の分かれ目になりうる一面も。メディアや大衆文化、年上の世代にまで若者言葉が浸透してきた背景として、こうしたビジネス上のインパクトを無視するわけにはいきません。

社会の変化とともに、スラングはいままで以上に生活に欠かせない言葉と化しているのです。

スラング学習に便利な無料ツール「アーバン・ディクショナリー

英語を使ううえで必須のスラング。効果的な学習方法はあるのでしょうか?

一般的な英単語帳には載っていないし、辞書に正式に載るまでには認知度の高まりと長い時間が必要。スラング特化型のフレーズ帳もありますが、膨大な数の語をすべて網羅するのは難しいので、知りたい語の意味が常に見つかるとはかぎりません。さらに、スラングは日々移り変わるものなので、やはり最新の情報を得たいですよね。

第二言語習得に詳しい長束さんのオススメは「Urban Dictionary(アーバン・ディクショナリー)」。オンライン上の辞書なので日々更新されていきますし、無料で使え、多岐にわたるジャンルのスラングを学ぶことができるのだとか。

そんな「Urban Dictionary」の概要や使い方のポイントを解説した約6分間の動画がありますので、ぜひご覧ください!

  • スラング検索Webサービス「Urban Dictionary」の特徴
  • 「Urban Dictionary」の使い方と実例
  • 正しい情報かを見極めるには○○をチェック
  • より正確さを確かめたいときの小技
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  • カテゴリーから好きなジャンルの語を見てみよう

英語のプロトレーナー・長束さんによる解説で、「ネイティブのスラングについていけない」「スラングの勉強方法がわからない」という悩みを解決できるはずですよ。

YouTube「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」では、ほかにも英語学習中のみなさんを応援するためのお役立ちコンテンツをたくさんご用意しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!

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ネイティブのスラングは難易度が高い。そう敬遠されがちですが、実践的な英語力をつけるために避けては通れません。この機会に、興味のあるジャンルのスラングから学んでみませんか? あなたの英語学習の目的を達成するうえで、きっと大きな助けになってくれるはずですよ。

監修:StudyHacker ENGLISH COMPANY

(参考)
Oxford Advanced Learner's Dictionary in Oxford Learner's Dictionaries|slang noun - Definition, pictures, pronunciation and usage notes
茅本百合子, 町博光(2001),「日本語の俗語と英語の俗語 Contrastive Study of Japanese Slang and American Slang」, 広島大学日本語教育研究.
アメリカ大使館公式マガジン|American View 若者言葉
Weblio辞書|インターネットスラングとは何?
ASCII.jp|ネイティブっぽく英会話に使えてコミュニケーションにも役立つスラング検索Webサービス「Urban Dictionary」

【ライタープロフィール】
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