エビデンスとは? ビジネス用語の意味&使い方を完全理解!

エビデンスとは1

エビデンス(evidence)とは、「根拠」あるいは「証拠」という意味。もともとは主に医療分野で用いられ、EBM(Evidence-Based Medicine:根拠に基づく医療)という言葉もあります。

今回は、ビジネスにおけるエビデンスの重要性や、エビデンスがしっかりした主張をする方法を解説します。「よく耳にするけど、エビデンスって何?」と疑問に思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

エビデンスとは

エビデンスは、意見の客観性・正当性を主張するのに欠かせません。たとえば、「根拠はありませんが、健康にいいはずです」とサプリメントを紹介するCMを見て、買いたくなる人はいないでしょう。どんなにいいアイデアや主張をもっていても、裏づけとなるエビデンスを示せないかぎり、そのアイデアは「主観的な思いつき」の域を出ないのです。

エビデンスに基づく判断は、「エビデンスベースド(※)」と表現されます(※エビデンスベースト、あるいはエビデンスベースとも)。「もっとエビデンスベースドで考えよう」「その意見はエビデンスベースドじゃないね」などの使い方があるので、覚えておきましょう。

エビデンスとは2

エビデンスとファクトの違い

エビデンスと似た言葉に「ファクト」がありますね。両者はどう違うのでしょうか?

ファクトは「事実」という意味。エビデンスには「主張や仮説を立証するための材料」というニュアンスがありますが、ファクトにはこうした価値判断が伴いません

たとえば、「昨日、Aさんは岐阜にいた」というのは、単なるファクトです。しかし、「昨日、Aさんは岐阜にいた。だから犯行は不可能だ」のように、主張の根拠を形成する場合、エビデンスとなります

したがって、「Aさんが無実であることのエビデンス」という言い方はできますが、「Aさんが無実であることのファクト」とは言えません。このように、エビデンスとファクトには、微妙なニュアンスや使い方の違いがあるので、正しく使い分けましょう。

エビデンスとは3

エビデンスベースで考える方法1:「なぜなら」「たとえば」を口癖にする

エビデンスベースで思考・交渉できるビジネスパーソンになるための方法を、以下で3つご紹介します。

ビジネスコーチのウィリアム・A・ヴァンス氏によると、アイデアや意見を表明するとき、「なぜなら」「たとえば」という接続詞を使って補足する習慣を身につけるのがよいそう。

  • なぜなら→その意見を主張する理由を提示
  • たとえば→具体例やデータ(エビデンス)を提示

こうすれば、意見の説得力が増します。以下の例をご覧ください。

【主張】このサプリメントを飲むと、腸内環境が整います。
【理由】なぜなら、ひと粒あたり1,000億個もの乳酸菌が含まれているからです。
【具体例】たとえば、アンケート調査だと、95%の顧客が便秘の改善などの効果を実感できたそうです。

「なぜなら」「たとえば」を使うことで、“サプリメントを飲むと腸内環境が整う” という主張の説得力が増しているのがわかるでしょう。自分ひとりで企画書などを練るときにも、「なぜなら」「たとえば」という接続詞を意識することで、エビデンスベースな仕事ができるはずです。

エビデンスとは4

エビデンスベースで考える方法2:データを探す

立命館アジア太平洋大学の学長である出口治明氏は、物事を判断する際に「エピソード」から受けた印象を信用せず、数値的・科学的なデータを調べることを推奨しています。

たとえば、「福岡出身の同僚Aくんは、気前がいい」というエピソードから、「福岡県民は気前がいい」と判断するのは早計です。仮説が正しいのか確かめるには、統計データなどの「エビデンス資料」にあたってみる必要があります。この場合、県民性に関するアンケートや贅沢品の消費量調査などが考えられるでしょう。

こうした「エビデンス主義」を徹底した例として出口氏が挙げるのが、世界的IT企業・Google。Googleは、人事評価において、評価される社員の国籍や顔写真、年齢・性別といった情報を伏せているのだそう。評価する側の偏見や、個人的な印象を排除し、純粋な実績(エビデンス)だけをもとに評価を下そうとしているのです。

エビデンスとは5

エビデンスベースで考える方法3:ピラミッドストラクチャーを使う

エビデンスを固めるのに役立つのが、『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』(SBクリエイティブ、2013年)の著者でコンサルタントの大嶋祥誉氏が紹介している「ピラミッドストラクチャー」です。

ピラミッドストラクチャーとは、主張とエビデンスを、ピラミッド型に配列するフレームワークのこと。以下の図が、ピラミッドストラクチャーの例です。

エビデンスベースで考えるのに役立つピラミッドストラクチャー

(画像引用元:STUDY HACKER|資料作成4つのコツ。パワーポイントで資料が作れる!

ピラミッドの最上部に位置する「ミネラルウォータービジネスに参入すべき」というのが、主張です。その下には、主張を支える3つの理由があり、その3つの理由は8個のエビデンスによって支えられています。

ピラミッドストラクチャーを用意しておけば、自身の主張をエビデンスベースで説明でしやすくなりますよ。たとえば、「ミネラルウォーター市場に参入して、本当に利益が得られるのか?」と上司に聞かれたら、2段目の左にあるブロックをもとに「市場成長率が高いので、十分利益を見込めます」と答えられます。「市場成長率が高いのは確かなのか?」と追求されても、その下にある3つのエビデンスを示せば、納得してもらえるはずです。

ピラミッドストラクチャーをつくることで、主張の裏づけとなるエビデンスが可視化されるため、論理の穴がない緻密な提案を練ることができるのです。

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意見に説得力をもたせたいなら、事前にエビデンスを固めておく必要があります。企画や提案がなかなか通らずお困りの方は、今回ご紹介した方法をぜひ活用してみてくださいね。

(参考)
コトバンク|エビデンス
コトバンク|ファクト
eduview|「エビデンスベースト」が日本の教育を変える〜中室牧子氏に聞く
東洋経済オンライン|日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか
ITmedia エンタープライズ|残念にならないプレゼン――ピラミッドストラクチャーを使う (1/2)
STUDY HACKER|資料作成4つのコツ。パワーポイントで資料が作れる!
ウィリアム・A・ヴァンス, 神田房枝(2017),『「答え方」が人生を変える あらゆる成功を決めるのは「質問力」より「応答力」』, CCCメディアハウス.
高城幸司(2013),『人事コンサルタントが明かす「ムダ」のない仕事のやり方 努力が正しく評価される80のヒント』, 学研パブリッシング.

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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