「今日はこの仕事を終わらせよう!」そう意気込んで1日をスタートしたのに、次々と予定外の仕事が飛び込んでくる。もともとやろうと思っていた仕事は手つかずのまま、時間だけが過ぎていく……。あなたは、そんな状況になることはありませんか?

実は、私も昔そういう職場にいたことがありますが、これって結構ストレスを感じるんですよね。自分がやろうと思っていることが進まなくてイライラすることもよくありました。また、こういうことがあると「計画を立てても、計画通りにいかない」「計画を立てても役に立たない」と感じてしまうかもしれません。

しかし、計画通りにいかないからといって、計画を立てることが役に立たないわけではありません。今回はこの「計画」と「予定外の仕事」について考えてみましょう。

予定外の仕事は必ず起こる

第1回「“想定外” を想定せよ! 時間管理は「矛盾」との戦いだ。」でも紹介したように、私たちが普段行っている仕事には、時刻が指定された「アポイントメント」と、時刻は自由な「タスク」、そして事前にはわからない「予定外の仕事」の3つがあります。

これら3つの仕事の比率は職場によって、そして立場によっても違います。そして「予定外の仕事」が多いほど、先ほどのような「自分の仕事が進まない」と感じる場面が多くなりがちです。

そういう意味で「予定外の仕事」はうっとうしい存在ではありますが、一方で「予定外の仕事」は必要なものでもあります。たとえば、あなたに部下がいるなら、その部下からの質問や相談に対応するのは間違いなく自分の職務です。他部署からの問い合わせに対応するのもそうです。もし、「予定外の仕事」をすべて拒否してしまえば、組織全体として見たときに、いろいろな支障が生じます。あるいはあなたが営業職なら、問い合わせなどに応えることは、顧客からの信頼を得たり、新たなチャンスをつかんだりできる可能性のある、とても重要な仕事かもしれません。

「予定外の仕事」は自分のタスクをジャマするものであると同時に、意外に重要な仕事なんですね。

そして、「予定外の仕事」は毎日必ず発生しています。たとえば、この数日間の仕事を想い出してみてください。ちょっとした電話対応や、上司からの質問に応えたり、部下や後輩からの質問や相談に答えたり、あるいは何かトラブルに対応したりするなど、「予定外の仕事」は毎日必ず起こっていたはずです。

つまり、まずは「予定外の仕事は必ず起こる」という前提で考えることが必要なのです。

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タスクをやるタイミングを考慮する

「予定外の仕事は必ず起こる」のであれば、計画を立てる段階で考慮しておく必要があります。計画を立てる段階で、考慮すべきポイントは2つあります。

ひとつは、タスクをやるタイミングについての考慮です。具体的には「タスクの実行日はできる範囲で早めにしておく」ことが有効です。これが第2、第3の選択肢を持つことにつながります。

第3回「タスクは「実行日」に書け! “本当に使える” タスク管理の方法とは?」で紹介したように、タスクはそれを実行しようと思う日に書くのがおすすめですが、この「実行日」の決め方を考えてみましょう。

もし、タスクの実行日が期限ギリギリの日付だったとします。ギリギリですから「今日このタスクを絶対に終わらせなければ」と思いながら取り組むことになります。そんなときに「予定外の仕事」がいろいろ飛び込んでくると……タスクが間に合わなくなるかもしれませんし、あるいは遅くまで残業することになるかもしれません。そんなことを心配しながら対応していると、より強くストレスを感じることになってしまいます。

一方、タスクの実行日が期限よりも何日か前だったとしましょう。同様に「今日このタスクをやろう」と思って取り組みますが、「予定外の仕事」がとても多ければ、タスクが終わらないこともあります。しかし、ここからが違います。期限までにはまだ余裕があるので、一部のタスクを翌日にくり越すこともできるのです。こうやって実行日を変更できる(第2、第3の選択肢を持てる)と、気持ちのうえでも余裕が持てますし、長時間の残業をしなくてすみます。仕事量を平準化できるわけですね。

つまり、「タスクは実行日に書く」のがおすすめだからといって、すべてのタスクで実行日を守らなければいけないというわけではないのです。タスクの実行日を決める目的は、タスクをやるべきタイミングと、全体としての仕事量を大まかにつかむためです。実行日は絶対的なものではなく、当日の状況に応じて変更しても構いませんし、そうすれば「予定外の仕事」に対応しやすくなります。そのために、タスクの実行日は早めにしておきましょう。

ただし、無理に早い実行日にしようとしなくても構いません。無理に早くやろうとして、タスクを詰め込みすぎるのも問題があるからです。これは次のポイントと関係しています。

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タスクの量を考慮する

2つめに考慮すべきポイントが、それぞれの日のタスクの量です。

それぞれの日に入っているタスクの量が適正かどうかは、その日にやるつもりのタスクの所要時間の合計と、第4回「“空き時間” を可視化せよ! 「スケジュール管理」を「時間管理」に変えるコツ」で紹介した「空き時間」を比較することでわかります。このときには「予定外の仕事」がある程度発生することを考慮する必要があります。やはり「予定外の仕事は必ず起こる」という前提で計画するわけですね。

具体的にはこうなります。

その日の空き時間 - その日のタスクの所要時間 > 予定外の仕事に使うであろう時間

空き時間やタスクの所要時間はあまり細かく計算しなくても構いません。15~30分単位くらいで大まかに計算してみてください。

右辺の「予定外の仕事に使うであろう時間」というのは、「平均ではこのくらい」という予想です。これが何時間なのかは職場や立場によって違ってきますが、一般的には1時間半くらいで、「予定外の仕事が多い」と自覚している人は2時間から2時間半くらいだと考えてみてください。

空き時間からタスクの所要時間を引いて、1時間半以上残っているうちは、その日にタスクを追加しても大丈夫。両辺がほぼ同じになったら、その日にはそれ以上タスクを追加すべきではありません。

こうやって、大まかに時間を読んでおくと、タスクはおおむね計画通りに進みます。「おおむね」というのは、右辺は日によって違うからです。先に述べたようにタスクの実行日を変更することもあり得ます。それでも、長い目で見てタスクがおおむね計画通りに進んでいればいいのです。

ただし、タスクの実行日を翌日にくり越すことばかりが何日も続くようなら、上の式でうまく判断できていないことになります。この場合は右辺の「予定外の仕事に使うであろう時間」がもう少し大きいと考えて計画するようにしてください。

タスクのタイミングと量をつかむ

時間管理における「計画」には、いろいろな考え方があります。細かくスケジュールを立てるのもひとつのやり方ですし、いかにも「しっかり管理している」という感じがするかもしれません。しかし、この方法は「予定外の仕事」が飛び込んでくる現実の仕事ではうまく機能しません。

それに対し、この連載で紹介している「計画」は、アポイントメントは空き時間を可視化して、タスクは実行日に書くだけです。細かい行動は当日の状況で決めればいいと割り切って、タスクをやるタイミングとタスクの量を大まかにつかむことを目的としているのです。

このやり方なら、状況に応じて臨機応変に対応できますし、おおむね計画通りに進めていくことができます。私は過去にいろいろな計画の立て方を試しましたが、「計画」と「予定外の仕事」をうまく両立させるためにはこの方法がベストだと感じています。

■連載『仕事も学びも効率化 目からウロコの時間管理術』一覧はこちら
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