忙しい中でも、がんばっていろいろなタスクをこなしている毎日。でも、そんな中でふと気がつくと、進んでいない仕事がある。しかも、それがけっこう重要な仕事だったりする……。そんなことはありませんか?

ふり返って考えてみると、やろうやろうと思いながら、なかなか手をつけられないまま、いつの間にか時間が過ぎてしまった……という感じではないでしょうか? 実はこれって、誰にでもよく起こることなんです。私も以前はよくありました。大事な仕事ほど、なかなか手をつけられなかったりするんですよね。

これがいわゆる仕事の「先延ばし」です。どうしてこんなことになってしまうのか、それは計画の立て方とも関連しています。今回は、こういう失敗がなぜ起こるのか、そしてどうすれば失敗を防げるのかについて考えてみましょう。

「時間があるときに」と思う仕事は先延ばしになる

たとえば、第3回「タスクは「実行日」に書け! “本当に使える” タスク管理の方法とは?」で紹介した「To Doリスト」でタスクを管理しているとしましょう。リストを見れば、やるべきタスクは確認できますから、タスクの先延ばしは起こらないんじゃないかと思えます。しかし、本当にそうでしょうか?

そもそも、To Doリストに並んだタスクにもいろいろあります。比較的短時間でできたり、あまり深く考えなくてもできる取りかかりやすいタスクもあれば、時間がかかったり、じっくり考えないとできない取りかかりにくいタスクもあります。

そして、あまり余裕がないときには、前者の取りかかりやすいタスクはこなせるものの、後者の取りかかりにくいタスクには、なかなか手をつけられないものです。後者のタスクも気になるのですが、「今日は時間がないから無理だ」「余裕ができたらやろう」「時間があるときにやろう」と考えて、手をつけないままになってしまいます。

これをくり返すことで先延ばしが生まれます。本人としては「先延ばしにしよう」と思っているわけではないのですが、「今日は無理」「時間があるときにやろう」と思っているうちに、結局先延ばしにしたのと同じことになってしまうのです。

これを防ぐためには、まずは「時間があるとき」が本当にやってくるのか、考えてみる必要があります。

たとえば、今日の時点では来週の計画には余裕があるように思えます。まさに「時間があるとき」です。しかし、何日か経つ間にアポイントメントが増えたり、タスクが増えたりして、だんだん余裕がなくなってきます。しかも、第1回「“想定外” を想定せよ! 時間管理は「矛盾」との戦いだ。」でも紹介したように、当日には「予定外の仕事」も必ず飛び込んできます。結局「時間があるとき」なんてやってこないことが多いのです。

そもそも、今日(あるいは今週)忙しくしている人が、来週や再来週くらいに急に余裕ができるなんて考えるのは不自然ですよね。「時間があるとき」なんて、当てにしないほうがいいんです。

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仕事を分解しよう

では、こういった先延ばしを防ぐためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?

1つめのポイントは、タスクの大きさ、つまり所要時間に注目することです。たとえば、単純にTo Doリストにタスクを書き出した状態を考えてみてください。それらのタスクひとつひとつの所要時間はどのくらいでしょうか? 10分もあれば終わりそうなタスクもあるでしょうし、数時間、あるいは数日かかりそうなタスクもあるかもしれません。後者が先ほどの「取りかかりにくいタスク」です。

あまり余裕がない日に、そんな取りかかりにくいタスクをやるのは難しいですよね。はじめからやろうとすら思えないのではないでしょうか? このようにタスクの大きさが極端に違う状況が先延ばしを生む原因になっているのです。

これを防ぐには、タスクの大きさを変えるしかありません。そもそも、半日以上かかるような仕事は「タスク」と呼ぶには大きすぎるのです。そんな大きい「仕事」を、時間の短い「タスク」に分解することで、取りかかりやすくなりますし、少しずつ着実に進めていきやすくなります

どんなタスクも、その内容を見ていけば、さらに細かいタスクの組み合わせで成り立っています。たとえば報告書ひとつ作るにしても、必要な資料やデータなどを入手する段階、内容や方針を考えたり、決めたりする段階(「考える」のも立派なタスクです)、そして実際に作業する(作成する)段階など、いくつかのステップに分けることができます。そして、それぞれのステップで行うべき行動がひとつまたは複数あるはずです。このひとつひとつの行動を具体的にしたものがタスクです。

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基本的に、先延ばしを防ぐためにはタスクは細かく分けておくほうがいいです。ひとつのタスクの所要時間を短くするわけですね。ただ、タスクを分ければ分けるほど、タスクの数が増えて計画が複雑になり、管理する手間がかかるというデメリットもあります。

ですから、目安としてはひとつのタスク所要時間が2時間以内になるようにするのがおすすめです。あまり厳密に考えなくても構いませんが、2時間を大きく超えるような仕事は分解しておきましょう。

また、特に難しい仕事や苦手な仕事では、さらに細かいタスクに分けるのも有効です。タスクのサイズが小さいほど、取りかかるときの心理的なハードルも下げることができます。

タスクの実行日を決めよう

先延ばしを防ぐ2つめのポイントは、第3回「タスクは「実行日」に書け! “本当に使える” タスク管理の方法とは?」や第5回「計画通りいかないのが仕事。それでも計画は役に立つ」でも紹介してきた、タスクを「実行日に書く」ことです。

取りかかりにくいと感じる仕事は1日では終わらないことが多いですから、当然、複数の日に分けて書くことになります。こうすると、取りかかりにくかった仕事を、少しずつ、段階を踏んで進めていくことができます。「時間があるとき」を当てにするのではなく、ひとつずつでもタスクを終わらせていく。そのくり返しで、取りかかりにくい仕事も、他のタスクと並行して進められるようになるのです。

また、タスクを実行日に書くときには、前回(第5回)紹介したようにそれぞれの日のタスクの量が適正かどうかも考慮すると、より実行しやすい計画にすることができます。

先延ばしを防ぐためには、まず「時間があるときにやろう」は禁句にする。そして、取りかかりにくい仕事は分解して、それぞれのタスクを実行日に書く。そうすれば「先延ばし」してしまうことが、ぐっと少なくなります。ぜひ試してみてください。

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