理系の人は大学に入ってからも忙しい、と聞いたことがありませんか? その噂は、半分当たっていて半分間違っています。確かに必修が多く、実験も忙しいですが、しっかりと準備しておけば、勉強や実験だけで半期が終わってしまったなんてことは起こりません。ではどのような準備をしておけばよいのか、簡単にお話ししたいと思います。
早めに大学数学の準備を
基本的に、大学数学は高校数学の延長線上にあります。そういうわけなので、高校数学をしっかりと勉強して来た人にとっては比較的簡単に大学数学へと移行できます。受験が終わってから3月いっぱいまでの間、一切数学を勉強しなかったとしても、こういう人たちは、何とかなるでしょう。
ちょっと不安だという人は、高校数学の復習と大学数学の予習をするといいかと思います。
大学数学の予習をしたい人には、マセマ出版社の『微分積分』と『線形代数』という本がお勧め。非常にわかりやすい本なので、予習もしやすいと思います。
少し背伸びをしたい人には、東京大学出版会の『解析入門(1)』と『線型代数入門』、もしくは齋藤正彦先生が2014年に新しく書いた『線型代数学』という本をお勧めします。これらの本は、大学1年生向きではありますが、専門書としての色合いが少しあるのでちょっと読みづらいかもしれません。しかし、この先の大学生活では、もっと不親切で意味不明な本も、自分の力で、または学友とともに読み進めていかなくてはいけないので、今のうちに慣れておくというのもありだと思います。
また、高木貞治先生の書いた『解析概論』という格調高い本もおすすめです。少し用語や表現が古いですが、その分味わい深い本となっています。
英語も頑張ろう
英語の勉強も頑張りましょう。特にリスニングを受験で使わなかった人は、リスニングの勉強も始めましょう。目標がないとつらいので、TOEICやTOEFLといった英語の資格試験を目指して勉強すると良いかと思います。
高校生の時が一番英語ができた、というような悲しいことにならないように、1年生のうちから意識して頑張ってみましょう。
ただここだけの話、相当英語に力を入れている学校でない限り、英語の単位をとるのは簡単です。
理科科目での努力は当然必要
理系だとどんな学部学科に入っても、物理と化学が必修なところが多いと思います。大学や学部によっては生物もです。ただ物理にせよ、化学にせよ、微分というものが重要。特に、偏微分と常微分方程式は必須といっても過言ではありません。あらかじめ予習しておくと非常に楽だと思われます。
予習の中でいきなりシュレディンガー方程式などという難しい方程式に出くわすと結構つらいものですが、慌てず解法だけを暗記しておけばいいと思います。いずれ理解できるようになりますので。
他にも、ベクトル解析という分野の知識があると、物理が楽になります。ベクトル解析の参考書は難しいものが多いので、1年生の時はマセマ出版社の『ベクトル解析』という本を利用することをお勧めします。
何事もやりすぎない
ここからは大学に入ってからの話になりますが、「せっかく大学に入って新生活を送るわけだから、頑張ろう」と思って授業をとりすぎてしまうと、後が大変です。テストが山のようになってしまうため、どれも中途半端になってしまい、大切な必修科目を落としてしまう可能性も。そうならないためにも、授業数はほどほどにしましょう。
また、レポートは出されたらすぐにやってしまった方がいいです。授業に関しては教授どうしで連携していない場合が多く、下手すると、レポートが山積みになってしまうなんてことも。そういうわけなので、早め早めに処理をして、次に備えておくと楽です。
それから、バイトも入れすぎないようにしましょう。レポートやサークルが思いのほか忙しくて、バイトに行けない、もしくはレポート、サークル、バイト以外の時間が無くなってしまうなんてことも起こり得ます。バイトの求人は山のようにあるので、4月はバイトせず、どの程度暇な時間があるかを見極めてからバイトを始めてもいいと思います。
新歓や親睦会に参加する
新歓や、学部学科などで行われる親睦会には参加しておくといいと思います。特に、親睦会に参加して友達を作っておくことは、のちの単位取得への布石にもなります。
聞いたことがあるかもしれませんが、基本的に大学の試験は過去問から出題されることが多いです。過去問は友達が多いほど入手確率が上がります。そういうわけで、友達を作ることは、大学生活を楽しく過ごすためにも、試験をパスするためにも、必須なのです。
またサークルの新歓に行けば無料で飲食できることが結構あります。どこかサークルを決めた後も、素知らぬ顔でいろいろな新歓に行くと、飲食や、種々多様な人との会話を楽しむことができます。お勧めです。
ただ、怪しいサークルの新歓には行かない方がいいです。見極め方の目安は、
・ホームページがあるかどうか ・そのホームページの内容に変なところはないか ・公認サークルかどうか ・大学、もしくは公認サークルが作る、サークル紹介雑誌に載っている
などです。あくまで目安なので、これらを一切満たしていなくても普通のサークルはありますし、逆に全部満たしていても危ないサークルはあります。結局は危ないな、と感じたらすぐに逃げることです。当たり前ですが新歓から逃げても法的に罰せられることはありませんので安心してください。
いろいろ書きましたが、大学生活は想像以上に楽しいものです。希望に満ち溢れながら、新たな一歩を踏み出してください。