みなさんは暗記が得意ですか。僕は暗記の鬼だぜ。暗記なんて朝飯前よ。そんな方にはこのコラムは意味をなさないかもしれません。

しかし、暗記に対してちょっとでも苦手意識があったり、もっと効率よく長期的に暗記できるようになりたい、と考えている人は、ぜひこの記事を読んでみてください。暗記の助けになるでしょう。

二つの記憶

記憶には二種類あるといわれています。

一つは、説明的に覚える意味記憶。これは、そのまま単純に暗記をするという、いわゆる丸暗記のことです。そしてもう一つは、自分が実際に体験した感情や記憶とともにその事柄を記憶する、エピソード記憶というものです。

どちらの覚え方でも暗記はできるので、自分に合った方法でしてもらえばいいのですが、一般には意味記憶、いわゆる丸暗記が効果を発揮するのは中学生までで、高校生以上になるとエピソード記憶の方が優勢になってくるともいわれています。

エピソード記憶をする際に結びつける出来事は、実際にその場で体験したことでなくても構いません。すでに脳内にある体験の記憶に今から暗記することを結び付けたり、実際に体験しているように強くイメージすることでも、エピソード記憶に変えることは可能です。

例えば、英単語を覚える場合は、例文を使用して、自分の過去の経験にその単語をなぞらえて覚えてみましょう。英会話の勉強をするときは、海外旅行に出かけていると仮定し、そこで喋っているつもりで勉強すれば、疑似体験であってもエピソード記憶に変えられるのです。

エピソード記憶にはもう一つメリットがあります。それは、すでに脳内にある“体験”という長期記憶にちょびっと知識を連結するだけなので、一気にその知識を長期記憶化できるということ。よって、エピソード記憶は、覚えやすく忘れにくいという最高の暗記法だといえるでしょう。

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エピソード記憶の秘密

さて、そのエピソード記憶ですが、“感動”という感情と非常に関連があります。

先ほど述べたように、体験時の自分の感情とともに記憶するのがエピソード記憶ですので、その感情が大きければ大きいほど記憶はしやすく、定着もしやすくなります。感動というのは非常に心が揺さぶられる状態なので、一番エピソード記憶に適している感情ですよね。

そもそも感情を伴うと記憶がしやすくなるのは、感情を支配する脳の偏桃体という部分が、記憶力を司る海馬へのゲートの役割を果たしており、偏桃体が興奮することによって情報ゲートが開き、記憶ネットワークを作りやすくなるためです。

確かに、卒業式や、部活で一緒に仲間と戦った最後の試合など、自分の心が強く動かされ感動した記憶というのは、長い時間がたっても強く記憶しているものですよね。

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エピソード記憶をするには

では、より効果的に記憶ができるよう、エピソード記憶をしたい場合はどうすればいいのでしょうか。

そのためには、たった1つのことにだけ注意すれば大丈夫です。それは自分の意識を変えること。

例えばこんな話があります。

旅人がある町を歩いていると、レンガを積んでいる職人が3人いるのを見かけた。
旅人は最初の職人に「何をしているのか。」と尋ねた。
最初の職人は、「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだよ。」とぶっきらぼうに答えた。
旅人は二人目の職人にも尋ねた。
二人目の職人は、「レンガを積んで壁を造っているんだよ。」と答えた。
旅人は三人目の職人にも同じ質問をしてみた。
三人目の職人は、「レンガを積んで家の壁を造っているんだ。私はある人の為に家を建てているんだよ。」と答えた。

(引用元:日常日誌|レンガを積む職人の話)

このように、同じ仕事をしていても、自分の意識さえ変われば全く違う仕事になりますよね。意識を変えるだけで、内容にエピソードを持たせ、自分の感情を加えることができるというわけです。

仮に、あなたが人体の構造を学習しているとします。そこで骨や筋肉、内臓の名称を1つ1つ覚えていっても、意味記憶により記憶はできるでしょう。ですが、「なるほど、この内臓があるから僕の体は正常に機能しているんだな」「この筋肉を普段の基礎トレでは鍛えているのか、確かにサッカーで足の速い選手になるためにはこの筋肉を鍛えるのは大切そうだ」などと、感情をこめながら考えてみましょう。このように、少し発展させて考えてやれば、格段に記憶への定着率はアップするのです。

自分の気持ち次第で、エピソード記憶を確固たるものにすることができるのです。是非是非これを心がけてみてくださいね。

(参考)
マジェイアのカフェ|感動のメカニズム
One’s success in Peace!|なぜ感動するのか?
感動しながら記憶する|感動しながら記憶する
gooヘルスケア|記憶力をアップする14のヒケツ
笑顔でこんにちわ|感動する記憶法
記憶あれこれ|エピソード記憶と過誤記憶
日常日誌|レンガを積む職人の話