『StudyHacker ENGLISH COMPANY』は、個別指導に重点を置いた特徴的な取り組みを行なっています。熟練した英語のプロトレーナーが、受講生ひとりひとりの目標に合わせてカスタマイズされたトレーニングを提供するのが特徴です。
今回は、ENGLISH COMPANYで英語パーソナルトレーナーとして活躍する田中 健一さんにインタビューを実施。科学的根拠に基づいた効果的な英語学習法と、その背景にある田中さんの豊富な経験についてお話を伺いました。
- 生の英語との出会い:学生時代の原体験
- 通訳専攻で得た学び:「英文理解」と「通訳・翻訳」の違いとは
- 英語教育の現場で感じた葛藤
- 科学的アプローチとの出会い:新たな学びの始まり
- 個別対応の徹底さとトレーナー間の協力体制が強み
生の英語との出会い:学生時代の原体験
——はじめに、田中トレーナーの経歴を教えてください。
田中トレーナー:東京大学教育学部を卒業後、東京外国語大学大学院で通訳専修コースを修了しました。通訳・翻訳業務を経験したのち、大手予備校でリスニングやエッセイライティングの指導を行ない、NHK英会話講座の制作にも携わりました。
国連英検特A級、英検1級、通訳案内士の資格をもち、現在はENGLISH COMPANYで英語パーソナルトレーナーとして活動しています。
——英語との出会いはどのようなものでしたか?
田中トレーナー:英語学習自体は中学校から始めましたが、本格的に英語の世界に興味をもったのは高校生の頃です。当時、私はバスケットボールに熱中しており、BSでアメリカのバスケットボールの試合を英語で視聴していました。
内容はほとんど理解できませんでしたが、会場の熱気が画面越しに伝わってくる感覚に魅了され、毎回欠かさず英語で観ていました。
——英語学習や英語教育に興味をもったきっかけは?
田中トレーナー:大学での単位取得で語学の基礎講座を多く履修したことがきっかけで、語学に興味をもちました。英語以外の言語を学ぶなかで、それぞれの言語特有の文法体系に魅力を感じました。さらに、他の言語と比較することで、英語の特徴がより鮮明に見えてきたのです。
それ以来、私は学習者の視点を常に大切にしながら、英語学習を続けています。同時に、教育への関心も高まり、自らの経験を活かしてほかの学習者に効果的な学習法を伝えたいという思いが強くなりました。
——これまでの英語学習経験を振り返ってください。
田中トレーナー:私の学習経験は少し変わった道筋をたどっています。学部では理系科目を学び、その後スポーツ科学を専攻しました。語学への興味は強かったものの、専攻を変更することはできなかったのです。
そこで、英文科の授業を履修するなど、できる範囲で語学学習に取り組みました。そして大学院では、本格的に通訳を専攻することになりました。
語学学習で取り入れたのは、NHKの語学講座や学習本で表現を覚えたり、英字新聞を読んだりするオーソドックスな方法です。私が特に力を入れたのは、英語の音に常に触れることでした。大学院に在籍していたときには、アメリカのヒットドラマをたくさん視聴しました。
留学経験がなく、日常的に英語環境に触れる機会がなかった私にとって、これらのドラマは生きた英語に触れる絶好の機会となりました。純粋に楽しんで見ていただけでしたが、結果的にリスニング力が大幅に向上したのです。
私の学習方法の基本は、大量に聴くことと読むこと。読書の際は、多読ではなく精読に近い方法を採用し、できる限り辞書を引きながら丁寧に読み進めました。
これに加え、対訳つきの教材を使って日本語を英語に訳すことをたまにしていました。この方法はENGLISH COMPANYでは「復文」と呼んでいるトレーニングに近いものです。「復文」では、英語を日本語に直し、その日本語訳から元の英文をつくっていきます。
通訳専攻で得た学び:「英文理解」と「通訳・翻訳」の違いとは
——大学院では通訳を専攻したそうですね。そのきっかけや、英語学習の観点で気づいたことがあれば教えてください。
田中トレーナー:通訳になりたいというよりは、語学学習の延長として目指したところが大きかったと思います。帰国子女でもありませんし、英語圏で暮らした経験もなく、憧れから専攻していました。
通訳や翻訳を学ぶなかで最も大きく変わったのは、「訳す」という意識が強くなったことです。通訳を専攻し始めた頃には、すでに英検1級やTOEIC950点以上を取得しており、英語を日本語に訳さずに理解する力はある程度ついていました。
高度な英語力を身につけると、英文を読んだり聞いたりする際に、頭のなかで日本語に訳さずに直接理解できるようになります。
しかし通訳の仕事では、理解した内容を適切な日本語で表現しなければなりません。そのため、「頭では理解しているのに、うまく日本語にできない」と苦労した経験があります。一度は意識から遠ざかっていた「英語を日本語に訳す」という作業を、あらためて意識的に行なう必要があったのです。
この経験を通じて、英文を理解することと、通訳・翻訳をすることは明確に異なるスキルだと実感しました。ビジネスや日常生活で通訳や翻訳が必要でない場合は、英文をすばやく理解する力を伸ばすことに集中するのがおすすめです。
——その後、大手予備校での経験を積んだり、NHKの英会話講座制作に携わったりしたそうですね。
田中トレーナー:はい。学生の頃から私が最も興味を持っていたのは、どうすれば語学力を高められるかということでした。
これまで通訳や翻訳などさまざまな形で語学を活かす機会がありましたが、教えることに主軸を常に置いてきたつもりです。学習者のなかにもさまざまな分野において多様な形で語学力を活かす方がいらっしゃいますので、私も幅広く経験しておき、その経験を指導に還元したいと思ってきました。
英語教育の現場で感じた葛藤
——英語教育に携わってきた経験のなかで、どのような点に不満を持ちましたか?
田中トレーナー:以前の受験界では、「音」を重視したアプローチが受け入れられにくい状況がありました。たとえば、個別指導で生徒にリスニングをすすめただけで、「受験と関係ない」と批判され、担当を外されたこともあります。別の予備校でも、リスニングを授業に取り入れたところ、保護者からクレームを受けました。
当時の受験業界は変化に乏しく、ベテラン講師が古い教材を繰り返し使用するのが一般的でした。最近では音を重視する学習法も増えてきましたが、その多くは表面的な導入に留まっているように感じます。たとえば、効果や目的を明確に伝えないまま、漠然と音読やシャドーイングをさせるだけのケースもあるのです。
通訳講座でも、シャドーイングを取り入れれば受講者の満足度が上がるだろうという安易な考えで導入されることがありました。しかし、根拠や目的を伝えずにトレーニングを導入するアプローチには違和感を覚えました。
科学的アプローチとの出会い:新たな学びの始まり
——本当にもどかしい経験をされたのですね。その後、ENGLISH COMPANYを選んだきっかけはなんでしょうか?
田中トレーナー:ENGLISH COMPANYが科学的に英語学習にアプローチしているという話を聞いて興味をもちました。語学学習の世界ではさまざまな方法論が提唱されてきましたが、科学的な視点は新鮮でした。
これまで自身の経験や直感に頼ってきた部分もあったので、科学的な裏づけを学ぶことで自己成長にもつながると考え、入社を決意しました。
——実際に入社してみて、いかがでしたか?
田中トレーナー:まず、充実した研修制度に驚きました。多くの語学系の仕事では十分な研修なしに授業を始めることが多いのですが、ENGLISH COMPANYでは体系的な研修を受けられます。トレーナーとしての活動開始を「デビュー」と呼ぶのも、その準備の重要性を表していると感じました。
研修で学んだ科学的知見は、これまでの自分のアプローチを検証するよい機会となりました。自分の経験と科学的根拠を照らし合わせることで、新たな気づきが得られ、非常に楽しい経験でした。
——社内の教育制度について、どのように感じていますか?
田中トレーナー:新人研修や教務研修は非常に勉強になりますし、基本の理論をブラッシュアップする貴重な機会となっています。日常の業務に追われると、自分自身が知識を磨くことが疎かになりがちになるため、このような制度は大変ありがたいことです。
あらためて理解を深められたと感じたのは、リスニングやリーディングをするときの脳内の意味処理プロセスについての研修でした。
リスニングには「音声知覚」と「意味理解」のプロセスがあります。音声知覚とは、耳に入ってくる音を英語の音素として認識し、それを言葉としてとらえるプロセスです。その後、その音がどんな意味を持っているのかを「理解」する段階に進みます。
最初の段階では、脳の聴覚部分が音のパターンを処理し、その後、言語に関わる部分がその音を言葉として認識するのです。
——とても興味深い研修ですね。リーディングの脳内処理は、どのように行なわれているのでしょうか?
田中トレーナー:リーディングのときの脳内処理は、少し違います。
リーディングでは、まず目で文字や単語を見て認識する段階があります。次に、その文字情報を頭のなかで音として変換する段階に進むのです。これは専門的には「音韻符号化」と呼ばれ、文字を見て脳内で読み上げるような過程のことです。
その後、その音の情報を脳内にある「辞書」と結びつけて、意味を理解する段階に移ります。
視覚部分が文字をとらえ、その後、音として頭のなかで再現し、言語に関わる部分でその意味を処理するという流れです。
音読を繰り返すことで、音韻符号化のプロセスが自動化され、脳内での音と意味の結びつきがよりスムーズになるのです。その結果、読解のスピードと正確性が向上します。
ENGLISH COMPANYの研修では、このような科学的な背景まで学ぶことができ、言語習得についての解像度を上げていけます。これまで経験則で行なっていた指導法の多くに、じつは科学的な根拠があったことを知り、大変感銘を受けました。
この知識を活かすことで、受講生により説得力をもって学習方法を提案できるようになりました。単に「音読しましょう」と言うよりも、なぜ音読が効果的なのかを説明したうえでご提案するほうが、より積極的に取り組んでいただけるのを実感しました。
個別対応の徹底さとトレーナー間の協力体制が強み
——田中トレーナーが考える、ENGLISH COMPANYの強みはなんでしょうか?
田中トレーナー:最大の強みは、受講生ひとりひとりの課題を綿密に分析し、カスタマイズされた学習プランを提供できる点です。
世のなかにはさまざまな英語学習法があふれていますが、多くの方は試行錯誤の末に挫折してしまいます。そんな方々に、私たちプロのパーソナルトレーナーが科学的根拠に基づいた効果的な学習法をご提案します。これにより、無駄な遠回りをせずに効率的に英語力を伸ばすことができるのです。
——ENGLISH COMPANYで働いてみて、最も魅力を感じた点は?
田中トレーナー:同僚のトレーナー間のオープンなコミュニケーションです。
教育の仕事では独りよがりになりがちですが、ENGLISH COMPANYでは活発な意見交換や相談ができる環境が整っています。これにより、新しい視点を常に取り入れ、トレーニングの質を高め合えるのです。
——これから「プロの英語トレーナー」としてどのように貢献していきたいと考えていますか?
田中トレーナー:私の目標は、できるだけ多くの受講生の英語力を、受講生の希望に沿うかたちで伸ばすこと。「英語力向上のサポートをしたい!」という思いが私の原動力です。
受講生から「ENGLISH COMPANYを選んでよかった」という言葉をいただけることが最高の喜びです。
また、一対一のパーソナルトレーニングだけでなく、少人数制のセミパーソナルトレーニングでも高い成果を出せるマルチプレイヤーになりたいと考えています。
——田中トレーナーにとって、ENGLISH COMPANYと他の英語スクールの違いはなんでしょうか?
田中トレーナー:最大の違いは、個別対応の徹底度です。個々の受講生に合った学習計画を考え、寄り添いながらトレーニングを進めていける環境は、ほかの英語スクールにはない強みと言えるでしょう。
多くの英語スクールが画一的なカリキュラムを提供するなか、ENGLISH COMPANYは受講生ひとりひとりのニーズとレベルに合わせたプログラムを提供しています。これにより、効率的かつ効果的な学習が可能になるのです。
——ENGLISH COMPANYで働いてみたいという方に、最後にメッセージをどうぞ。
田中トレーナー:受講生の英語力向上を実現し、その喜びを共有できることは何にも代えがたい経験です。高い英語力と教育への情熱をおもちであれば、ぜひENGLISH COMPANYで一緒に働いてみませんか?
ENGLISH COMPANYは、あなたの英語力を受講生の成長というかたちで社会に還元できる、すばらしい環境です。
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学習者に寄り添う姿勢と科学的アプローチへのこだわりが、田中トレーナーの言葉のすみずみから伝わったインタビューでした。その真摯な態度と探究心、そして受講生の英語力向上への情熱が、ENGLISH COMPANYの質の高いトレーニングを支えているに違いありません。
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