「論理的思考力」と「経営の基礎知識」を身につければ、これからの時代を生き残れる。

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日々、刻々と進歩のスピードを増している現代社会。時代の激しい変化をキャッチアップするため、ビジネスパーソンが学び続ける必要性はますます高まりつつあります。

とはいえ、何を学ぶべきなのかよくわからなかったり、なかなか勉強習慣が続かなかったりして悩んでいるビジネスパーソンも多いことでしょう。

そんな勉強に関する様々なお悩みを、グロービスのEdtech推進部門にて「グロービス学び放題」の事業リーダーを務める鳥潟幸志(とりがた・こうじ)さんに聞いてみました。

モチベーション維持の秘訣は「短期目標」にあり

編集部
勉強しなければと思いつつ、つい先延ばしにしている人も多いはずです。モチベーションを高める方法があれば教えてください。
鳥潟さん
まず、目標の立て方には、長期・中期・短期の3種類があります。

長期の目標というのは「自分は人生を懸けて何をしたいのか」という大きなもの。

中期の目標は、今後2~3年後くらいのキャリアのこと(例:「ゆくゆくは企画部で働きたい」など)。

そして、短期目標とは、今まさに目の前にある仕事を効率化したり、課題を解決したりといった目標を指します。

これら3つのうち、モチベーションを維持するために最も重視すべきなのは「短期目標」です。なぜなら勉強をする上で一番の喜びになるのは、学んだ効果が実感できたときだから。したがって、まずは目の前の問題を解決できる方法を学んで、すぐに現場で実践してみることをオススメします。

編集部
なるほど。「いつか使うだろう」と漠然と学習するのではなく「この問題を解決しよう」という具体的な目的ありきで学ぶわけですね。
鳥潟さん
そうです。たとえば「会議のファシリテーション(促進)の仕方」を学んだら、さっそく翌日の会議で使ってみてください。すると、確実に学習の成果が実感できるはず。

学んだ内容が目に見えて役に立つので、「学んでよかった」という満足感が湧き、モチベーションの維持につながります。

編集部
学習内容の振り返りはどのように行なえばいいのでしょうか?
鳥潟さん
私が推奨する振り返り方法は、コルブの経験学習モデルの「1.具体的経験」「2.内省的観察」「3.抽象的概念化」「4.能動的実験」という手順です。

まず「1.具体的経験」とは、学んだ知識を実践すること。「2.内省的観察」は、やってみた結果、どこができてどこができなかったかを振り返ること。ここまではわかりますね。

最も大事なのが「3.抽象的概念化」です。「2.内省的観察」というのは、あくまで今回のケースについてだけの反省。ここで終わってしまうと、反省を別のシーンで活かすことができなくなってしまうんです。だから反省内容は一般的な教訓に落とし込む(抽象化する)必要がある。

たとえば、今回の失敗から「相手の関心を理解せずに喋ってしまった」という教訓が得られれば、次に全く違うシーンが訪れたときにも応用することができます。 そして得られた教訓は「4.能動的実験」で再び実践してみる。これが振り返りの一連の流れです。

編集部
「学習→実践→振り返り」のサイクルが回りだせば、仕事のやりがいも高まりそうですね。
鳥潟さん
仕事がサクサク進むようになりますし、周囲の人に感謝されることも増えると思いますよ。その結果さらに学習意欲が上がって、自分がやれることの範囲もますます広がっていく。ひょっとすると給与だって上がるかもしれない。 「グロービス学び放題」のユーザーさんを見ていても、そういう方は多いようです。

たとえば、あるユーザーさんは「グロービス学び放題」で学んだことをプレゼンに活かせたことが成功体験になって、それ以降、自ら新しいことを学んでいく好循環が生まれたそうですよ。壮大な長期目標を立てるよりも、最初は「すぐに実践できる知識」から優先的に学習していくことが大切なんです。

編集部
逆に言うと、実践に活かせないことを学習したところであまり効果はない?
鳥潟さん
セミナーなどもその一例と言えるかもしれませんね。セミナーを聴くと一瞬は気持ちが盛り上がるものの、現場の仕事に活かしにくい内容であることが多い。むしろセミナーの内容と自分の仕事とのギャップでフラストレーションを感じてしまい、隣の芝が青く見えてきて、安易に転職を考え始めてしまう……。なんて人もいるかもしれません。

またよくあるのが、本屋で平積みになっている本を買ってみたものの、わかったつもりになっただけで実践に活かせないというパターン。そうなると「本を読むのは無駄だ」と感じ、ますます勉強をしなくなる。悪いサイクルに入ってしまうんです。

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今、学ぶべきことは何か?

編集部
これからの時代に向け、私たちビジネスパーソンはどんな知識を学んでいくべきなのでしょうか?
鳥潟さん
前編でも述べたように、現代は、とても激しく変化していく時代です。昔は決められたことを着実にこなしていれば評価されていましたが、現代は「この作業をやれば評価される」という基準が用意されているわけではない。そのため私たちは、常に自分の頭で考え、環境の変化に対応していくことが求められています。

そんな時代に必要とされるスキルが「論理的思考力(コンセプチュアル・スキル)」「経営の基礎知識(ビジネス・フレームワーク)」の2つです。

編集部
まず「論理的思考力」について教えてください。
鳥潟さん
変化の激しい現代には、これまで誰も経験したことのないような新しい課題がたくさん起きます。過去のデータを探しても、先輩に聞いても、前例がないので誰も解決方法を知りません。そんなとき、論理的思考力があれば「そもそもこれはどんな問題なのか?」と自分の力で問題を整理することができるのです。
編集部
論理的思考力を身につけるにはどうすればいいのでしょう?
鳥潟さん
まずはフレームワークをインプットするといいと思います。論理的に物事を整理するためのフレームワークとしてはMECE(※)」ロジックツリー(※)」などが有名ですね。こういったフレームをもっていると、複雑な課題や状況にぶつかったときに分析・整理がしやすくなるんですよ。

※MECE……Mutually Exclusive Collectly Exhaustive(モレなく、ダブりなく)の略。
※ロジック・ツリー……問題の原因や解決方法をツリー状にあぶり出していく方法。

編集部
ほかにはどんなフレームワークが重要ですか?
鳥潟さん
3C分析(※)なんかも、よく使うフレームワークですね。何も知らないと、ついお客さんの情報ばかりに注目してしまう。しかし3Cという概念を知っていれば、顧客だけでなく、顧客の競合や自社の強みまで踏まえた上で、より視野の広い提案ができるようになります。

さらに財務分析(※)なども押さえておくと「顧客はこの事業の利益率が低くて悩んでいるな」といったことを分析できるので、より突っ込んだ提案をできるようになります。 理想は20〜30個ですが、最低でも5〜10個は、基本的なフレームワークを身につけておきたいものです。

※3C分析……「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの観点から状況分析をする方法。
※財務分析……会社の収益性安全性効率性成長性を分析する方法のこと。

編集部
論理的思考力は可視化しにくいと思うのですが、「身についたな」という実感はどうすればもてますか?
鳥潟さん
論理的思考力が身につくと、悩む時間が減ります。何か課題にぶつかってもすぐ「この問題なら、あのフレームワークを使って考えてみよう」という風にすばやく解決できるようになり、成果を出すスピードが早まっていく。そんな形で成長を感じられると思いますよ。最初は小さな問題からでもいいので、フレームワークを使って状況を整理する練習を積み重ねることが大切だと思います。

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経営全体を理解している人材が重宝される

編集部
次に「経営の基礎知識」を身につける重要性についても教えてください。
鳥潟さん
前提として、私たちビジネスパーソンは、資本主義市場というルールのもと仕事をしています。基本的にビジネスは「商品企画」→「販売」→「オペレーション」→「アフターフォロー」という大きな流れに沿って動いており、ビジネスパーソンのほとんどは、この流れの中のどこかのセクションを担っているはずです。

一昔前までは、自分が担っているセクションを(たとえば営業部なら営業スキルだけを)極めていけば成長できたし、給料も上がっていった。

しかし、今の時代には、自分のセクションだけでなく、経営全体のことをある程度理解して意思決定をしたり、周囲に交渉できたりする人のほうが重宝されてくると思います。
編集部
それはなぜですか?
鳥潟さん
たとえば、営業部に人が足りないので上に掛け合いたいとします。そんなとき、ただ「営業部に人員を増やしてください」と言うよりも、組織マネジメントや財務など全体の事情を鑑みながら「わが社の収益から考えれば、営業部にもう1人人員を増やしてもいいのではないでしょうか」と提案できたら、具体的で説得力がありますよね。経営全体の仕組みについて知っておくと、自分の専門性にかけ合わせて活かすことができるんです。

そして、経営がどのように成り立っているか、組織がどのように回っているのかという構造は時代が進んでもあまり変化しませんから、今後何十年と使えるスキルだと思います。

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刺激し合える仲間をつくろう

編集部
鳥潟さんが手がける「グロービス学び放題」が、ほかの学習サービスより優れている点は何でしょうか?
鳥潟さん
その点「グロービス学び放題」は、グロービスが26年間経営教育をやってきた知識を体系的に整理し、コンテンツに落とし込んだ形で提供しています。ですから、どの時代でも使える原理原則を、すぐに使える形でインプットすることができる。なかなか他社にはない特徴だと思います。
編集部
なるほど。経営教育の歴史の長いグロービスならではですね。ほかにはどのような強みがありますか?
鳥潟さん
仲間をつくれる、という点も強みでしょうか。会社にいても、同じ熱量で刺激し合える仲間ってなかなかできませんよね。社内で自分ひとりだけ勉強熱心でも、周りから「さむい」と思われてしまうかも(笑)。

でも「グロービス学び放題」を使っている同士なら、みんな意欲が高いので、同じような問題意識、同じような成長意欲をもって高め合うことができるんです。

ちなみに、「グロービス学び放題」ではコミュニティの存在を特に重視しており、動画に出演している講師によるワークショップやユーザー主催の勉強会を定期的に開催しています。動画だと1人で学ぶというイメージですが、「グロービス学び放題」では、コミュニティを通じて学びが継続しやすい仕組み作りにも取り組んでいます。

編集部
勉強を続けていくには、やはり仲間の存在は大きいですか。
鳥潟さん
大事だと思いますね。さすがにひとりきりでは、よっぽど問題意識が高くないと継続できないですよ。
編集部
鳥潟さん自身も、20代の頃から自主的に勉強会を開いていたそうですね。
鳥潟さん
 はい。20代前半~30代前半くらいまで、同世代のメンバーとやっていました。
編集部
勉強会と聞くと敷居が高そうですが……。初心者でもできるやり方があれば教えてください。
鳥潟さん
まずは同じ本をみんなで読んで、その本について議論をするのがオススメです。「グロービス学び放題」のユーザーさんも、月に一度ほど、毎回幹事を変えて行なっています。または、ニュースなどを題材にして「この企業の意思決定についてどう思うか?」と議論する方法もあります。経営学のフレームワークを使って各々分析し、その結果をみんなでもち寄るんです。一見難しそうですが、フレームワークという共通の土台があるので客観的な議論がしやすいんですよ。
編集部
高め合える仲間をつくるためのコツはありますか?
鳥潟さん
「自ら発信すること」だと思います。自分が何を学びたいのか、何に興味があるのか、どんな事業に興味があるのか、どんな思いで仕事に取り組んでいるのか、周囲に発信することが大切です。あるいは「○○を一緒にやれる人を探しているんだけど、誰かいないか?」と呼びかけてみるのでもいい。

自分の考えを発信していくことで、周りの人も共鳴して興味を示してくれる可能性が高まりますし、関係性も深まります。「一緒にやろうよ」と歩み寄ってくれる人だって現れるかもしれない。自分の軸や目的をぼんやりとでも持っておくことは、そういう意味でも大事なんだと思いますよ。

***
「学んだことをすぐ実践し続けること」「論理的思考力・経営の基礎知識を身につけること」「刺激し合える仲間をつくること」。どれも実践的で、具体的なお話ばかりでした。 特に「学んだことをすぐに実践する」という方法は、勉強のモチベーションやインプットの質を高める上で抜群の効果を発揮するはずです。本稿をキッカケに、今一度自分の勉強スタイルや方向性を見直してみてはいかがでしょうか。

【「グロービス学び放題」を詳しく知りたい方はこちら https://hodai.globis.co.jp/ 

【鳥潟幸志さん ほかのインタビュー記事はこちら】
目標は行動を変える。一流を目指すなら、まずは徹底的に自分と向き合うべき。

【プロフィール】
鳥潟幸志(とりがた・こうじ)
埼玉大学教育学部卒業 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了 学位:MBA サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。 現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。

【ライタープロフィール】
佐藤 舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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