東大教授とハーバード合格者が教える「最高の独学法」

東大教授とハーバード合格者が教える最高の独学法01

興味がある分野を勉強して知識を深めたいけれど、時間や金銭的な問題がありセミナーやビジネススクールに通うことができない場合、独学という選択肢があります。しかし、独学で効果が出るのか、続けられるのかと不安を感じてしまう人は少なくないでしょう。独学のエキスパートの言葉を参考に、独学のメリット・大切なこと・続けるコツなどをご紹介します。

独学を選ぶメリット

高校や大学には通わず独学で過ごし、東京大学の教授になったという異色の経歴を持つ柳川範之氏は、独学がすぐれていると思う一番の理由に自分のペースで勉強ができるという点を挙げています。また、自分と相性のいい本や参考書を選べるので、効率よく勉強できることもメリットなのだとか。同じく、独学で東京大学とハーバード大学院に合格したという本山勝寛氏も、時間や場所を自分好みにカスタマイズできるため、どんな勉強にも応用可能な独学は、むしろ成果を出しやすいと述べています。

したがって、やはり独学を選ぶ最大のメリットは自由度の高さだといえるでしょう。

また、柳川氏は、誰もがネット検索で情報を得られるいまの時代だからこそ、自分で考え、自分なりの答えを出す頭の使い方を学ぶべきだといいます。そして、「いまの時代における勉強」とは、世の中にあふれた情報をただ暗記するのではく、それらを自分なりの新しいアイデアや理論につくりかえることであり、それに向いているのが独学だと述べています。

もちろん、セミナーやビジネススクールに通うよりも、かなり出費を抑えられることも大きなメリットです。

独学で効果を上げるために大切なこと

ただし、独学は1人で自由に行えるからこそ、気をつけるべき点もあります。独学で効果を上げるために大切なことを、アドバイスとともにご紹介します。

1.“自分用”の本や参考書を探す必要性

最初はどの本や参考書を選べばいいか分からず、とりあえずネットで評判がいいものを探してみるかもしれません。しかし、どんなに評判がよくても、名著といわれていても、必ずしも自分にとっていい本とは限らないといいます。何を選べばいいか分からないとき、柳川氏の場合はまず信頼できる人に紹介してもらうそう。

しかし、それでも自分に合う本と出会うためには試行錯誤が必要とのこと。自分が理解しやすいパターンと、その本の説明や論旨の展開がかみ合っていないと、内容が頭に入ってこないからです。自分の学びスタイルの確定にもつながるので、数ページ読んでやめてしまう本があっても気にせず、合う本が見つかるまで試行錯誤を繰り返しましょう。そのほうが、結果的には効率がよくなるはずです。

2.ディベート力をつけるための配慮

大学やビジネススクールなどでは、受身中心にならないよう「ディベート」が取り入れられています。ディベートとは、一定のルールのもと肯定派と否定派に分かれ議論することで、主体性や、知的思考力(客観的・論理的・批判的・複眼的思考力)を高めてくれるといわれています。

しかし、独学の場合は議論する相手がいません。なおさら自分で選んだ自分好みの本に書かれていることを、そのまま受け入れていたらディベート力はつかないでしょう。そうしたことから柳川氏は、1回目はそのまま吸収し、2回目に読むときは「疑問」や「反論」を持ちながら読み、書き手と対話・ディスカッションするようにして本や参考書を読むようアドバイスしています。

3.目標・ゴール・期日を明確に、ただし無理は禁物

独学を成功させるために重要なのは、まずは目標設定を明確にすることだと本山氏は説いています。自分が到達したいゴールと、それを達成したい期日を設定して、初めてスタートを切ることができるからです。そして、適切な学習計画を立てるために、自分の現状レベルを把握することも大切です。

ただし、無理は禁物。気持ちが定まっていないまま無理がある目標設定をしても、すぐ壁にぶつかる可能性が高くなるからです。そのたびに自責の念にかられていたら、それこそムダな時間というもの。本屋さんで「どの本を買おうかな?」とまるで“本とお見合い”をするように、リラックスして“学ぶこと”ともよく向き合い、自分と対話しながら目標を決めましょう。

独学を続けるためのコツ

さらに、独学を続けるためのちょっとしたコツをお伝えします。

1.習慣化する

本山氏は、独学を続けるコツとして、毎日同じリズムで学習サイクルを回すことをすすめています。習慣化することにより無理なく勉強モードに入りやすくなるからです。その際、コーヒーを飲む・携帯電話をオフにするなど、「集中を高めるためのルーティン」をつくることもアドバイスしています。

2.柔軟になる

柳川氏は、独学を実際に始めると見えてくることもあるので、最初から自分の可能性を狭めず、臨機応変に道を選びながら、少し“いい加減”くらいの気持ちで行うようすすめています。それが独学を続ける秘訣なのだとか。それに、そもそも「知りたい」や「達成したい」は人間の欲求でもあるはず。気楽に、柔軟に、独学でその欲求を満たしてあげるという気持ちで取り組みましょう。

3.息抜き学習

本山氏は、飽きや、モチベーションの低下を防ぐため、ときには「息抜き学習」を行うようすすめています。たとえば英語の勉強なら、お気に入りの映画やドラマを英語字幕で見たり、お気に入りの海外ミュージシャンの曲を教材にしたり、ビジネス書や資格試験の内容をマンガ化した書籍で勉強したりするのです。そうして楽しみながら学ぶ経験を持てば、思い込みの激しい脳は、「勉強って楽しい!」と思い込んでくれるかもしれません。

4.仲間をつくる

独学はただ1人黙々と勉強することではなく、「自分でテーマを決め、自分でプランニングをして主体的に学ぶこと」を指しているので、むしろ情報交換ができて刺激になる仲間はいたほうがいいと柳川氏は述べています。お手本になるような独学仲間ならなおさら、「自分も頑張らなきゃ」という気持ちを高めてくれるはず。議論も行えるので、ディベート力もつけられるでしょう。

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独学で大きな目標を達成した柳川 範之氏と本山勝寛氏のアドバイスを参考に、独学のメリット・大切なこと・続けるコツをご紹介しました。ぜひ気張らずに独学を始めてくださいね。

(参考)
柳川範之著(2014),『東大教授が教える独学勉強法』,草思社.
和井田節子,小泉晋一,田中卓也(2016),「教員養成課程におけるディベート学習の教育的効果 : 思考力と社会的能力に着目して」,共栄大学研究論集.14号,pp.193-216.
プレジデントオンライン|高校に通わなかった東大教授が語る「独学の極め方」 (柳川 範之)
THE21オンライン|独学で東大&ハーバード合格!目標を達成する勉強のコツ
AERA dot. (アエラドット)|自分の脳は騙せる! 医師直伝「ご機嫌脳」のつくり方

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