みなさんは、英語で情報収集したことはありますか。
ビジネスで差がつくのは、さまざまな情報をどれだけ集められるかどうか。グローバル化が進行していく昨今のビジネス社会では、常に最先端の情報をインプットしている必要があります。
新しい情報を集める際に最も欠かせないツールが英語。英語で情報収集できることで、仕事においてさまざまなメリットがありますよ。情報収集に役立つ英文ウェブメディアと、あわせて見ていきましょう。
- 英語で情報収集できると得する理由
- 英語での情報収集にウェブメディアが有効な理由
- 英語のウェブメディアで情報収集する際のポイント
- 英語での情報収集におすすめのウェブメディア
- 英語での情報収集スキルを効率的に磨く方法
英語で情報収集できると得する理由
英語で情報収集できると、仕事において有利になるのはなぜでしょうか。主な理由は以下の3つ。
- 情報量が膨大
- 海外から発信される情報への迅速なアクセス
- 多角的な情報収集が可能
順番にご説明しましょう。
情報量が膨大
英語が情報収集に不可欠である最も顕著な理由が、情報量の差。世界経済の動向をグラフ化しているカナダのビジュアルコンテンツ制作会社Visual Capitalistの統計によると、インターネットの世界で最も利用されている言語は英語です。日本語の使用割合が、たったの約2.1%なのに対し、英語の使用割合は約60.4%。30倍近い差があります。
つまり、英語で情報収集ができると、英語でしか手に入らないさまざまな情報に触れられるというメリットがあるのです。
海外から発信される情報への迅速なアクセス
ビジネスを発展させ、ライバルと差をつけるためには、常に新しい商品やサービスを生み出さなければなりません。しかし、たとえ新しいサービスを生み出したとしても、顧客のニーズと合致していないと、利益を生み出すのは困難になるでしょう。
新商品やサービスで顧客を引きつけるためには、日頃から業界のトレンドを知っておくことが重要です。業界の世界的なトレンドや、ビジネスにおける革新的な動きは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)といった、世界規模で支配的影響をもつ企業から生まれやすい傾向があります。
こうした影響力の高い企業からトレンドをすばやく把握するために、英語は必要なツール。英語で情報収集ができると、ビジネスに関する情報もすぐに手に入れられます。なぜなら、海外から来る情報の日本語訳を待つよりも、英語で情報に直接アクセスするほうが早く情報を入手できるからです。
多角的な情報収集が可能
英語で情報収集ができると、日本からの視点では書かれていない記事からも有益な情報の入手が可能です。日本からの一面的な情報だけでなく、日本以外の目線でどのように描写しているかがわかるため、海外の取引先とのスモールトークで相手を引きつけたり、業界の世界的な動向を把握したりする際のヒントを得やすくなります。
このように、英語で情報収集できると、新商品に向けてのアイデアや、円滑なビジネスに役立つのです。では、英語で情報収集するにはどのようにするとよいのでしょうか。
英語での情報収集にウェブメディアが有効な理由
英語で情報収集する際には、本や新聞、雑誌を活用するという方もいるかもしれません。そんな方に最もおすすめしたいのが、ウェブメディアの活用。その理由を3つ説明しましょう。
1つめの理由は、いつでも最新の情報にアクセスできること。インターネット上の記事は常に更新されることが多いため、入手したい最新情報にすぐ触れることができます。
2つめは、コストが安いこと。インターネット記事は無料で読めるものが多く、概要をサッと見ておきたい場合は、無料版でも十分に情報が集められます。
3つめは、インターネットから得られる情報のジャンルが豊富なこと。興味のある分野に合った最新の情報を見つけることができます。また、キーワードで検索することで、自分の欲しい情報がすぐに見つかるのも、ウェブメディアの便利な側面と言えるでしょう。
以上の理由から、ウェブメディアの活用が、英語での情報収集におすすめです。
英語のウェブメディアで情報収集する際のポイント
英語で書かれたウェブメディアで情報収集する際には、いくつかポイントがあります。
ひとつめは、拠点や立場が異なる複数のメディアでチェックすること。日本の出来事に関する同じニュースでも、日本のメディアが海外向けに発信している場合と、海外のメディアが日本での出来事について発信している場合では、描写の仕方が異なることがあります。一面的な視点からではなく、複数の視点から情報収集するのがポイントです。
もしどの国のどんな情報を仕入れればいいのか判断しづらい場合には、 ご自身の仕事に関わるトピックに絞って情報収集することをおすすめします。また、ビジネスで他国と取引を行なう場合は、その国のメディアを常にチェックしておくとよいでしょう。
ふたつめは、SNSでビジネスと関連する英文メディアや、ニュースメディアをフォローすること。TwitterやFacebookなどで英文メディアをフォローしておくと、インターネット上で公開されている最新の記事にすぐアクセスできるため、とても便利です。
以上を参考にして、英語での情報収集を進めてみてください。
英語での情報収集におすすめのウェブメディア
ここからは、ビジネスパーソンが英語で情報収集するのに役立つウェブメディアと特徴をご紹介します。
1. 海外ニュースメディア
海外情勢や海外のトレンドを、少しでも早く知りたいときに便利な海外ニュースメディア。加えて、日本の情勢を海外の目線から客観的に知ることもできます。英語で情報収集するのに役立つ代表的なメディアを紹介しましょう。
1.「VOA Learning English」
「VOA Learning English」は、アメリカ国営の放送局「Voice of America(VOA)」による英語学習者向けのメディア。基本的な語彙や文法が使われ、かつ英文がゆっくり読まれるのが特徴です。
主に海外情勢をやさしめの英語で1分間解説している動画コンテンツ「VOA Learning English TV」があります。海外のニュースメディアは難しそうと感じる方は、「VOA Learning English」を英語で情報収集するための取っかかりにできますよ。
「VOA Learning English」で、ある程度英語での情報収集に慣れてきたら、英語ネイティブ向けの「VOA News」に挑戦してみるのもよいですね。
2.「CNN」
「CNN(The Cable News Network)」は、政治、科学、経済などのニュースを24時間放映しているニュース専門チャンネルのウェブメディア。アメリカ関連のニュースを中心に扱う「CNN」と、国際情勢を中心に報じる「CNN International」があります。短めの動画でニュースをチェックすることも可能です。
3.「NPR」
「NPR(National Public Radio)」は、アメリカの非営利公共ラジオネットワーク。無料で利用でき、ラジオで流れたニュース記事のスクリプトを読んだり、オーディオファイルを聞いたりできます。こちらも番組が豊富なので、ビジネスに関わるジャンルや、興味のあるトピックを扱った番組で、情報収集してみるとよいでしょう。
4.「The New York Times」
「The New York Times」は、同名の地方紙が発信している、アメリカを代表するウェブメディアのひとつです。ニューヨークの情勢しか取り上げないように思われるかもしれませんが、ニューヨークに限らずアメリカ国内外の政治や経済、科学など、じつに幅広いジャンルを扱っています。
5.「BBC News」
「BBC News」は、イギリスの公共放送局「BBC(British Broadcasting Corporation)」が運営するニュースメディア。イギリス国内の情勢や、世界各国の幅広いジャンルを、イギリスの視点から扱ったニュースがアップデートされています。イギリス英語になじみのある方や、ビジネスでイギリスと大きな関わりをもっている方はチェックしてみましょう。
6.「Al Jazeera English」
「Al Jazeera English」は、中東の情勢を英語で発信しているニュースメディア。イスラム圏の目線から世界のニュースを見ることができます。イスラム情勢に興味のある方や、イスラム圏とビジネスにおける関わりが強い方におすすめです。
7.「Euronews」
「Euronews」は、ヨーロッパ情勢を中心にさまざまなジャンルのニュースを報じているニュース専門放送局のウェブメディア。ヨーロッパ諸国内のニュースだけでなくヨーロッパ諸国の視点から世界情勢について知ることもできます。ヨーロッパ諸国とビジネスで多く関わる方は、チェックしておくとよいでしょう。
2. 日本関連のニュースメディア
日本国内のニュースを海外に発信しているウェブメディアも、英語で情報収集するのに有効です。ビジネスにおいて日本や東アジアの情勢を相手に説明するためのインプットが多く得られます。また、英語で情報収集するにあたり、日本関連のニュースのほうが海外関連のニュースと比較して、背景知識があるぶん内容が理解しやすいのもメリットです。
代表的なメディアを紹介しましょう。
1.「The Japan Times」
「The Japan Times」は、ジャパンタイムズが運営するウェブメディア。日本を含んだアジア圏の情報を英語で収集するのに役立つメディアです。日本の情勢を海外へ発信したり、ビジネス上で在日外国人とコミュニケーションをとるための話題を集めたりするのに活用できるでしょう。
比較的やさしめの英語で書かれている英語学習者向けの「The Japan Times Alpha Online」もあります。
2.「NHK WORLD-JAPAN」
「NHK WORLD-JAPAN」は、NHKが日本に関する情報を、英語を含む外国語で発信しているウェブメディア。記事のほかに多くの動画が配信されています。ライブニュースだけでなく過去の動画も無料で視聴できるところもポイント。さらに、ニュースだけでなく日本文化を海外に発信する番組もあるため、日本のトレンドを海外の顧客にアピールするヒントを得る助けにもなるでしょう。
3.「Japan Today」
「Japan Today」も、日本に関連した英文ニュースを発信しているウェブメディアのひとつ。政治やテクノロジー、芸能など、幅広いジャンルを扱っています。記事だけでなく、読者のコメントも見られるのが特徴的です。
4. 大手新聞社発行の英字新聞のウェブメディア
日本の大手新聞社が発行する英字新聞のウェブメディアを活用するのも、英語での情報収集に有効な手段のひとつ。毎日新聞社の「The Mainichi」や、朝日新聞社の「The Asahi Shimbun Asia & Japan Watch」、読売新聞社の「The Japan News」などが例です。同じニュースについて日本語と英語それぞれの記事を比較し、日本の情勢をどのように英語で伝えているのかを観察してみるのもよいですね。
3. ビジネス・経済系メディア
ビジネスパーソンにとって、国内外の市場動向や経済の動きは常にチェックする必要がある分野。ここでは、ビジネスや経済に強い英文メディアを紹介しましょう。
1.「Nikkei Asia」
「Nikkei Asia」は、日本経済新聞社が発行している英字新聞のウェブメディア。日本を中心にアジアの市場動向や経済のニュースを英語でチェックすることができます。日本経済新聞の英訳だけでなく、アジア経済やビジネスの実態について独自の視点で描写している特集記事も収録。アジア諸国とビジネス上の関係が強い、もしくはアジア圏に顧客のターゲットを絞っている企業に勤めているビジネスパーソンに欠かせないメディアではないでしょうか。
2.「Bloomberg」
「Bloomberg」は、世界の最新金融ニュース、マーケット情報、市場分析、テクノロジーといった、金融業界、経済界で必須の情報をひとめでチェックできるウェブメディア。国、地域を選択することで、その地域に特化した経済ニュースをチェックすることができます。ライブ映像も無料で視聴可能。世界経済の動向をすばやく情報収集したい方におすすめです。
3.「CNN Business」
「CNN Business」は、前出のCNNが提供する経済、ビジネス特化型のウェブメディア。企業関連のニュースや、海外株の値動きといった情報がわかりやすく集約されているメディアです。
4.「The Economist」
「The Economist」は、国際政治と経済関連のニュースに定評のある、イギリスの経済新聞のウェブメディア。すぐれた経済分析が特徴で、日本を含むさまざまな地域のビジネスや経済の特集記事が豊富にあります。国際政治、経済ともに関心のある方はおすすめです。
5.「Forbes」
「Forbes」は、企業経営者向け雑誌のウェブメディアです。世界経済に影響を与えている人物や企業に関する情報を収集するのにおすすめ。大手企業、経済界の大物をターゲットにしたビジネスに関わる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
6.「Reuters」
「Reuters」は、国際通信社ロイターが運営するウェブメディア。日本の報道機関が海外の金融情報やニュースの引用源としているメディアのひとつです。「Reuters」をチェックして、英語で情報収集ができると、日本の報道よりもすばやく海外の金融や世界情勢について情報収集が可能になるかもしれませんね。
7.「The Wall Street Journal」
「The Wall Street Journal」は世界的に代表する経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のウェブメディア。海外の証券市場やビジネス動向のすばやい情報収集に役立つメディアのひとつです。
4. ライフハック系メディア
円滑なビジネスやよりよい生活を実現させるためには、「ライフハック」という作業を効率よく行なうことに焦点を当てたテクニックも重要な要素のひとつ。ここではライフハックの情報を得られるウェブメディアを紹介しましょう。
1.「Lifehacker」
「Lifehacker」は、生活や仕事などをより充実させるための記事をまとめたウェブメディア。特徴は仕事の効率術、健康、食事、子育てなど多岐にわたるジャンル。ライフハックに関する動画も随時更新されています。
2.「The Muse」
「The Muse」は海外企業の求人サイトのひとつですが、ウェブサイト内の「Succeeding at Work」が、効率的な仕事術を学ぶのにおすすめです。「仕事の生産性を高めるためのテクニック」や「ワークライフバランスを保つためのアドバイス」など、仕事と生活を充実させるための情報を英語でチェックできます。
5. その他
1.「BuzzFeed News」
気軽な気持ちで英語で情報収集したい方でまずおすすめなのが「BuzzFeed News」。ゴシップや、ジョーク、ファッション記事などを取り上げたウェブメディアです。ひとつひとつの記事はそれほど長くなく、スキマ時間でも読める長さです。英語での情報収集の取っかかりとして、もしくは英語ネイティブとの雑談やアイスブレイクの話題探しに活用してみてはいかがでしょうか。
2.「National Geographic」
迫力ある数々の写真とともに、自然、科学、社会問題など多彩なジャンルに関する情報を収集できるのが、世界的に著名な写真誌「National Geographic」が発信するウェブメディア。鮮明な写真を見ながら、現代社会の問題に関して知見を深められるメディアです。
3.「Scientific American」
総合的な科学情報を収集できるのが、大衆向け科学雑誌「Scientific American」が発信するウェブメディア。科学に関する知識を深めるのに有益なメディアです。
4.「Tripadvisor」
旅行が好きな方や、世界の主要都市に関する情報を集めたい方におすすめなのが、世界最大の旅行口コミサイトの「Tripadvisor」。観光地の予約ができるだけでなく、観光地の特徴や口コミを英語で知ることができます。また、日本の観光地に関する口コミもあるため、日本のことを英語で説明するためのヒントを得ることも可能です。
5.「Goodreads」
洋書に関する情報収集におすすめなのが「Goodreads」。一番売れている本や、いままさに話題になっている本に関する情報収集ができます。口コミも見られるため、洋書を購入する検討材料としても活用できるでしょう。
6.「Open Culture」
世界トップレベルの大学の講義をインターネット上で無料で受講できるのが「Open Culture」。有料でコース修了後の受講証明書がもらえるコースもあります。専門性を高めたり、生涯学習として活用したりしてみるとよいですね。
以上のようなウェブメディアを、英語での情報収集にぜひ活かしてみてください。
英語での情報収集スキルを効率的に磨く方法
ここまで、英語での情報収集に役立つメディアを紹介してきました。しかしそういった手段をもっていても、英語で情報収集するのに必要なスキルを十分に身につけていないと、せっかく得た情報を有効に活かしにくくなります。
じつは、スマートフォンで効率よく情報収集スキルを伸ばせるウェブサービスがあるのです。その名は「ENGLISH COMPANY MOBILE」!
アルクの英語教材に加えて、「ビジネス・経済系メディア」で紹介した「Nikkei Asia」の記事を使って、「語彙学習」「チャンクリーディング」「サイトトランスレーション」「音読」「暗唱」「シャドーイング」といった、英語での情報収集スキルを伸ばすための効果的なトレーニングが可能です。
「ENGLISH COMPANY MOBILE」で練習を続けていくことで、英文を先頭から読めるスキルがだんだん身につけられます。結果、英文をスラスラ読めるようになるのです。なおかつ、先頭から英文を理解できるようになるため、リスニング力も上げられます。
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英語で情報収集できることで、日本語では得られない知識を身につけたり、海外からのトレンドをすばやくキャッチできたりするなど、さまざまなメリットがあります。今回ご紹介したメディアと「ENGLISH COMPANY MOBILE」を、英語での情報収集にぜひお役立てください。
監修:StudyHacker ENGLISH COMPANY
(参考)
Visual Capitalist|Visualizing the Most Used Languages on the Internet
辻井潤一(2014),「グローバル時代の情報収集と情報発信」, Japio YEAR BOOK 2014 寄稿集, pp.54-57.
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。