「即レスは大切だとわかっているのに、なかなか実践できない…」
そんな思いを抱えていませんか?
ビジネスの世界で重要とされる「即レス」。その必要性は理解していても、日々の忙しさに追われ実践できていない方も多いでしょう。
本記事では、即レスがもたらす信頼構築と業務効率化の効果、そして無理なく取り入れるためのコツをご紹介します。
忙しい毎日の中で、即レスをどのように実践し、仕事の質を向上させるか。そのヒントを一緒に探っていきましょう。
即レスをする効果1:信頼される
即レスとは、文字どおり「メッセージを受け取ったらすぐに返答すること」。これは仕事の効率を向上させるとともに、信頼関係を築く上で強力な武器になります。
人材活性ビジネスコーチの櫻田毅氏は、そのキャリアのなかで多くの人と関わった経験から、「仕事ができる人のメールの返信はとにかく速い」と述べています。*1
みなさんも、仕事ができる人の共通点として、返信が速いことは実感としてあるのではないでしょうか。
メールやチャットにすぐに対応すると、「この人はきちんと仕事をしている」「頼んだことにしっかり応えてくれる」という安心感を与えることができます。逆に、返信が遅いと「忘れられているのではないか」「ちゃんと対応してくれるのか?」と不安に感じさせてしまうことも。仕事では、スピード感ある対応が信頼関係の基本となっていることが多いのですね。
即レスをする効果2:仕事を速く進められる
即レスを心がけると、仕事の流れがスムーズになります。櫻田氏は、即レスをしなかったときの弊害に関して、以下のように述べています。
相手のメールを自分が握りこんでしまうと、相手にアイドリングタイム(待ち時間)を生じさせてしまい、その案件に関する仕事が停滞します。*1
相手が返信を待つ時間が短くなることで、次のタスクにすぐに移れるようになり、全体の仕事が早く進むのですね。自分の対応が遅れたせいで全体の仕事が停滞することを避けるためにも、即レスは心がけるべきだといえます。
たとえば、商談や打合せの日程調整のメールが来たとします。候補日を提示する必要があるとき、みなさんはどのくらいの時間で返信しますか? 「スケジュールを確認するのは面倒」「あとでゆっくり返信しよう」などと後回しにしていませんか?
後回しにしたメールは、気が付くと他のメールに埋もれて対応漏れなどにつながってしまいます。
即レスをするコツ1:1時間に一回はメール受信箱を確認する
では、ここからは即レスをするためのコツをご紹介します。
「仕事中に中断されることで集中力が削がれそう」「タスクが多すぎて、返信する余裕がない……」という方は、メールの受信ボックスを確認する時間を自分の中でルール化することをおすすめします。
櫻田氏は、「大切なことは、どのような頻度でチェックしたとしても、『開いたメールにはその場で返信する』ということ」といいます*1。つまり、移動中や休憩中など、1時間に1回でもメールの受信箱を確認し、その場で返信をすれば大量のメールが溜まってしまう……という事態を避けられるはず。
筆者は、会議と会議の間にメールチェックをすることが多いのですが、その段階で全て目を通し、「すぐに返信」「フラグを付け、あとで返信」「返信しなくてよい」に振り分ける作業を行なっています。まとまった作業時間には、フラグを付けたメールのみにフィルタして一気にメール返信を行うことで、抜け漏れなく返信することが可能です。
即レスをするコツ2:優先順位をつけながら返信する
毎日やり取りするメールは、すぐに返せるようなものから少し時間を要するものまで多種多様ですよね。即レスができる人は、返せるものはすぐに返すことを心がけているそう。元マイクロソフト役員で、株式会社クロスリバー社長の越川慎司氏は、人事評価上位5%の一流社員は、日程調整や資料の修正など返信が求められるメールに対して、返信がきわめて早かったといいます。*2
日程調整であればすぐに候補日を出し、すぐに確認できるものはその場で確認して返信することでメールが自分の手元に滞留することを防げます。資料修正など、時間がかかるものは「18時までに返信します」などの一次回答をすることで、相手に待ち時間の目安を伝えるようにします。短いメッセージを送るだけでも、相手には「対応中である」という安心感を与えることができ、これだけでも信頼度は大きく変わるといえます。
時間がかかるタスクは時間の目安を伝えることで、自分の中での作業のめどをつけるという副次効果もあります。
このように、自分の頭の中で仕事の優先順位をつけながらすぐに返信をしていくことで、結果的に即レスにつながるのですね。返信に手間がかかるメールはつい後回しにしてしまいがちですが、明日からはすぐに確認する癖をつけてみましょう。
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即レスは基本、といわれながらも忙しさのなかでなかなか実践できないもの。完璧な即レスを目指すのではなく、まずは短い返信での対応をしてみる・メールチェックタイムを作るなどできるところから始めてみてください。きっと、仕事の進め方や周りの人からの信頼度が少しずつ変わっていくはず。
※引用の太字は編集部が施した
*1東洋経済オンライン|できる管理職に「メール高速返信」が必須な理由
*2プレジデントオンライン|なぜ一流はメールの返信が早いのか…三流は後回し、二流はすぐ返信、一流がやっている「メール術」とは
藤原瑶
大学では経営学を専攻。思考法に興味があり、ロジカルシンキング・クリティカルシンキングを勉強中。仕事力向上のためビジネス書を読む習慣をもち、書籍で学んだことをタスク・スケジュール管理などに活かしている。