スマホでZoomにつなぐだけ。東大生もおすすめ「人に見られる」勉強法

勉強している女性

「自宅で勉強していたのに、いつの間にか勉強とは関係ない本を読んでいた……」

このように、自宅で勉強に集中できないとお悩みの方は多いのではないでしょうか。とはいえ、カフェは毎回飲み物代がかかりますし、図書館は開いている日や時間が限られています。

もし自宅で集中できる方法があるなら、そういったお悩みを解決でき、細切れ時間も有効に使えるはずですよね。

そこで今回は、東大生の実践例をヒントに、自宅の机で集中するための環境作りについて紹介します。

【ライタープロフィール】
Shinya
大学では経済学を専攻。集中力があり、長時間、長期間にわたって勉強し続けることが得意。現在は、資格試験に向けて効率的な勉強法の情報を収集中。心理学にも関心があり、コミュニケーション力の向上を目指してさまざまなメソッドを学び、実践している。 

勉強机の近くにスマホを置く?! “Zoom自習室” とは?

スマートフォン(以下、スマホ)は勉強する際に集中を妨げるアイテムだと思っていませんか? じつは、「Zoomをつないだスマホ」を活用すれば、集中を妨げるどころか、いつもより格段に集中できるのです。

東京大学のインタビュー記事で、自宅で勉強に集中する方法を聞かれたある東大生が、以下のように回答していました。

あえて何人かの友人とZoomをつないで、各自黙々と勉強や作業をすることがあります。「Zoom自習室」ですね(笑)。見られているという意識から、自然と姿勢も正しますし、勉強中に携帯をいじることも減ります。(法学部・4年)

(引用元:ジェンダー・エクイティ推進オフィス ©東京大学|自宅での勉強に集中するための工夫はありますか?|『Stay Home, but our Heart is on Campus!』第1回 | ジェンダー・エクイティ推進オフィス

筆者もそうですが、カフェや自習室など、周りに人がいて適度な雑音がある環境のほうが、自宅で勉強するよりも集中できるという方は多いはず。

それなら、この “Zoom自習室” を活用した勉強法を試してみませんか?

やり方は、とても簡単です。

  1. スマホで友達とZoomをつなぐ(SkypeやLINEのビデオ通話など、別のツールでも可能)
  2. Zoomのカメラで、勉強している手元を映す

Zoomの利用は無料ですし、アカウントの開設も簡単なので、スマホを持っている人なら誰でもすぐに始められますよね。

スマホが置いてあるデスク

さらに、この “Zoom自習室” の効果は、科学的にも実証されています。

社会心理学者ロバート・ザイアンス氏の研究によると、仕事や勉強などの作業効率は、慣れ親しんだ作業の場合においては人の存在を感じることで意識が覚醒し、効率が上がるのだそう。(参考元:JSTOR |Robert B. Zajonc Science,New Series,Vol.149,No.3681.(Jul.16,1965),pp.269-274

ただしザイアンス氏は、慣れている作業なら、人に見られている状況でさらに処理スピードが増す反面、慣れていない作業の場合は、人に見られることでより苦手に感じてしまうとも述べています。(参考元:同上)

 

集中して勉強している男性

 “Zoom自習室” を成功させる3つのポイント

 “Zoom自習室” を実践する際に、次の3つのポイントを知っておくと、失敗せずに実践できるはずです。

1. 顔を映す必要はない

相手の顔が見える、もしくは自分の顔が映ると気が散ってしまうかもしれません。勉強している様子がわかるよう、手元の周辺だけを映してください。

2. スマホの通知音を切り、手が届かない場所に置く

さまざまなアプリの通知音が鳴ると、自分の集中が途切れるだけでなく、一緒に勉強している仲間にも迷惑です。通知音は切っておきましょう。画面への通知が気になる場合は、スマホを勉強机の横など、視界に入りづらく手の届きにくい場所へ置きましょう。

3. 雑談してしまうなら “オンライン自習室サービスを活用

友人と雑談しないよう最初に約束していても、つい話したくなってしまう、もしくは話しかけてくるメンバーがいるという場合には、 “オンライン自習室サービス” も便利。

先ほどご紹介した “Zoom自習室” と同様に、ZoomなどのWebカメラ機能を使って専用ページにアクセスし、学習している様子を映しながら勉強できます。まったく知らない人たちの姿が映るので、雑談の心配もありません。

無料のサービスのほか、プライバシーに配慮した有料のものもあります。

スマホを見ている女性

勉強机に置かないほうがいいもの

勉強机の周辺に置いたほうがいいものとしてスマホを挙げましたが、ここでは反対に、勉強机に置かないほうがいいものをご紹介しましょう。

意外なことに、それは本や参考書です。

東大卒で整理収納アドバイザーの米田まりな氏によると、「本の背表紙は文字情報が含まれ、意識していなくても、潜在意識として集中力を蝕んでい」くそう。(カギカッコ内引用元:Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム|集中力ガタ落ち…! 東大卒収納アドバイザーが選ぶ、デスク上に置いてはいけないNGアイテム ※太字は編集部が施した)

机の上の本を目につかない場所へ移動すれば、無意識のうちに集中を邪魔されることなく、作業スペースも広くなります。

ただ、どうしても机の上に仕事で使う書類などを置いておきたいという方もいるでしょう。その場合は、その書類が本当に必要なものか一度厳選してみてください。

整理収納アドバイザー1級認定講師の角一まり子氏によると、一般的に「よく見る文書は1年以内のもので、1年を超えた文書は100回に1回の割合でしか見ない」そうです。
(引用元:長谷工の住まい|デスクの整理は頭の整理!仕事や勉強効率のあがるデスク収納術とは?

「最後にその書類やファイル、本を開いてから1年以上経っていないか?」と考えると、机の上に残すか残さないかの基準になりますね。

机やその周辺から不要な文字情報を減らして、集中力を高める部屋作りを始めてみましょう。

机の上に本を置いて勉強している女性

 “Zoom自習室” をやってみた

筆者も、ご紹介した方法を実践して、以下の写真のように勉強してみました。

Zoomで勉強している様子をつなぐ

机の上には、今日勉強する参考書とノートだけを置いています。スマートフォンは、三脚に取りつけて席の斜め後ろに置き、自分の視界になるべく入らないようにしました。

結果は、カフェや図書館のように “人に見られている” と感じられて、いつも自宅で勉強しているよりも集中することができました。

今回はひとりの友人とZoomを利用したのですが、撮影範囲に自分を収めなくてはならないので、勉強から逃げにくいと感じました。

「つい冷蔵庫を開けて飲み物や食べ物を探してしまう」「本棚の関係のない本を読んでしまう」という方には、とても有効な勉強法だと思います。

また、やってみて気づいたのは、特に1日の勉強のスタートに便利だということ。

友人と約束しているので、開始予定時間に確実に学習を始められました。

始めたての集中力が低い状態から、スムーズに集中力を上げることができたのも嬉しいポイントです。

一方で、難しい問題を解くような場面には、Zoom接続が気になって自分ひとりの世界に没頭できませんでした。

取り組む勉強の種類によって “Zoom自習室” を活用できたら、効率的に進められそうですね。

***
スマホは机から遠ざけなければいけないと思っていたので、スマホを使って勉強がはかどったのはとても意外でした。みなさんもまずは身近な友人と、 “Zoom自習室” を始めてみてください。

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