【タイプ別・勉強を続けるコツ】あなたにぴったりの「勉強習慣化テク」がチャートですぐわかる!

あなたにぴったりの「勉強習慣化テク」がチャートですぐわかる01

勉強を始めてみたけれど、なかなか習慣化できない……。そんなお悩みは、あなたのタイプに合った習慣化テクニックを使えば、解決するかもしれません。以下のチャートをたどってみてください。

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たどりついた先があなたに最適な習慣化方法です。では、詳しく見ていきましょう。

1. スモールステップ

「先延ばし癖」があり「どちらかといえばマイペース」な人は、「スモールステップ」という学習法で、ゆっくり確実に勉強を習慣づけるのがおすすめ。

「スモールステップ」とは、米国の心理学者であるB. F. スキナー氏が提唱した学習法のひとつ。たとえば、いきなり専門書から入るのではなく、入門の本から読む。1日10分から30分へと、少しずつ勉強量を増やしていく——このように、小さな段階を踏んで学習を進めることにより、その達成度を高めるというものです。

習慣化コンサルタントの古川武士氏によれば、行動を「0」から「1」にする “初動” が最もパワーを必要とするのだそう。「勉強に着手するまでは全然やる気がなかったのに、いざ取り組み出したらスムーズに進んでいった」という経験は誰しもあるはず。最初の一歩さえ乗り越えれば、抵抗なく勉強に取り組めるものなのです。

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これをふまえて古川氏は、「初動のハードルを下げること」が習慣化のポイントであると言います。「面倒くさいな」と先延ばししたくなる感情に行動が妨げられないよう、面倒くささを感じなくなるレベルにまで、最初のステップを極力小さくするのです。

「“極力小さく” ってどれぐらい?」と疑問に感じる人は、まず “5分だけ” 取り組む「5分間ルール」から試してみてください。

臨床心理士のアンドレア・ボニオール氏によれば、「5分間ルール」は、認知行動療法で用いられる先延ばし予防の手法。「1時間勉強しよう」だと「あとででいいや……」となりがちですが、「5分だけ勉強しよう」であればできそうな気がしませんか?

もちろん、実際に5分勉強できたら、そのまま時間を延ばしてもかまわないでしょう。簡単に踏み出せる一歩を設定すること。これが習慣化の秘訣です。

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2. If-Then プランニング

「先延ばし癖」があり「マイペースというわけではない」人は、「If-Then プランニング」を試してみましょう。

「If-Then プランニング」とは、「(If)もしXが起きたら、(Then)Yを実行する」というように、どういう状況でどんな行動をとるかを前もって決めておくというもの。ニューヨーク大学の心理学者ピーター・ゴルヴィツァー氏が最初にこの効果を発表しました。

  • 通勤電車に乗ったら、ポッドキャストを聴く
  • ランチを食べ終えたら、海外のニュース記事を読む
  • 就寝する1時間前になったら、ビジネス書を読む

このように「いつ」「どこで」「何を」と決めるだけのシンプルな方法ですが、その効果の絶大さは研究によって証明されています。

英国バース大学の研究者らが、運動習慣を継続させる要因を2週間にわたって分析。その際、248名の被験者を3つのグループに分けました。

  • A. 運動した頻度を記録するだけのグループ
  • B. 運動した頻度を記録し、運動することのメリットを学ぶグループ
  • C. 運動した頻度を記録し、運動することのメリットを学び、かつIf-Then プランニングを実行したグループ

その結果、AとBのグループは、少なくとも週に1回の運動をした人が35~38%に留まったのに対し、If-Then プランニングを実行したCグループは、91%の人が少なくとも週に1回運動していたことが判明。

社会心理学者のハイディ・グラント・ハルバーソン氏の考察によれば、人の脳は「もし○○なら〜〜する」という情報を記憶し、行動へ導くのが得意なのだとか。

あなたも勉強に取り組む “きっかけ” を設定してみてください。勉強する仕組みをつくることで、より習慣化しやすくなるでしょう。

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3. ガントチャートノート

先延ばししないで「すぐ行動できる」し、「計画的なほうだ」という人は、「ガントチャートノート」で達成度を記録するのがおすすめです。

「ガントチャート」とは、仕事でよく利用される「進行状況を管理する表」のこと。縦軸に必要なタスク、横軸に日程を記入し、帯状のグラフを形成するものです。

『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』の著者で現役東大生の片山湧斗氏は、そんなガントチャートを勉強の進捗管理に応用した「ガントチャートノート」を紹介しています。

【ガントチャートノートの例】

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  • 縦軸→参考書や問題集など教材名を記入
  • 横軸→章やページ数など勉強する範囲を記入

このように、勉強がいまどこまで進んでいるのかひとめでわかるのが特徴。これこそが、ガントチャートノートのメリットです。

片山氏によれば、どれくらい頑張ればゴールにたどり着けるのかわからない不安が、勉強に対する心理的負担を重くするそう。しかし、ガントチャートノートを使えば、ゴールと進捗を明確化することが可能。「あとこれぐらいで目標に到達する!」という意識をもてるため、モチベーションを維持できるのです。「昨日はここまでやったから、今日はこれくらいやろう」という具合で、勉強の習慣化につながっていきます。

なお、複数のタスクを同時に管理できるというのも大きなメリット。科目や教材が複数ある場合でも、ガントチャートノートを活用すれば、全体の進み具合を俯瞰しながら管理できます。ぜひ、試してみてくださいね。

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4. 曖昧な目標

先延ばししないで「すぐ行動できる」けれど、「あまり計画的ではない」人は、「曖昧な目標」を立ててみましょう。

「曖昧な目標」とは、その言葉のとおり具体的ではない、ざっくりとした目標のこと。たとえば、「毎日参考書を5ページ進める」といった目標ではなく、「1週間に20~40ページ進める」と目標に幅をもたせることが、モチベーションを保つのに効果的なのです。

米国・ユタ大学の研究で、被験者41名に健康診断を受けてもらい、ふたつのパターンで結果を伝えました。

  • Aグループ→健康診断で出た数値を正確に伝える。
    (例:あなたの体脂肪率は20%です)
  • Bグループ→健康診断で出た数値を、上下に幅をもたせて伝える。
    (例:あなたの体脂肪率は18~22%のあいだです)

3週間後に調査したところ、曖昧に伝えられたBグループのほうが、ダイエットのモチベーションが向上し、より体重減少の傾向が見られたのだとか。

行動心理学の研究者である池田貴将氏は、「緻密すぎる計画を立てると、不測の事態に対応しにくい」と指摘。たとえば、「毎晩9時から問題集を5ページ解く」と決めたとしても、急な残業が入ったり、体調を崩したり……と、予定が狂うこともありますよね。それが「達成できなかった」という失敗体験を生み出し、モチベーションを下げる要因になるのです。

ところが、曖昧な目標では幅をもたせているため、不測の事態が起きても、軌道修正が可能。「帰宅後に問題集を1~5ページ解く」という目標であれば、夜に1ページ解いただけでも目標達成となります。目標の上限だけでなく最低ラインもあるからこそ、挫折感を味わわずに継続できるのです。

計画的に行動するのが苦手な人でも、曖昧な目標なら余裕でクリアできる感覚を味わえるはず。きっと勉強の習慣化につながりますよ。

***
ご自身のタイプに合った習慣化テクは見つかりましたか? 以前より楽に勉強を継続できますように。

(参考)
Springer Link|Programmed Learning
東洋経済オンライン|「勉強や運動」が続かない人が陥りがちな勘違い
Psychology Today|The Surefire First Step to Stop Procrastinating
Psychology Today|The Science of Success: The If-Then Solution
PubMed|Combining motivational and volitional interventions to promote exercise participation: protection motivation theory and implementation intentions
JAMES CLEAR|Achieve Your Goals: Research Reveals a Simple Trick That Doubles Your Chances for Success
Edutopia|Nine Things Successful People Do Differently
コトバンク|ガントチャート
東洋経済オンライン|勉強を心折れず継続できる「東大生」凄いノート術
SAGE journals|In Praise of Vagueness: Malleability of Vague Information as a Performance Booster
池谷裕二, 林成之, 池田貴将, 本田真美, 菅原洋平 監修(2019),『脳が喜ぶ最強の勉強法』, 洋泉社.

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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