プロが教えてくれた文章力最速習得法——え、たったこれだけでいいんですか!?

「文章に苦手意識を持ったまま大人になってしまった……」 「文章力って、生まれ持ったセンスがものを言うのでは……」 こんな悩みや疑問をお持ちの方も多いはず。今から文章力を伸ばしたいと思ったところで、本当に伸ばしていくことはできるのでしょうか。

答えはYES。思考のフレームワーク文章の型を上手に活用する術を知れば、今からでも伸ばしていけるのです。

編集部は今回、StudyHacker主催の公開セミナー『文章力を最速で習得! 文章がすらすら書けるようになるライティング講座』に参加してきました。講師を務められたのは、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』(日本実業出版社)や『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(同)など著書多数、ライティングや出版関係のセミナーも精力的に主催されている、“文章術の専門家” 山口拓朗さん。文章力アップのための「3つの方法」を教えてくれました。

【1】脳内アンテナを張って “情報収集力” を上げる!

文章が苦手な人には2つのタイプがある。編集部が以前実施したインタビューで、山口さんはこう話しています。そのひとつが、そもそも何を書けばいいのかわからない「頭が真っ白」タイプです。インプットや情報収集が明らかに不足している、“書く材料を何も持っていない” 状態では、いくら文章をひねり出そうとしたところで何も出てきません。

そこで山口さんは、情報収集のための “脳内アンテナ” を張るために「3×3のフレーム」を使うことをすすめています。

中央に書くのは、ずばり文章にしたい内容。例えば、文章セミナーに参加した感想をブログに綴りたいようなら、中央のマスに「文章セミナーで得たいもの」のように記入します。次に、①〜⑧のマスに「論理的な文章を書く方法は?」「共感を誘う文章を書く方法は?」「スピーディに文章を書く方法は?」……のように「問い」を書き出しておく(=脳に “意識のアンテナ” を立てる)のです。するとセミナー受講中に、書き出した「問い」の答えが次々に頭に飛び込んでくるようになる、つまり情報収集の感度が高まるのだといいます。

心理学的には、これを「カラーバス効果」(color:色、bath:浴びる)といいます。たとえば「自宅から最寄り駅までの間で、赤色のものを見つける」という意識のもと道を歩いてみると、普段はまったく気にしてこなかった赤色の物がたくさん目に飛び込んでくるようになるはず。

文章にしたいテーマがあったら、ぜひ「3×3のフレーム」の中央に積極的に書き出してみましょう。情報収集力が高まり、文章を書くときに使える素材がどんどん集まってくるようになるはずです。

【2】自問自答を繰り返して、“使える素材” を自分の中から掘り出す!

もうひとつ、素材を集める方法として山口さんが教えてくれたのが「自問自答」です。“文章を書く” とは、自問自答し続けることである。山口さんはセミナーの中でそう断言しています。自らに問いを投げかけることで、自分の内側にある “使える情報” を掘り出していくことが可能になるのだそう。そして自問する際は、以下の5W3Hを意識するべきといいます。この中でも特に「Why」という質問は有効で、繰り返してことで本質を掘り下げていくことができるようになるとのこと。

【自問に役立つ5W3H】 Who(誰が / どんな人が) What(何を / どんなことを / どんなものを) When(いつ どんなときに) Where(どこで / どこに / どこへ / どこから) Why(どうして / なんのために) How(どんなふうに / どうやって) How many(どのくらい) How much(いくら)

例えば「おすすめの〇〇を人に紹介する」ための文章を書きたい場合、皆さんはどのように自問自答しますか? 「一番の魅力はどんなところ?」「魅力に気づいたきっかけはいつ?」「なぜほかの△△ではなくて〇〇をおすすめするの?」「値段は?」などなど、いくらでも思いつくはずです。このように問いを投げかけ続けることで、文章を書くための素材が着実に集まっていきますよ。

【3】今すぐ使える! 文章の2つの「型」

ここからは、文章が苦手な人のもうひとつのタイプ、「書くべき情報は持っているものの、文章を上手に組み立てられない」という状態を克服するための方法についてです。

素材は集めた。書きたい情報も手元にある。でも、なぜか文章が支離滅裂になってしまう……。こんなときは「文章の型」を使えば解決できると、山口さんはいいます。セミナーで取り上げられた2つの型をご紹介しましょう。

1. 結論優先型

結論理由・根拠具体例まとめ の流れで書く形式です。「結論を先に」が大前提であるビジネスシーンのほか、ロジカルに人を説得させたい場面で使えます。ここでのポイントは具体例を充実させること。文章の説得力が増していきます。

<例> 【結論】 風邪は、引き始めが肝心です。「風邪かな?」と思ったときは、できる限り早く体を温めましょう。【理由・根拠】 なぜなら、体を温めると免疫力が上がるからです。体温が平熱より1℃上がると、免疫力が5倍になるそうです。【具体例】 体を温めるには、重ね着をしたり、熱いタオルで首の後ろを温めたりする方法が有効です。また、熱いお湯を入れたバケツに片足ずつ足を入れる「足湯」を、ふくらはぎが真っ赤になるまでくり返すのもお勧めです。食欲があるようなら、ショウガとネギを入れた味噌雑炊を食べるのもいいでしょう。体が芯から温まります。【まとめ】 風邪の引き始めでムリをすると、こじらせて重症化してしまう恐れがあります。引き始めで確実にケアしておきましょう。

2. ストーリー型

まずは、こちらの例文をお読みください。

僕はサッカーをしています。チーム一のストライカーです。ドリブルで切り込んで得点を決めるスタイルで、今年の春には県大会5試合で8得点を記録。チームを全国大会出場へと導きました。やっぱり「自分の武器を磨くこと」は大切なんですね。

どうでしょう、心に響いてくるでしょうか……? なんだか “普通の文章” で、あまり印象には残りませんよね。相手の感情に訴えかける良い文章を書きたい場合、使うべきが 発端(マイナス)転機成長未来 の4ステップからなる「ストーリー型」です。

テレビドラマなどでも、ストーリーは主人公が何かしらのマイナス(失敗や課題や不満など)を抱えた状態から始まりますよね。そこから、人生を変えるような転機を経験して未来へ向かって成長していくという過程が、多くの視聴者にウケるわけです。一切の不を抱えていない順風満帆な安泰サラリーマンを主人公にしたところで誰も興味を持たないように、抑揚があるからこそストーリーはおもしろくなります

例えば、先ほどの例文の中のサッカー少年が「チームの中で最も背が低く華奢で、はじめは万年補欠状態だった」としたら? 「新任のコーチとの出会いで、ドリブル技術を磨くことを決意した」としたら? そして「1年後にはチーム一のストライカーになるまでに成長した」としたら? こういったエピソードを盛り込むことで、文章は圧倒的に “読者の心を惹きつけるもの” になります。

参加者の声

セミナー内容について、参加者全員が「非常によかった」または「よかった」と回答! 参加者の声の一部をお届けします。

*** セミナーの最後に、山口さんは「文章力は『基本+量』によって上達していく」と力強く述べてくださいました。今回のレポート記事でご紹介したのは「基本」の部分。これらを守りながら量をこなしていけば、ただ我流で文章を練習するのに比べて、文章力の伸び率も格段に違ってくるはずです!

そしてStudyHackerでは、今後もスキルアップに役立つセミナーを定期的に開催していく予定です。セミナー情報は、Facebookグループ「StudyHacker Square」にて随時配信していきますので、この機会にぜひ参加をお願いいたします!

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