仕事や勉強の最中、お腹がすくとイライラしてしまう。かと言って、空腹を避けようと食事をたっぷりとると、食後の眠気に襲われて作業が手につかない。このようなことでお悩みではありませんか。

「腹が減っては戦はできぬ」という言葉がある通り、三食きちんと食べることが重要であるのは言うまでもないこと。ですが、満腹による眠気でデスクワークに支障が出るようでは、上手な食べ方ができていないのかもしれません。

そこで今回提案するのは、空腹感を上手に使って仕事や勉強を効率化する方法です。実は、空腹には仕事や勉強をはかどらせる様々な効果があります。上手な食べ方のコツもお伝えしますよ。詳しく紹介しましょう。

食後に眠くなる理由

食事をとると眠くなることがありますね。特に、昼食後の眠気に悩まされている方は多いでしょう。これはいったいどうしてなのでしょうか。

通常、食後に血液中のブドウ糖量が上昇します。これが、よく言われる「血糖値の上昇」というもの。そうすると、血糖値を元に戻そうとして、膵臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖が筋肉や脂肪に吸収されます。この働きによって、血糖値の低下が引き起こされるのです。

食後の血糖値の急上昇と、それに伴う血糖値の急低下。これが、満腹時に集中できなくなる理由です。肉食動物は狩りの後に眠るという習性があるのですが、これも血糖値の急激な低下によるものなのだそう。

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空腹のメリット

冒頭で、空腹には仕事や勉強をはかどらせる様々な効果があると述べましたが、その具体的な内容についてご紹介します。空腹であることのメリットは何なのでしょうか?

1. 記憶力が高まる

空腹のメリットの1つ目は、記憶力が高まるということ。そのカギを握るのは「グレリン」という物質です。世の中では食欲促進ホルモンとも言われているもので、私たちは胃からグレリンが分泌されることによって空腹感を感じるようになります。

グレリンは、分泌されると新しい脳細胞の成長を促進し、さらに脳細胞を老化から守る働きがあるそうです。このことは、断食をすると知力が鋭くなるということの裏付けになるのではないかともいわれています。また、ある実験によると、グレリンを投与されたマウスの脳内ではニューロン結合が増加したとみられ、学習効果、記憶テストの成績が上昇したのだそう。グレリンには、認知能力を高める効果があると言えるのです。

2. 集中力が高まる

もしかすると、読者の皆さんの中には、「空腹時にはイライラするので、とても集中などできない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし実は、空腹によるイライラは集中力を高めるのに最適なもの

というのも、動物はもともと、飢餓状態になると集中力と緊張感が高まる生き物だから。飢餓状態におかれた動物の脳の中では、「血糖値が下がっている! 獲物を捕まえろ!」という指令が出されます。それによって集中力と緊張感がもたらされるのです。

仕事や勉強にもこのような飢餓状態を導入すると、生産性を伸ばすことができます。たとえば、空腹時に「この書類を作り終えたら、ご飯を食べよう」と決めてみましょう。書類作成に集中できて仕事の効率がアップしますよ。

具体的にどうすればいいのか?

以上のように、空腹は仕事や勉強の生産性を高めるのに効果的です。ではここからは、空腹感と上手に付き合いながら空腹の効果を得る方法を3つ紹介します。

1. 朝食を食べる前に本を読む・勉強をする

忙しい社会人や学生の皆さんにおすすめなのが、朝活。朝食を食べる前に、本を読んだり勉強をしたりしてみてはいかがでしょうか。朝食前は当然、お腹がすいていますよね。その空腹感を利用して集中力を得ることを狙うのです。

仕事や学校が始まるまでのプライベートの時間を、眠いからと言ってダラダラ過ごすより、読書や勉強を行ったほうがより有意義に時間を使えるのは言うまでもないこと。朝から活動をしたという充実感からよい気分で一日をスタートできるでしょう。

昼食前や夕食前ももちろん空腹な時間帯ではありますが、自分のために時間を効率よく使えるという点で、朝活を強くお勧めします。

2. 炭水化物を肉や野菜に変える

いくら空腹がいいとは言え、実際には食事を欠かすことはできませんし、空腹でばかりいたら辛いもの。それなら食事の内容をちょっと変えるというアプローチはいかがでしょう。炭水化物を肉や野菜に変えてみるのです。

食後に血糖値が急上昇し、その後インスリンの分泌により血糖値が急降下するのが、食後の眠気の原因なのでしたね。そこで、炭水化物や糖類などの血糖値を急上昇させる食べ物を控え、肉や野菜といった血糖値を急上昇させない食べ物を食べるようにしてみてください。

同様の意味で、おやつに甘いものを食べがちな方は、間食の取り方に注意してください。コーヒーをよく飲む方は甘いものが欲しくなることもあるかもしれません。飲み物を水やお茶に変えるといいでしょう。

3. エナジードリンクの飲み方に気を付ける

忙しい学生や社会人の方の中には、食事をとる暇もなく、とりあえずエナジードリンクを飲んで仕事や勉強に取り掛かる方も多くいるのではないでしょうか。お腹がすいていてもエナジードリンクを飲めば、どうにか一時しのぎができますよね。しかし、このエナジードリンクの摂取が落とし穴になります。

確かに、エナジードリンクを飲んで30分間の間は、血液中の血糖値がグーンと上がります。エナジードリンクに含まれるカフェインなどの効果も相まって、その間は作業効率が上昇します。しかし、エナジードリンクを飲んで30分後からはインスリンが分泌され、血糖値が急降下し脳は停滞期に入ってしまうのです。

つまり、エナジードリンクによって一時の集中力と効率性を得ることはできますが、その後の血糖値の急激な低下によって集中力が落ち、その結果すぐにイライラしたりクリエイティビティまでもが落ちたりしてしまいます。エナジードリンクにはあまり頼り過ぎないほうがいいでしょう。

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空腹だからといってイライラしているばかりではもったいないものです。上手に空腹感を活用し、仕事や勉強の効率をアップさせてくださいね。

(参考)
PHP Online衆知|空腹時こそ最大のパフォーマンスが発揮できる
中里雅光(2003),「胃から発見された摂食亢進ペプチド:グレリン」,第124回日本医学会シンポジウム,No.2,pp.45-52.
科学検定|【科学ニュース】“空腹ホルモン”が脳細胞の成長を促進!?
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