脳の萎縮は30代から? 10年後も20年後も知的に働きたいなら「脚力」を強化せよ

以前より、身体活動が「脳」に有益な効果をもたらすことが示されていましたが、新しい研究では、「脚の力」を鍛えることで知的機能の後退的変化を防げることが示されました。

ストレスを強く感じている方や、デスクワークが中心で運動不足を心配されている方、そして、「将来はこうなりたい」というビジョンを胸に前進している方に、脚の力を鍛え、10年後も20年後も、さらにそれ以降も、知的機能を維持し続けるコツをご紹介します。

30代から始まる脳の委縮

まだ若いから大丈夫と思っていても、一般的には30代くらいから少しずつ脳の萎縮が始まるそう。脳の委縮は、知的機能の低下と相関している場合が多い脳の変化です。

しかし、いくつかの神経細胞が脱落しても、残った神経細胞が新たな経路をつくるため、脳の機能はそうそう簡単には失われないとのこと。それに、脳の海馬では、高齢者の脳でも神経細胞が生まれていると明らかにされています。

だからといって、脳の委縮は決して歓迎できるものではありませんよね。それに、加齢だけではなく、ストレスや大量の飲酒でも脳は委縮すると考えられています。特にストレスは、仕事や人生において加齢と同じく避けられません。

そんななか、また新たな研究が、ストレスにさらされているビジネスパーソンに光明をもたらしてくれました。

運動は脳の委縮を食い止める

2016年に神経学会誌のオンライン版で発表された、米ボストン大学などの研究では、運動によって脳の萎縮を食い止められる可能性があると分かりました。ランニングマシンや磁気共鳴断層撮影(MRI)装置などを用い、平均年齢40歳の約1500人に実施したテストを、20年後に再テストして発見したとのこと。

筋肉トレーニングで記憶力アップ

また、2014年発表の、米ジョージア工科大学が46人の被験者を対象に行った研究では、20分間の筋肉トレーニングで、記憶力が10%ほど向上したそうです。

被験者は90枚の写真を見せられたあと、2つのグループに分けられました。一方のグループは脚の筋肉トレーニングを行い、もう一方のグループは椅子に座ったまま過ごしたそう。それから2日後、前回の写真90枚に、新しい写真90枚を混ぜた計180枚の写真を被験者に見せ、どの写真を覚えているか答えてもらった結果、トレーニングを行なったグループは、座っていたグループよりも10%増で写真を覚えていたそうです。

この結果は、記憶の定着を促す「ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)」という神経伝達物質が、トレーニングにより分泌されたせいではないかと考えられています。

脚力を強化すれば知的機能を維持できる

そして、老年学会雑誌Gerontologyのオンライン版に2015年11月10日付で掲載されたキングス・カレッジ・ロンドンの研究では、どの生活習慣因子よりも、脚の力が認知機能(思考、学習、記憶などの知的機能)低下を防ぐと分かったそうです。

この研究は1999年から10年間にわたり、健康な女性の双子からなる324人で行われたもので、研究の始めと終わりの両方で思考、学習、記憶を測定し示されました。双子を被験者にしたのは、遺伝的要因からの影響を制御するためです。つまり、遺伝ほか多くの要素を共有する双子でも、脚力の違いで脳構造の違いが生じていたということ。

からだ全体を鍛えるとなると大変ですが、脚の力に集中し鍛えることで、脳機能を維持できる可能性が示されたのは嬉しいことかもしれません。なぜならば、脚は人間のからだの中で、もっとも強くて大きな筋肉「大腿四頭筋」を含む場所なので、効率的に鍛えられるからです。

デスクワーカーも職場で脚力を鍛えられる方法

脚の筋肉を鍛える方法は、トレーニング機器や、スクワット、ヒップレイズ・ヒップリフト、ウォーキングや自転車など色々ありますが、運動習慣がない多忙なビジネスパーソンにおすすめしたいのは、職場でもできる「椅子でスクワット」です。デスクワークのさなか用事や休憩で立ち上がる際に、ちょっと立ち上がり方や座り方を工夫するだけ。コツは次のとおりです。

1.椅子から立ち上がるとき、お尻を少し前方にずらす(このときは手をついてもOK) 2.立ち上がる際は、デスクにも、椅子の座にも、太ももにも、どこにも手をつかない 3.勢いをつけて立ち上がらない(筋肉負荷が減るから) 4.ゆっくりと姿勢よく、(どこにも手をつかず)まっすぐ上に伸びるように立ち上がる 5.座るときも、(どこにも手をつかず)姿勢よく、ゆっくり座る

実践してみると、ものすごく太ももやお尻に負荷がかかると分かるはず。職場だけではなく、外食事やご自宅、電車やバスの中でもできますよ!

*** 運動は脳のみならず、からだの健康にも大きな利益をもたらします。大きな夢があり、明確なビジョンがあっても、心身の健康を維持できなければ夢が遠のいてしまいます。ぜひ、脚の力を強化して、10年後も20年後も活躍してくださいね。

(参考) King's College London|Fitter legs linked to a 'fitter' brain 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)|脳の形態の変化 東邦大学|生物学科|ストレスと脳 CNN.co.jp|脳の萎縮予防、中年期の運動が決め手に Study hacker|筋トレで記憶力がアップする。脳も鍛えてくれる偉大な『筋トレ』のチカラ。 e-ヘルスネット(厚生労働省)|アルコールと認知症 Wikipedia|大腿四頭筋

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