覚えたいのに覚えられない、試験近いのに暗記が間に合わない。そんな経験は誰にでもありますよね。今回は、今すぐ実践出来る記憶力UP法、「感情記憶法」をお教えします。
これはその名の通り喜怒哀楽を伴う記憶法のこと。京大卒お笑い芸人であるロザンの宇治原さんが「暗記は、感情を伴う形で覚えるといい」とアドバイスするくらい、この方法はお墨付き。今回はそんな感情記憶法について紹介していきます。
記憶のしくみ
先ずは人間の記憶の仕組みについておさらいしましょう。 人間の記憶は、15〜30秒程度しか保持出来ない短期記憶と、半永久的に保持される長期記憶があることは知られています。何らかの理由で手術をして脳の海馬を切除した場合、その後新しい記憶ができなくなることが分かっているように、記憶は脳の海馬と大きな関係があります。その海馬には二つの役割があり、一つ目は短期的に記憶すること、二つ目は情報の重要性を判断すること。つまり、海馬が「この情報は重要!」とジャッジしたら、長期記憶に移行するわけです。この働きは見逃せませんね。
海馬に印象づける、「感情記憶」
海馬に、「この記憶は重要だ!すぐに忘れてはいけない!」と思わせるにはいくつかの方法があります。代表的なのは反復。何度も繰り返し同じ情報を出し入れすることで、「この情報は重要なんだな」と認識します。
そしてもう一つが今回ご紹介する「感情」を伴った情報です。海馬が情報を選んでいる時、扁桃体から強い働きかけがあればその印象とセットになって長期記憶に移行します。扁桃体は霊長類や高等せきつい動物しか持っていない、情動、つまり感情を司る部分です。情報とともにこの扁桃体が刺激されることで、情報は長期記憶になりやすくなるのですね。 たとえば、「311」「911」という数字を見ただけで、特定の日の光景が目に浮かぶ人は多いでしょう。それはその情報に触れていた時に大きく感情が揺さぶられたからです。 では次に、具体的に感情記憶の方法について見てみましょう。
how to 感情記憶?
1.コメントを付ける 何かを記憶したい時。ただ読んだり書いたりしていても、あまり効果は得られません。そこで行き詰ったらまずはコメントをつけてみましょう。このコメントは漠然としたもので大丈夫!例えば数学の公式を勉強する時は「かっこいい」や「テクニシャンだな~」等。とにかく、感情を交えてコメントするのが大切です。
2.学習や勉強に関する本や漫画を読む ここでいう本は小説のこと。本や漫画はキャラクターに感情移入しやすく、無理に感情をのせにいく必要がありません。例えば英単語の勉強をしたい時は、英語でかかれた本や漫画を読む。現在では数多くの勉強用の本や漫画が出版されています。また最近では、「まんがでわかるドラッガー」「まんがでわかる7つの習慣」などもありますが、そちらも簡単で分かりやすいだけではなく、ストーリー仕立てになっているために感情移入ができ、記憶に残りやすくなっています。
苦手な内容であれば、こういった方法を活用してみてはいかがでしょうか?
3.音楽を聴きながら勉強をする 本や漫画を読んでも勉強した気にならない、と思う人も大勢いるはず。最後に感情を簡単にのせる方法を紹介します。その方法とは、音楽を聴きながら勉強すること。音楽を聴いていて感情がのらないことはないはず!ポップな曲なら楽しく、寂しいメロディーなら悲しくなりますよね?そうです!その感情をうまく使って覚えていこう、というものです。
以上のように、感情記憶を実行するにはいくつもの方法があります。「大好きな彼氏or彼女と問題の出し合いっこをした」(幸せな感情)、「試験で間違えた」(悲しい感情)などがあれば、長期記憶に移行する可能性は大です。ぜひ自分でも、どんな状況や場面であれば感情と結びつけるか、考えてみてくださいね。
参考: 脳と記憶の仕組み 記憶術のやり方 暗記する方法のまとめ 脳と心のハンドブック あなたの中の天才を目覚めさせる方法 記憶法&発想法