皆さんは、自己投資にお金を使っていますか? 例えばセミナーに行ったり英語を勉強したり、本を読んだりなど。自己投資のかたちはさまざまですが、どれも高いお金と引き換えに、知識を手に入れ自己能力を高めるといった目的は一緒ですよね。
しかし、「10万円も20万円もセミナーや語学スクールに支払うなんて馬鹿らしい! だったら海外旅行に行きたい!」と思う人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな自己投資に否定的な人に対して、「長期的に見れば自己投資が生み出す利益は、高額な費用を上回る」ことを、統計データを用いてご説明します。また、そこから私たちが自己投資をするべき理由について考えてみたいと思います。
貯金よりも、自己投資
困ったときに備えて貯金しなきゃ……。そう考える人は多いと思います。
しかし、自動車会社フォード・モーターの創設者ヘンリー・フォードは、若いうちは貯金をする必要がないといいます。
年寄りは若いときに貯金をしろと言うが、それは間違っている。最後の一銭まで貯めようなどと考えたらいけない。自分に投資しなさい。私は40歳になるまで、1ドルたりとも貯金したことがない。財産は来るもので、作るものではない。
投資格言DB|ヘンリー・フォードの名言・格言|若い時は貯金をせずに自己投資しろ
もちろん、貯金があることに越したことはありません。しかし、それで自己投資にまわすお金がなくなってしまうなら、貯金という選択は間違いだといえます。自己投資をしないことによって、あなたが潜在的に稼げる量が想像以上に減り、長期的には貯蓄の額が小さくなってしまうからです。
過小評価される自己投資の「本当の値段」
では具体的に、なぜ貯蓄より自己投資に価値があるといえるのでしょうか?
一つの例として、英語を考えてみましょう。 管理職およびプロフェッショナル人材などの紹介を行うエンワールド・ジャパン株式会社は、バイリンガルの求職者4,085名を対象に「給料と英語力の関係」について調査を行いました。それによると、40代以上で英語力がある人材の平均給与は、国内平均の2倍以上なのだとか。つまり、40代以上の平均年収が500万円程度である一方で、英語力がある人は1000万円に達しているのです。もちろん、英語ができる人がそれ以外のスキルも高いとか、そもそも能力が高いのでその一部として英語「も」できるとか、そういう傾向もあるかもしれませんが、収入差が2倍ともなれば、英語に対する投資が十分なリターンを期待させるものであると言えそうです。
仮に、500万円の収入差が40代の10年間しっかり存在するとするなら、10年での差額は5000万円。これなら、実際は話が100分の1の規模であったとしても、英会話学校の費用くらいは簡単に捻出できそうです。
財産は来るもので、作るものではない
以上のからも、自己投資は私たちが想像しているよりもはるかに多くの金銭的潜在価値を持っています。「貯金よりも、自己投資」と言ったフォードの真意をご理解できたのではないでしょうか?
自分自身の能力を高める自己投資。ただ学歴を身につけるだけで、実際に能力が身に付いていなければもちそんその効果は限定的です。でも、もし自分の能力を大きく高めることができるのであれば、貯金をすることによって作れる財産より遥かに多くのものを自分のものにすることができるでしょう。
成功するかどうかということは、確かにコントロールできないものです。ですが、自分の能力を高めるかどうかという部分は、自分でコントロールすることができます。自分の能力を高めることは、その意志をもって時間や費用を投資することによってのみ生まれるもの。「運良くスキルが身に付いた」などということはないのです。
*** 自己投資の価値についてご紹介いたしました。いずれは明確な数字となって自分にかえってくるものなので、ある意味「投資」のなかではもっとも優良といえるのではないでしょうか。学位をとるための投資はもちろんのこと、いつか起業することを考えているならば、多くのセミナーに参加し、成功者が書いた本などに投資してみるのも良いでしょう。もしくは、外交官や国連のスタッフを目指すならば、英語をはじめさまざまな言語を学ぶことにどんどん投資していくべきです。皆さんも、未来の自分の価値を高めるために、ぜひ自己投資してみましょう。
(参考) 投資格言DB|ヘンリー・フォードの名言・格言|若い時は貯金をせずに自己投資しろ PR TIMES|日本と韓国における英語力が給与に与える影響 労働政策研究・研修機構(JILPT)|ユースフル労働統計2016 ―労働統計加工指標集― 医師転職相談センター|医師の生涯年収っていくらかご存知ですか?