知ってるだけでは価値はない! 知識を実行に移すための「GTD式」読書術

ビジネスパーソン、学生問わず、読書の必要性を感じている方は多いでしょう。

本屋に行けば、スキルアップ、より豊かな対人関係、ダイエットなど、さまざまな目的に役立つ本が並んでいます。たった1500円ほどでその道の専門家や成功者が知恵を絞って執筆した文章が読めるこの時代。有効に活用すれば、大きな成果に繋がるでしょう。

ここで質問です。本で読んだ内容を、きちんと実践できているでしょうか?

本を読み終えた直後は「やるぞ!」という気持ちになって、なんだか明日からの自分を180度変えられそうな気さえしてくるもの。しかし、いざ今まで読んだ本を実践しているかと聞かれると、「そういえばできていない……」という方が多いのではないでしょうか?

せっかく時間をかけて読んだ以上は、何としても実践に移して成果を出したいですよね。そこで今回は、実践して成果を出すための読書術をご紹介いたします。

実践することの重要さ

例えば、営業に活かすために交渉術の本を読んだとします。読み終えた直後は、「さあやるぞ!」と思い、自分の営業能力が向上したように思いますよね。

しかし、いざ営業でお客さんを目の前にしたとき、読書で身につけた知識を活用しようと考えても頭は真っ白。お客さんを前にしてじっくり考えられるはずもなく、結局いつも通りになってしまう。営業ではなくとも、似たような経験がある方は多いはずです。

いくら本で学んだところで、実践の中で自分のものにしないと、学んだことが無駄になってしまうこともあるでしょう。京セラや第二電電(現KDDI)などを創業し、日本航空を再建した稲盛和夫さんは、著書『生き方―人間として一番大切なこと』の中で次のように書かれています。

情報社会となり知識偏重の時代となって、「知っていればできる」と思う人もふえてきたようですが、それは大きな間違いです。「できる」と「している」の間には、深くて大きな溝がある。それを埋めてくれるのが、現場での経験なのです。

(引用元:稲盛和夫(2004)「生き方―人間として一番大切なこと」, サンマーク出版)

知識を入れるだけでなく、いかにして現場での経験を積むか。これが重要なのです。

読書をしても実践できない原因は、知識を活用できる形にしておかなかったこと、そもそも実践の場でとっさに思い出せないこと。これらを乗り越えれば、稲盛和夫さんの言う「現場での経験」を積むことができるのです。

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実践する内容を具体的に決めて、スケジュールへ組み込む

では、一体どうすれば読書で得た知識を実践することができるのでしょうか?

鍵になるのは“GTD”。これはデビッド・アレンさんの、ライフハックの中でも代表的な名著『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』で述べられている方法論です。

アレンは、われわれの頭や心理にある「思い出すシステム」は非効率で、その時その場所ですべきことを思い出すことはめったにないという。よって、「信頼できるシステム」の文脈にしたがって、すべき仕事を紙や電子機器に書き出して蓄積した「次の行動リスト」はわれわれの心を外側から支援する役割を果たし、われわれが正しいときに正しいことを思い出すことを確実にしてくれる。

(引用元:Wikipedia|Getting Things Done

今すぐに実行可能なものでなくとも、スケジュールへ組み込むことで頭から追い出すことは可能になります。そして、この考え方こそが、面倒に思わず読書をアウトプットするために重要な作業となるのです。

読書して「今日中に実践しよう」と思っても、結局実践できずに終わってしまうこともありますよね。1日中アウトプットする内容を頭に留めておくのはとても疲れるもの。そこで、以下の方法を試してみましょう。

1.読書時間を30分に制限し、目次を見て興味をそそられる箇所を読み、1つだけポイントを抜き出す。 1冊の本の内容を一気に実行するのは難しいため、まずは1つだけ実行するようにしましょう。

2.「いつ、どこで、どのようにして実践するのか」を決め、本を読みおえた直後にスケジュールアプリに書いておく。 このとき、リマインダーをセットしておくことも忘れないようにしましょう。

例えば、営業のコツについての本を読んで、その内容を身につけたいとき。 まずストップウォッチなどで30分を計り、できるだけたくさん読むようにします。その後、「今日か明日の予定で、この内容の中で活かせるものはないか」と考えましょう。

その日の夜にお客様と会う予定が入っているのなら、スケジュールアプリの「19:00~お客様と会う」という欄の横に、「笑顔で接する!」と書いておきます。その上で、予定の開始10分前にリマインドを設定しておくのです。

そうすると、お客様と会う前にスマホを見て「笑顔で接する!」とリマインドが来ます。その直後にお客様と会うことになるので、忘れないうちに実践の場で活かすことができるでしょう。

また、スケジュールのメモの欄に、書き込んだときの気持ちを書いておくと絶対に実行しようと思えます。 例えば、「営業成績が先月より下がって危機感を覚えたから」と書いておけば、実践の10分前にそのときの感情も思い出せるので、実践できる可能性がより高まりますね。

普段は実践できない本の内容を実践できると、充実した気分になってとても気持ちいいですよ。

*** 「読んだらスケジュールへ」 これを習慣化するだけで、あなたの読書ライフはより楽しく、実りあるものになるでしょう。 もちろん、これはWEBの記事にも言えること。もしこの方法を試そうと思ってくれた方は、次に読書しようとしている時間に「30分で読んでスケジュールへ」とリマインド付きの予定を入れると、この記事の内容を実行することができるでしょう。

普段なら関心しても右から左へサーッと流れてしまう情報を、ガッチリ掴めるこの方法。ぜひ試してみてください。

(参考) 稲盛和夫(2004),「生き方―人間として一番大切なこと」, サンマーク出版 稲盛和夫OFFICIAL SITE Wikipedia|Getting Things Done デビッド・アレン(2008),「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」, 二見書房

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