劣等感は思い込み。自分をたいせつにするための劣等感の取り去り方

会社や学校などで、ついいつも周囲の人と自分を比べて劣等感を抱いてしまう、なんてことはありませんか? 特に成績や給与など、明確な数値として現れるものはなおさら他人と比較しがち。いったん劣等感が生まれると自分に自信がもてなくなり、その場にいることさえ辛くなってしまいますよね。

どうしても、周囲の人よりも自分が劣っていると考えてしまう、自分自身にウンザリする。スキルアップして自信をもてるような人間になりたいけれど、仕事や学業で忙しいなか、一体どうしたら良いのかわからない。そんな皆さんに、とっておきの「劣等感克服法」をいくつかご紹介します。

なぜ劣等感を抱くのか

実のところ劣等感は、ほとんどが「比較」によって生み出されているといっても過言ではありません。誰かと自分を比べ、自分自身が思い込むことによってはじまります。そこにあるのは主観性だけで、客観性は存在していないにもかかわらず、誰もが考えていることだと自分で思い込んでしまうのです。

また、物事をネガティブに捉えやすかったり、理想が高く完璧主義な性格であったりする場合にも劣等感を感じやすいといわれています。そのほか、幼少期の環境や、子供のころ親から受けた言葉が原因となって、劣等感が生まれるケースもあるそうです。記憶のなかに植え付けられた、無意識の劣等感というものです

劣等感を知り、向き合う

「劣等感」という言葉は、20世紀初めに、かの有名な心理学者アドラーによって広められました。 常に悪者扱いされてしまう劣等感ですが、その存在にも意味があるとアドラーはいっています。例えば高すぎる壁にぶつかってしまったとき、「どうせやっても無駄だ」と考えて行動を控え、楽に過ごすことを可能にしてくれます。あるいは多大な努力をしたにもかかわらず今ひとつの結果しか出なかったとき、「どうせ私なんか」と先に自分を否定し、傷つくことから身を守ってくれます。このように考えると、劣等感というのは、自分の勇み足をゆるめてくれたり、あらゆることのクッションになってくれたりするものなのかもしれません。

とはいえ、前向きな解釈だけで劣等感を克服することはできません。そしてまた、親からの影響で植え付けられた劣等感は根が深そうだし、比べるなと言われても、比べてしまうのが人というものですよね。

だからこそ、背を向けていた劣等感に向き合い、それを直視することが大切になってきます。そこから自己否定で自身を攻撃することをやめ、過去から蓄積された劣等感とその思考を、地道に地道に修正していけばいいのです。そうすれば、これ以上過剰に苦しむ必要もなくなるはずです。その方法を3つご紹介していきましょう。

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方法その1:セルフイメージを高める

自分自身を過小評価していては何も変わりません。そこで自分を認め、やる気と元気で成功していく、とっておきの方法があります。それは「自分の中の一流」を確立することです。

どんな小さなことでも構いません。ご自身のこだわっていること、少しでも得意なことをひとつ選んで、それを極めてみてください。それを通じて小さな成功例を積み上げていくことによって、自信がもてるようになるはずです。また、一流を極めることで同時に、自分自身の質そのものも高めていくことができるでしょう。

方法その2:完璧を目指さない

自分の不完全さを認めてあげましょう。世の中に完璧な人など存在しません。英国『エコノミスト』誌において「世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタント」と評されたスティーブン・R・コヴィー氏は、自身の著書『7つの習慣(The 7 Habits of Highly Effective People)』のなかで、シナジーを創り出すことについて言及しています(第6の習慣)。

第六の習慣:シナジーを創り出す 多様性を活かし、創造的に協力することで、革新的な解決策を生み出す。

(引用元:人材育成・研修のリクルートマネジメントソリューションズ|7つの習慣とは

つまり、自分に足りていない部分は状況に応じて他の人が補ってくれるので、無理して完璧を目指す必要などないのです。

隣の芝は青く見えるものですが、自分にとって完璧に見える人にも必ずひとつやふたつ、コンプレックスがあるはずです。そして、それは相手の立場になってみないと決してわかり得ないこと。よって、人を羨む心なんて必要ないのです。

方法その3:自分の主観から離れる

私は大学内にいる時、周りに帰国子女が多いせいか「英語は完璧に喋れて当然なものだ」と思っていました。そのため、友人と英語で話している際に、少しでも自分のいいたいことがスムーズに話せないことがあると、すぐに劣等感を抱いてしまう傾向にありました。しかし、友人とグアムに旅行した際、その考えは一変しました。現地の人と英語で会話していると「君はどこの国に留学していたの?」「本当に日本から来たの?」と口々にいわれたのです。それなりに流暢に話せることや発音が良いことを、とても褒めてもらえました。

そんなことがあり、それまでは全く自信がもてなかった自分の英語力は、自分が思っていたより高いのだと知ることができたのです。そして、自分で悩みもがいていたことは、取るに足らないことだと思うようになりました。

このように、自信を失い行き詰った時には、もっと大きな視点で物事を捉えたり、高いところから眺めてみたら良いのではないでしょうか。また、物事をもっと楽観的に考えられるようになれば、気持ちも楽になると思います。

*** 富士山の頂上から眺めてみれば、自分の悩み事なんてとてもちっぽけなものです。誰もが聞きなれた歌の歌詞にもありますが、「ナンバーワンにならなくていい。もともと特別なオンリーワン」ですよ。ナンバーワンを目指して少し疲れている方は、以上のような劣等感克服法をぜひ実践してみて下さい。

(参考) 岸見一郎・古賀史健著(2013),『嫌われる勇気』,ダイヤモンド社. yomiDr./ヨミドクター|劣等感にモノ申す 人材育成・研修のリクルートマネジメントソリューションズ|7つの習慣とは 日経カレッジカフェ|やる気スイッチを入れよう(13) Wikipedia|スティーブン・R・コヴィー

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