「あえて “団体戦” に持ち込んで、本気度を高める!」 資格Hacker 鈴木秀明のシカクロード for StudyHacker【第17回】

正月気分もすっかり抜けて、いよいよ大学受験・高校受験が本格化してくるシーズンですね。

私自身、毎年この時期は、田舎から大学受験のために東京に出てきて人の多さや地下鉄の複雑さにオロオロしながら大学受験に挑んだ18歳の頃のことを思い出して、なんだかほろ苦い気持ちになってしまいます(笑)。

受験生の家族がしてあげられる、究極のサポートとは!?

さて、受験生の勉強に関しては、受験生自身ががんばるべきなのはもちろんですが、親御さんや家族のサポートも不可欠! ということはよく言われています。

最近では、受験生の子供を持つ親向けの「子供をいい大学に入れる本」「子供にもっと勉強させる本」というような書籍も出ています。そのような本には、受験生に対して家族がしてあげられることとして、「勉強しやすい環境を整えてあげよう」「勉強に効果的な夜食メニューはコレ!」といったことが書いてあったりします。

それはそれでもちろん大事なんですが……、受験生(学生だけでなく、資格試験に挑むお父さんなども含む)の家族が本気で受験生に受かってほしいと願うなら、もっと効果的な究極のサポートのやり方があると私は考えます。

それはズバリ、「家族も一緒にその試験を受けてあげる」ことです!

たとえば、お父さんが仕事で宅建士の試験に合格しなければならないという場合には、お母さんや子供(大学生とか)も一緒に宅建士試験を受けてみる。子供が大学入試に挑むなら、お母さんもいっそ一緒にセンター試験を受けてみる、といったぐあいです。

それはちょっと極端すぎるのでは……、と感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、これには以下に挙げる3つの絶大なメリットがあるのです。

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「みんなで一緒に受ける」ことによる絶大なメリット

1つ目のメリットは、お互いに教え合いができることです。受験生がわからない箇所を家族がサポートするというのももちろん有効ですが、もっと効果的なのが、逆に「受験生が家族に対して教える」ということです。

人に教えるというのは自分が本当にわかっていないとできないことなので、高度な知識や理解が必要とされ、「他人に教えることが最上の勉強である」ということはいろんな勉強法の本でもすでに書かれていることです。しかし、実際のところは、「そもそも教える対象となるような人なんて周りにいない」というのが、多くの受験生にとっての実状なんですよね……。であれば、家族がその役割を担ってあげればいいよねというわけです。

メリットその2は、家族も「受験勉強の大変さ」を身をもって理解してあげられるということ。表面的なサポートだけではなく、受験勉強の大変さ・つらさを家族も実際に共有し、体験してみることによってはじめて、心から受験生に対して激励やねぎらいの言葉をかけてあげられるのではないでしょうか。家族一丸となって受験に挑むミッションを通して、家族の連帯感や絆も深まるはずです。

そして3つ目にして最大のメリットは、受験生に「やらなければ!」という凄まじいプレッシャーを与えることができるということです。たとえば、仮に、本当に試験に合格しなければいけない受験生(高3生やお父さん)が試験に落ちて、一緒に受けた家族(たとえばお母さん)だけが受かってしまった……なんて事態が起こってしまったら受験生は立つ瀬がなくなるわけで、意地でも受からねばというこれ以上ない奮起の材料となるわけです。これほど受験生を本気にさせる方法もないのではないでしょうか。

ちなみにですが、実際に何年か前に「高3生の息子を持つ母親が息子への応援の一環で一緒にセンター試験や大学受験に挑んでみたところ、母親のほうが息子よりも高ランクの大学に受かってしまった」というようなニュースを目にしたことがあります。凄いお母さんですよね……。そのニュースでは息子さんが非常にいたたまれない感じでコメントを出していたのがとても印象的でした(笑)。

友人や同僚もどんどん巻き込んでみよう

これを逆に受験生(資格勉強に励む社会人を含む)側の立場から考えてみると、「勉強への本気度をより高めたいと思うなら、周りの人を積極的に巻き込んでしまうのがよい」ということになります。たとえば、何か合格したい試験がある場合、学校の友達や職場の同僚も巻き込んで、みんなで一緒に受けてみるというのはいかがでしょうか。

「言い出しっぺの自分が落ちて、もともと別に合格を目指していたわけでもなかった後輩がサクッと受かる、なんてことがあってはならない!」という状況が、あなたの本気度を大きく高めてくれることは間違いないですし、前述の「教え合い」などで勉強の相乗効果も生まれます。

このような状況にあえて自分を置いてしまうことで生まれるプレッシャーを、モチベーション云々に関係なく自分の行動を勉強へと向かわせる「仕掛け」としてうまく利用してやるわけです。やる気アップのために使えるものは何でも使っていきましょう!

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鈴木秀明

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