どんな勉強でも避けて通れないのが、いろいろな知識や用語や概念を「覚える・暗記する」こと。しかし、人間は「忘れる生き物」ですから、覚えたつもりのことも、ちょっと気を抜くとすぐに忘れてしまいます。

ということで今回は、「大事なことを忘れないように覚えるコツ」について書いてみたいと思います。

覚えやすい形・間違えにくい形に変換して覚える

暗記事項を、参考書などに出てくる形そのままで覚えるだけではなく、より自分にとって覚えやすい形・間違えにくい形にアレンジすることが可能なら、そのように変換して覚えるようにしましょう。

たとえば、「速度=距離÷時間」のように「A=B÷C」の形の数式を覚えなければならない場合に、「あれ?Aは『B÷C』だっけ?『C÷B』だっけ?(分母と分子が逆になる)」とか「『A=B÷C』? 『B=A÷C』? どっちだっけ?(式の形がぐちゃぐちゃになる)」のように混乱してしまうことってありませんか?

こういう数式が出てきたら「分数が出てこない形に変換する」と決めてしまうのもひとつの手です。「A=B÷C」を「B=A×C」の形に変換して「『B』が他の要素(AとC)の掛け算で表せる」と覚えるようにすれば、分母と分子がこんがらがってしまうようなことを防げます。

このように、適宜「自分に合うようにアレンジする」ことは、暗記術に限らず、勉強全般において大事なポイントです。

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覚え方を何通りも考える

確実に覚えたいこと、絶対に忘れたくないことを覚えるためには、「覚え方を何通りも用意しておく」のが有効です。覚え方を1つしか考えていなかった場合、それを忘れてしまったら思い出すことができませんが、何パターンか考えておけば、その分だけ忘れるリスクが下がります。

たとえば、数字の語呂合わせにはいろんな言葉をあてはめることができますよね。皆さんもご存じの、コロンブスの新大陸発見の年号「西暦1492年」の覚え方は、「いよくに(1492)燃えるコロンブス」「いよー、くに(1492)が見えるぞコロンブス」など、いろいろなパターンがあります。

他にも、「文学者とその代表作タイトル」「仏教の宗派とその開祖」といった機械的な暗記事項を覚える際にも、それらをつなぐ覚え方を複数パターン、かなり無理矢理な覚え方でもいいので用意しておくと、思い出せるきっかけがそれだけ増えるので安心です。

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「思い出す訓練」をしよう

どんなに知識を吸収したところで、いざ試験などその知識が必要になった場面でそれを素早く思い出せなかったら意味がありませんので、ただ「覚える」だけではなく、「必要になったらすぐ思い出せる」ようにしておかなければなりません。勉強のさまざまな場面で、折にふれて「思い出す訓練」を実践してみましょう。

たとえば、勉強していてちょっと複雑な暗記事項が出てきたら、いったん本を閉じて、何も見ない状態で暗唱できるか試してみる。また、勉強中にトイレ休憩に立ったときに、さっき勉強していた内容を自分の頭の中だけで反芻・説明できるか試みてみる……などです。

さっき勉強したばかりのことでも、やってみると意外と出てこないものです。本を見ながら勉強していると「覚えたつもり」「理解したつもり」になってしまうものですが、復習してみると実は穴だらけであることに気付くことも多いでしょう。しかし、完全に覚えきれていなかった弱点を特定できるという点でも、これは非常に意義があることです。

このような「思い出そうとする」ことを意識的にやってみることで、より知識を記憶に定着できるようになります。「間違えて悔しい」問題は印象に残りますし、「思い出せない→答えを見る→あ~そうだった!」という体験が記憶を強固にします。感情の変化を伴う記憶は忘れにくいのです。そういう意味では、「多くの問題を解きまくっては玉砕しまくる」という勉強もまた一興かもしれません。

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さて、2017年10月から20週にわたって書かせていただいてきたこの連載ですが、実は今回の第20回をもっていったん完結となります。普通の勉強本などにはなかなか書かれていないであろう奇抜なネタなどもいろいろ盛り込んでみたつもりですが、いかがでしたでしょうか? 読者の皆様の勉強の指針や、具体的な勉強法のヒントになるような内容になっていたならば幸いです。

短い間でしたが、お読みいただきまして誠にありがとうございました! この連載はいったんお開きとなりますが、勉強のふとした場面で「そういえばこんな勉強法ネタがあったなぁ」と “思い出し” て、この連載のことを “忘れない” でいてくれたら嬉しいです!

それではまたどこかで!

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