「スキマ時間を活用して勉強しよう」ということは、いろんな勉強本などでもよく言われています。ちょっとした移動中や待ち時間など、一時的・偶発的に発生した空き時間をムダにせず有効活用して勉強しようといった内容です。
スキマ時間勉強の本質は「貴重な時間を無駄にしない」という点にありますが、副次的な効果としての「“締切効果” による効率アップ」も非常に大きなメリットです。限られた時間内での勉強であることにより「あと○分以内でなんとか手早く終わらせよう!」という意識が働きますし、5分や10分といった短い時間であれば、何時間もぶっ通しでやるよりも高い集中力を持続できます。つまり、高い瞬発力と集中力を持って勉強に取り組めるというわけです。
これほど効率の高いやり方を、偶発的に発生した空き時間だけにしかやらないというのは非常にもったいないですよね。ということで、スキマ時間は「発生したら利用する」という待ちの姿勢ではなくて、むしろ積極的に自らつくり出して実践していこう! というのが今回の本題です。
長時間一気にやるより、短時間×回数でこなす
「スキマ時間を積極的につくる」やり方の具体例としては、
- 「毎日○時から10分間だけ勉強する」といった自分ルールを決めてみる。
- 食事や入浴といった日々のさまざまな行動の前後に、あえて10分程度の勉強時間を設けることを習慣化してみる。
- 60分間勉強するとして、その時間を「○時から○時まで」と1時間まとめて確保するのではなく、あえて15分×4のコマギレ時間に分割して、一日のさまざまな時間帯に分けて配分する。
といったことが挙げられます。
長時間ダラダラやるよりも、あえて「短時間集中を複数回こなす」ほうが、トータルではより密度の濃い勉強ができることになります。
「集中力がないので、勉強もせいぜい30分くらいしか続かない」というお悩みの声をよく聞きますが、そもそも「人間がひとつのことに集中できるのはせいぜい30分程度が限界」という研究結果もあるそうです。誰でもそうなのですから、こんなことで自信をなくす必要はまったくありません。持続力がないならないで、回数で勝負しましょう!
楽しみなことの直前にあえて「お勉強タイム」を!
ちょっと応用編として、日々の生活の中でのちょっとした「楽しみにしていること」や「やりたいこと」の直前の時間帯をあえて「(スキマ時間的な)お勉強タイム」にしてみるというのも効果的です。
たとえば、「あの楽しみにしていた映画のDVDを観る前に、10問だけ問題を解こう」「テレビゲームをする前に、10分間だけ勉強しよう」というように、自分自身にあえて「お預けを食らわせる」わけです。
楽しみなことを待っているときというのは気分が高揚した状態になっているので、ポジティヴな気持ちで勉強に取り組めますし、「早く終わらせて○○したい!」とタスクを短時間で終わらせようとするインセンティヴも強く働きます。つまり、モチベーションとスピード感の双方が高まった状態で勉強に取り組めるというわけです。
考えてみると、私たちはえてして、「行列ができるラーメン屋さんの行列に並んでいるとき」や「次の連休の旅行計画を立てているとき」など、楽しみなことそれ自体よりもむしろそれを待ちわびているときにこそ、楽しくワクワクした精神状態にあるものです。そのため、待ち時間を引き延ばされることには苦痛を感じないどころか、むしろポジティヴな状態を長く保つことができるわけです。
ゲームや趣味の合間に勉強してもいい!
「勉強に集中したいのに、どうしてもゲームをしてしまう」「勉強にあてるべき時間をついつい趣味のことに費やしてしてしまう」という人、いらっしゃいますよね。可能ならば娯楽は極力排除して勉強に集中したほうがいいですが、そう簡単にやめられたら苦労はしませんよね。
ゲームや娯楽にふれられないことがストレスになって勉強に集中できないという悪影響も考えられますので、こうした娯楽は「一切断ち切ってしまう」よりはむしろ「勉強にも良い効果が出るようにうまく利用する」という観点で接するべきだと私は考えます。
実は私自身もゲーム好きで、好きなシリーズものの新作が出たときなどはついつい手を出さずにはいられなかったりもするのですが、そういうときでも「ゲームをしながら勉強する」ことをしばしばやっていました。ゲーム中も手元に問題集をスタンバイしておいて、ゲームの合間合間に発生する「読み込み時間」や「消化試合的なバトル」や「どうでもいいムービー」などの都度、1問でもいいから問題を解く、ということをしながらプレイしていました。これも立派な「スキマ時間の活用」です。
「勉強のために好きなことを我慢しなければいけない」なんて考えは持つ必要はありません。「勉強もしたいし、○○もしたい。どうすれば両立できるかな?」と欲張りに考えてみましょう。両立できる良いやり方を考えつくかもしれませんし、勉強へのモチベーションも下がらずに済むでしょう。結果的に、勉強が長続きすることにもつながります。