海馬が縮む! 記憶力を自ら下げている人の「5つの悪習慣」あなたはいくつ当てはまる?

海馬の働きが落ちているサイン01

こちらは、記憶力を下げかねない行動や状態のチェックリストです。あなたはいくつ当てはまりましたか?

仕事や勉強をしていて「最近記憶力が悪くなったかも……」とふと不安に感じることがある人は、普段の行動やなんとなくそのままにしている状態が、記憶力に悪影響を及ぼしているのかもしれません。ではどのように改善していけばいいのか、以下で詳しく解説しましょう。

【1】ストレス

あなたの記憶力を下げている1つめの状態は、ストレスを解消せず放置していること。たとえば、仕事のミスをいつまでも引きずったり、勉強のプレッシャーを日々強く感じたりしている人は、これに当てはまるかもしれません。

精神科医の加藤忠史氏によると、脳内で記憶をつかさどる海馬はストレスに弱いのだそう。ストレスにさらされた状態が長く続いて、ストレスホルモンであるコルチゾールが多量に分泌されると、海馬で神経細胞の萎縮を引き起こすのだとか。神経細胞が損傷すれば記憶力は低下し、さらには認知症やうつ病の引き金となってしまう可能性もあると言います。

記憶力の大敵となるストレスは、効果的に解消したいもの。その方法として、早稲田大学教授の熊野宏昭氏はマインドフルネス瞑想を提案しています。マインドフルネスとは「いまこの瞬間」に意識を向ける心のもち方のこと。熊野氏は、マインドフルネスの状態に到達するために、以下のやり方で瞑想することをすすめます。最初は10分を目安にするといいそうですよ。

  1. 背筋を伸ばして座る。目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
  2. 息を吸ったときに、おなかや胸がふくらむのを感じ、心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸する。
  3. 息を吐いたときに、おなかや胸がちぢむのを感じ、心の中で「縮み、縮み」と実況する。
雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。

(引用元:NHK|「マインドフルネス」とは? めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方

マインドフルネス瞑想がストレス解消に効果的な理由は、目の前のことだけに意識を向けると、ネガティブなことを含む余計な思考を排除できるから。熊野氏いわく、私たちは過去の失敗や未来の不安などネガティブなことを考えてしまい、「心ここにあらず」の状態になりがちだとのこと。

そんな状態から抜け出すのに有効なマインドフルネス瞑想。場所を問わず、短時間で実行できるストレス解消法です。ぜひ実践してみてください。

海馬の働きが落ちているサイン02

【2】睡眠不足

記憶力を下げる2つめの状態は、睡眠不足。夜遅くまで頑張って勉強しているのに、内容をあまり記憶できていない……というような人は、睡眠不足を疑ったほうがいいかもしれません。

RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長の白濱龍太郎氏は、睡眠不足の日が続くと、記憶力や認知能力が衰えると警告しています。白濱氏いわく、睡眠時間が足りないと、日中に増えたβアミロイドというたんぱく質が脳内にたまって、神経細胞を破壊してしまうのだそう。記憶力を衰えさせるのみならず、将来のアルツハイマー病のリスクも高めると指摘します。

白濱氏によれば、βアミロイドを消すためには、6時間半以上の睡眠が必要とのこと。記憶力低下と短時間睡眠、ともに自覚がある人は睡眠時間を見直して、早めにベッドへ入ることを習慣にしてみてください。

海馬の働きが落ちているサイン03

【3】脳過労

3つめは、脳過労です。脳過労とは、パソコンやスマートフォンの使いすぎによって、脳が過度に疲弊している状態のこと。通勤電車のなかではスマートフォンを見続け、日中は仕事でパソコンを見続け、休憩時間にもまたスマートフォンをチェックして……と、画面ばかり見ていませんか? あなたの脳はいつの間にか、すごく疲れているかもしれません。

脳神経外科医の奥村歩氏によれば、ここ10年ほどで働き盛りの30~50代が「もの忘れ外来」を受診するケースが増えているとのこと。この背景には、パソコンやスマートフォンの使用頻度が高まったことにより、文字や写真、動画などの情報過多で脳が疲弊している人が増えたという事情が考えられるそうです。

脳神経科学を専門とする早稲田大学教授の枝川義邦氏は、脳過労の状態になると、前頭前野の機能が低下して「単純なミスが増える」「物覚えが悪くなる」「イライラして怒りっぽくなる」「意欲や興味が湧かない」などの問題が生じると指摘します。

そんな脳過労の対策として枝川氏がすすめるのは、スマートフォンは使用目的や時間を限って使用すること。最初は難しいと感じるかもしれませんが、トイレや浴室、寝室には持ち込まない、食事中や会話中には出さないといった工夫をして、スマートフォンを手放す時間を増やすといいそうですよ。

海馬の働きが落ちているサイン04

【4】お酒の飲みすぎ

4つめに挙げるのは、アルコールの過剰摂取です。あなたは、疲れているときや嫌なことがあったときなど、ついお酒を飲みすぎていないでしょうか。

じつは最新の研究で、たとえ適量であっても、飲酒は脳に重大な影響を及ぼす可能性があると指摘されています。2017年のオックスフォード大学とロンドン大学の研究チームによる実験では、アルコールを飲まないグループと比べて、週30ドリンク以上の多量飲酒のグループは海馬の萎縮リスクが5.8倍だったそう。また週14~21ドリンクの適量飲酒のグループでも、海馬の萎縮リスクは3.4倍と高かったそうです。(*1ドリンクはアルコール度数5%のビール200mL)

とはいえ、たしなむ程度には、お酒を飲みたい人もきっといるはず。厚生労働省の健康の維持向上を図るための基本方針である「健康日本21」では、節度ある適度な飲酒量を1日当たり純アルコールで約20g程度としています。ビールなら500ml、ワインなら200mlですが、記憶力を下げたくない人はそれ以下を目安に、お酒の飲み方を一度見直してみてはどうでしょうか。

海馬の働きが落ちているサイン05

【5】好奇心の欠如

最後に挙げるのは、仕事一辺倒で好奇心を失ってしまうことです。平日のみならず休日まで、仕事のことを考えているような人は要注意。

というのも、仕事一辺倒の生活は、海馬や扁桃体を萎縮させ、記憶力や気力を低下させるから。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏が、そう述べています。

瀧氏いわく、健康な人でも、加齢による脳の萎縮によって、認知機能は20代後半からすでに落ち始めているそう。一番早く萎縮が始まるのが前頭前野で、思考や判断、コミュニケーションといった高次認知機能に支障が出てくると言います。

そういった高次認知機能低下を抑えるには、趣味や習い事が効果的だとのこと。趣味や習い事に夢中になると好奇心がかきたてられるからです。「楽しい」と感じると、脳は神経伝達物質のドーパミンを分泌します。ドーパミンには記憶力を高めたりやる気を出させたりする働きがあるそうですから、記憶力を高めたいなら趣味や習い事を楽しまない手はありませんね。

大人になればただでさえ認知機能が落ちるというのに、あなたは仕事一辺倒の生活になっていませんか? 記憶力のためにも、「退職してから」などと考えず、いますぐにでも趣味や習い事探しを始めてはいかがでしょうか。

***
記憶力低下はビジネスパーソンにとって重大な問題です。ご紹介した対策は、すぐに実行できるものばかりですので、あなたもぜひこれまでの習慣を見直してみてください。

(参考)
医療法人 緑会 佐藤病院(精神科・内科)|海馬とは?
脳科学辞典|ストレス
NHK|NHKスペシャル シリーズ キラーストレス 第2回ストレスから脳を守れ~最新科学で迫る対処法~
NHK|「マインドフルネス」とは? めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方
日経Gooday|睡眠不足でたまる脳内物質が記憶力減退の正体だった
NIKKEI STYLE|いつもスマホが招く脳過労 物忘れが増えたら要注意
保健指導リソースガイド|適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
厚生労働省|健康日本21 アルコール
公益社団法人アルコール健康医学協会|お酒と健康 飲酒の基礎知識
ソニー生命保険株式会社|子ども脳も大人脳も「好奇心」で成長する 脳に効く習い事

【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。

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