ただ勉強するより断然覚えやすい。脳の神経細胞のようなつながりを描く「マインドマップ」学習法

「高発色なペン」でマインドマップ学習してみた。

大人の脳は、丸暗記が得意な子どもの脳とは違うため、新しい情報は自分の記憶に結びつけて覚えるといいそうです。

もしも、「最近どうも覚えが悪い。覚えられないから勉強が楽しくない」などと感じるのであれば、脳内のつながりをカラフルに楽しく表現する、マインドマップを学習に取り入れてみてはいかがでしょう。

筆者も、せっかくなので高発色なペンを使い、実際にマインドマップ学習をしてみました。その様子を詳しくお伝えします。

まずは、自分の脳に合う覚え方を理解する

以前、どうしても覚えられないお店の名前を、お笑いネタの口調に合わせて言ってみたら、その日からまったく忘れなくなりました。なかなか頭に定着しない言葉を、馴染み深いお笑いネタに結びつけたら、アッサリと覚えられたわけです。

株式会社NeU 取締役CTO、東北大学教授の川島隆太氏が監修する「脳のはなし」によると、10代前半くらいまではコピーして貼りつけるように暗記できますが、大人になるとそれが難しくなり、つながり暗記連合記憶と呼ばれる)に切り替わるそうです。

つまり、すでに頭のなかにある情報と、新しい情報を結びつけて覚えるということ。筆者は偶然大人に合ったやり方でお店の名前を覚えましたが、そうでなければ、ずっと合わない方法で覚えようとしていたでしょう。

(参考元:Active Brain CLUB|大人にあった暗記法は「丸暗記」より「つながり暗記」

まずは、いまの自分の脳に合う覚え方を、理解しておくことが大切ですね。

つながっている脳の神経細胞、ニューロンシステム

マインドマップの法則を理解する

そして、大人に合う覚え方を理解した際に思い出したのが、まるで、脳の神経細胞のつながりを描いているようなマインドマップです。

そもそも、マインドマップは色や絵図をたくさん使うので、記憶に残りやすい性質があると言われていますし、記憶力に自信がなくなった大人の学習にも、ピッタリではないかと思ったわけです(参考元:マインドマップの学校|マインドマップはなぜ役立つ? )。

そこで、まずは久々に接するマインドマップの理解に努めてみることにしました。人材開発などを行なう株式会社ヒューマン・リスペクト運営の「マインドマップの学校」によれば、本物のマインドマップには6つの法則があるとのこと。

「脳の創造性を引き出すマインドマップの良さを最大限に発揮するために考えられたもの」なのだそうですよ。筆者が自分なりにわかりやすく、その法則を以下にまとめてみました。

  1. 罫線の影響を避けるため無地の用紙を使い、言葉は横書きなので用紙も横長に使う

  2. カラフルに色分けした、枝のような曲線関連づけて、中央から放射状に広げていく。

  3. 頭に浮かんだことは省略しながら、短い言葉にして、一枝にひとつの言葉をのせて書き、アンダーラインを引いた文字のように線と言葉を一体化させる。

  4. マップの中央に中心的なテーマのイメージを示し、カラフルで楽しい印象にする。全体にも絵図をふんだんに使い、1枚の絵に見えるようにする。

  5. 自分らしいカラフルな色づかいで、色分けしたり、強調したりする。

  6. 脳の連想を自由に表現するが、ひと項目のまとまりは崩さないようにする。最後に矢印で関連性を示す、大事な部分を雲形で囲むなどする。必要に応じて自分なりのマークや数字を加える。

(参考およびカギカッコ内引用元:マインドマップの学校|マインドマップの書き方・描き方「6つの法則」

じつは、6つの法則の存在に少し怖気づいていましたが、平易かつ自分の言葉にしてみたことで理解が進み、意欲も湧いてまいりました。

高発色なペンでマインドマップ学習してみた

心の準備は整ったので、次はツールの準備です。

せっかくなので、カラーペンは発色のいいものを選びました。用紙は手元にあったA4のケント紙を使います。コピー用紙でも、スケッチブックでも、白無地の紙ならなんでもいいのではないでしょうか。

ちなみに、発色のいいカラーペンとは、ぺんてる株式会社のマットホップ(ヨドバシ.com , Amazon)のことです。

ぺんてるの「マットホップ」

A4ケント紙のブックと、マットホップ 1.0mm セット スイート7色 K110-V7STB

色の粒が大きい顔料インキを使っているため、マットで高発色な書き味を実現したのだとか。写真や、濃い色の紙に書いても鮮やかに発色するそうです(参考元:ぺんてる株式会社|マットホップ)。

では、さっそくやってみましょう。

学ぶのは、海に囲まれた日本に暮らしているからこそ、大きな将来性を感じている海洋エネルギーについて。中央に、そのテーマのイメージを表現します。

海洋エネルギーのイメージ

海洋エネルギーのイメージは海に囲まれた日本にしてみた

(ノートの中身参考元:佐賀大学 海洋エネルギー研究所|海洋エネルギーとは ※以降のマインドマップは、このページからのリンク先を参考にしています)

そして、メイン・ブランチと呼ばれる太い枝を書いていきます。マインドマップで言うと、中心的なテーマに基づいた主要項目の部分です。その部分には、海洋エネルギーの利用例を6つ挙げました。

ちなみに、メイン・ブランチの数は6~7本くらいが記憶しやすいとのことです(参考元:前出の「マインドマップの書き方」)。

マインドマップのメインブランチ、いわゆる主要項目を書き足した。

この段階ですでに、発色のいい色、書いた位置、形状が、覚えやすさにつながっている気がしました。しかも、お絵描きをしているようで楽しい!

では、この項目をサブ・ブランチと呼ばれる細い枝で広げてみましょう。

マインドマップ学習でサブ・ブランチをつなげていったもの。

書き足すこと、描くことが楽しくて、ついつい夢中になってしまいました。1項目の分量が多すぎたかも?

ちなみに、前出の「マインドマップの書き方」には、長々とした文章にせず、言葉に分割して書くとあったので、ひとつの長い言葉は分割して書きました。これも覚えやすさにつながりそうです。

また、進めるうち自然と海洋エネルギー発電が設置されているであろう、海や河川の景色が頭に浮かびました。これも自分の記憶と、新しい情報を結びつけて覚える作業のひとつなのだろうと思います。頭にある景色と言葉、その構造のイメージが、少しずつ重なり始めましたよ。

カラフルでイメージ豊かで、脳の神経細胞のようなマインドマップが、その作業をより促進してくれたのかもしれませんね。

さらに進めたマインドマップ学習

こうして、ひととおりやってみて気がついたのは、やらなければという感情がまったく湧かないことでした。勉強したというより、夢中になって枝をつなげ、分岐させて言葉をのせて、矢印を加えたり、重要箇所を線で囲んだりしていた気がします。

「高発色なペン」でマインドマップ学習してみた。

すべて記憶できたか、と言えばそうではありませんが、理解できたかどうかの点では、想像以上の出来でした。これが覚えやすさにつながるのは間違いないでしょう。

***
なお、マットホップは書いてから少し経つとしっかり乾きますが、書いてすぐは乾いていない様子なので、紙を汚さないようお気をつけください。また、発色はいいけれど細かい字を書くのには適していなかったので(文字がつぶれる)、文字部分だけペンを変えたほうがよさそうです。

マインドマップをつくり終えると、学習内容の理解が進むほかに、大きな達成感も得られますよ。「最近どうも覚えが悪い。覚えられないから勉強が楽しくない」という方は、ぜひ一度お試しくださいね。

(参考)

Active Brain CLUB|大人にあった暗記法は「丸暗記」より「つながり暗記」
マインドマップの学校|マインドマップの書き方・描き方「6つの法則」
マインドマップの学校|マインドマップはなぜ役立つ?
ぺんてる株式会社|マットホップ
(マインドマップの中身参考)
佐賀大学 海洋エネルギー研究所|海洋エネルギーとは

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