現役エージェントが断言「転職がうまくいくのはこんな人」。志望理由が “成長したい” だと採用されないワケ

 現役エージェントが教える「転職がうまくいく人」の特徴01

STUDY HACKERの読者のみなさま、こんにちは。外資系コンサルティングファーム、投資銀行、プライベートエクイティファンドなどの在籍者らを中心に、グローバルに活躍するプロフェッショナルのキャリア形成を支援する「Liiga(リーガ)」の編集部です。

みなさんは、転職を考えたことはありますか? 「すぐにではないけれど、いつかは転職したい」と、転職が頭の片隅にある方は少なくないはず。「次の転職はどうしよう」とお考え中の転職経験者もいることでしょう。

Liigaでは、転職をする人の多くが利用する「転職エージェント」について取材し、特集記事を作成しました。今回はその一部をご紹介します。いつかの転職に備え、エージェントを利用した転職について、ぜひイメージを深めてください。

転職といえば「エージェント」。そのサポート内容とは?

転職には、「自分で応募する」「知人に紹介してもらう」「直接スカウトされる」などさまざまな方法がありますが、特にメジャーなのが「エージェント」経由での転職

実際、転職経験をもつ人の多くがエージェントを利用しています。Liiga会員を対象に行なったアンケートでは、「転職時ないし転職経験時、転職エージェントに相談したことがある」人は、全体の98%にのぼりました。転職未経験でも、なんとなく「転職するならエージェントに登録しないとな」と思っている人は多いはずです。

ではそもそも、転職エージェントとは何をしてくれる存在なのか、詳しくご存じでしょうか?

転職エージェントは、「エージェント」の名の通り「代理人」です。誰の代理かというと、「人材を採用したい企業」。つまり、顧客企業の代理となって採用活動の一端を担うことが、彼らの役目となります。

一般的に中途採用の場合、新卒の一括採用とは異なり、募集する職種、職位、業務内容などが多岐にわたることが多いもの。ゆえに企業の人事が、求める人材に自社の募集案件を周知し、応募してもらい、スクリーニングするのには手間がかかります。エージェントはそういった採用関連の業務を、一部代行しているのです。

上記は、人材を採用したい企業側から見たエージェントの役割ですが、転職したいビジネスパーソンの側から見ると、エージェントは「転職を支援してくれる」存在。ひとくちに転職支援と言っても、その内容は多岐にわたります。

(一例)

  • 求人を紹介してくれる(非公開求人を含む)
  • 企業への連絡や応募を代行してくれる
  • 面談などを通し、どの業界・業種が向いているかアドバイスをくれる
  • 面接・試験対策をしてくれる

なおエージェントには、多様な求人案件をもつ大手エージェントと、特定の業界・業種の求人が多く、独自の求人案件をもっていることがある中小・中堅エージェントがあります。自分の意向に合わせて選ぶことが大切です。

そのほか、転職エージェントの役割や種類についての詳細はこちらの記事で読むことができます。

 現役エージェントが教える「転職がうまくいく人」の特徴02

転職希望者を知り尽くすエージェントだからこそわかる「いい候補者・ダメな候補者」

転職が頭の片隅にある人にとって気になるのが、「自分に転職なんてできるのか?」「転職にチャレンジしたとして、はたしてうまくいくだろうか?」ということではないでしょうか。

そこでご紹介したいのが、3人の現役転職エージェントが語ってくれた “本音” です。日々多くの転職希望者に接しているからこそわかる、「転職がうまくいく人」「うまくいかない人」の特徴を教えてくれました。

転職がうまくいかない人の特徴

大手人材紹介企業で勤務した後、エージェント業を起業したAさんは、こう話します。

『逃げの転職』ではないのが重要です。『逃げの転職』とは、外発的動機だけで転職すること。たとえば上司との相性が悪い、会社の経営状況が悪いから辞める、などです。次の企業でも上司と相性がよくなかったり、経営状況が悪くなったりする可能性はありますよね。そうなった時に、また転職するのでしょうか。それでは、いい転職はできません」

また、金融業界やコンサルティングファームを得意分野とするBさんの意見はこうです。

転職先で実現したいことが明確ではなかったり、視野を広げることや自身の成長しか目指さない人、熱意や真剣さが感じられなかったりする人は、たとえ優秀であっても、採用されない可能性があります。そういう人は、企業にとっては物足りないと思います。明確な目標がないと、ハードワークに耐えられるかなど、疑問をもたれるはずです」

加えてBさんが挙げるのは「入社数カ月で転職を考える人」。入社1年目の人が応募してくると、企業側は「我慢ができない、またすぐに次の企業に転職してしまうのではないか」と思う場合があるとのこと。応募する側は、気をつけておきたいところです。

そして、候補者とクライアント企業の双方とコミュニケーションをとっているCさんは、こう話してくれました。

「よくない候補者とは、『自分は自分のことをよくわかっている』と思っている人です。他者とコミュニケーションをとることで、初めてわかる『自分』もいます。私は、候補者と初めて面談するときは、幼少期などについても聞きます。その人の熱意の源泉や転職を考える内発的動機などがわかる場合があるからです」

また、Cさんいわく「紹介してほしい企業の情報だけを求める候補者もいますが、短時間で理解できるほど、企業は単純ではありません」。自分自身と企業の両方について深く理解しなければ、転職は成功しないのですね。

 現役エージェントが教える「転職がうまくいく人」の特徴03

転職がうまくいく人の特徴

「逃げの転職」に警鐘を鳴らすAさんは、転職に成功する人の特徴をこう語ってくれました。

『なぜ転職するのか』をエージェントとのコミュニケーションのなかで、明確にできるかが重要です。面接官から応募動機を聞かれて『エージェントが推薦したから』という答えしかないなら、応募しないほうがいい。

できれば、エージェントとコミュニケーションをとる前に、転職の動機や意思を明確にしておいてほしいですが、完璧に明確化できている人は多くありません。ただ、転職活動を進めるなかで整理をして、自分の判断基準や意思決定のポイントを決めていく人はいい転職ができるのではないかと思います」

転職活動を進めるなかでは、以下のような内容を突き詰めて考えることが重要であるよう。こちらはBさんの言葉です。

転職先で実現したいことが明確な人、言い換えると、企業の価値向上など他者への貢献を実現したいという明確な目標をもっている人ですね。あとは、熱意や真剣さが感じられる人でしょうか」

人間関係がうまくいかない、思うように評価してもらえないなど、いまの会社に対する不満がきっかけで、転職を考え始める人もいるでしょう。ですが、ただの「逃げの転職」になっていないかどうかは、よく自問したほうがよいということがわかりましたね。

そのほか、現役のエージェントが候補者に抱く本音についての詳細はこちらの記事で読むことができます。

 現役エージェントが教える「転職がうまくいく人」の特徴04

リーダー1,000人の転職を支援したエージェントが教える「キャリア戦略」の立て方

3人のエージェントたちは、「なぜ転職するのか」「転職して何がしたいのか」を明確にできる人こそが、転職に成功できると述べていました。とはいえこうしたことは、「いくら考えてみても、モヤモヤとしたままうまく言葉にならない……」そんな、とらえどころのない難しいテーマではないでしょうか。

ではどうすれば、転職について明確なイメージをもてるのでしょう。

コンコードエグゼクティブグループ代表で、1,000人以上のビジネスリーダーのキャリアチェンジを支援してきた渡辺秀和氏は、現段階では自分のキャリアの方向性が決まっていない人に向け、こうすすめています。

「キャリアの方向性を決めることは容易ではありません。まずは、日記を書くことをおすすめしています。

日記には日々どのようなことで感情が動いたのかといったことを記録しますよね。それを続けて書きためていくことで、自分が何に喜びや楽しさを感じるのか、逆に何を嫌だと思うのかが見えてくるでしょう。自分の価値観が徐々にわかってくるはずです。

ここで把握したいことは自身の『好きのエッセンス』です。喜びや楽しさを感じた経験を並べ、共通した要素は何なのか分析するのです。そういったエッセンスを含んだ仕事ならば、好きである可能性が高いでしょう。

『好きのエッセンス』をもとに、まずはキャリアの大まかな方向性を決めることができればいいと思います。最初は、人事系のキャリアなのか、財務系のキャリアなのかというぐらいの方向性でも大丈夫です。定めた方向性の中で経験を積んでいくことで、最終的なゴールが徐々にクリアに見えてくるでしょう。」

いきなり本格的な自己分析をしたり、キャリア設計をしたりするのは難しいものです。あなたにとっての「好き」とはなんですか? 望み通りの転職を実現できるよう、まずは、日記の習慣から始めてみてはいかがでしょうか。

そのほか、渡辺秀和氏が語るキャリア戦略の立て方や、エージェントとの付き合い方については、こちらの記事で読むことができます。

 現役エージェントが教える「転職がうまくいく人」の特徴05

まとめ:エージェントは、転職の成功を助けてくれる存在。年1回からでも関係性を築こう

今回お話を伺った現役エージェントたちは、企業と候補者の最高のマッチングを実現するべく、転職希望者と丁寧なコミュニケーションをとっていると語っていました。転職を考えているなら、エージェントとは継続的に関係をもっておくといいようです。

「信頼関係を重視してくれるエージェントを選ぶ」ことをすすめる渡辺氏は、こう教えてくれました。

まずはいろいろなエージェントに会ってみることをおすすめします。エージェントに話を聞いてみて、すぐには転職活動をしないと判断することもあるでしょう。その場合も、年1回程度でいいので、定期的に転職市場の状況を聞いておくとよいと思います。じつは、人材市場の市況次第で、転職の難易度は大きく変わります。好機を逃さないために情報収集は重要です」

ぜひこの記事を、転職についてみなさんなりに考えを深める機会としていただけたら幸いです。

【ライタープロフィール】
Liiga編集部
グローバルに活躍するプロフェッショナルのキャリア形成を支援するメディア「Liiga」を運営しています。主な読者は、現役の外資系コンサルティングファーム(※1)や投資銀行(※2)、PEファンド(※3)などの在籍者たちです。学生向けの姉妹サイト、「外資就活ドットコム」も同時に運営しています。

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