「幸せに活躍している社会人」ほど勉強に積極的! 幸福感につながる “2つの学び方”

幸福感につながる学び方01

幸せに活躍している人ほど学習意欲が高く、〇〇な勉強をしている……。そんな調査結果が発表されました。

今回は、そのデータをふまえながら、「幸せにつながる学び方」をご紹介します。

資格もキャリアも欲しいけど、ただ勉強するだけでは挫折してしまう。経歴のためだけに学ぶのではなく、学びながら幸せを感じられたら最高なのに——そんな方はぜひ、この記事でお伝えするふたつの学習方法を取り入れてみてくださいね。

幸せに活躍している社会人は積極的に勉強している

本記事のベースになるのは、株式会社パーソル総合研究所と株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」が、立教大学教授の中原淳氏と共同で行なった、若年社会人の学びに関する調査です。

25才から35才までの社会人2,000名を対象に、どのような資質・能力・適性が職場での活躍と幸福感に影響を与えるのか、明らかにするため実施されました。

その結果、全体の30.6%が、職場において「幸せに活躍」しているとわかりました。

なお、幸せな活躍の度合いは、「働くことを通じて、幸せを感じている」「仕事でパフォーマンスを発揮している」などの項目から測られたとのこと。調査結果では、これらの数値の高いグループを「幸せな活躍層」と定義しています。

そして、その幸せな活躍層のうち、社内外での学習に前向きに取り組んでいる人の割合は、57.1%でした。若年社会人全体における同割合は32.1%だったので、その差は約1.8倍。つまり、幸せを感じながら活躍している人ほど、積極的に勉強しているということがわかったのです。

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もちろん、若年社会人のなかにもさまざまなタイプの人がいます。この調査では若年社会人を、仕事やキャリアに関する志向性によって7タイプに分類しました。

たとえば、社会課題解決タイプ(社会の持続的発展に貢献したい)、はたらく仲間重視タイプ(周囲と信頼し合いながら働きたい)、縁の下の力持ちタイプ(目立たずに人をサポートすることで貢献したい)などです。

しかし、そのようにタイプの違いがありながらも、幸せにつながる学びのスタイルは共通していることがわかったのだそう。

これからご紹介するのは、幸せな活躍にプラスの影響を与えるふたつの学習法。これらをヒントにして、充実した学びを実現しましょう!

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幸福感につながる学び方1. 人を巻き込みながら学ぶ

調査で判明した幸せな活躍につながる学習は、以下の5つでした。

  1. ソーシャル・ラーニング:人を巻き込んで学ぶ
  2. ラーニング・レジリエンス:困難な状況から学ぶ
  3. ラーニング・ブリッジング:さまざまな分野を学ぶ
  4. ラーニング・グリット:一貫してコツコツ学ぶ
  5. ラーニング・デジタル:デジタルツールを活用して学ぶ

これらの影響度は、前出の仕事やキャリアの志向性タイプによって異なっていたものの、どのタイプの人にも高いレベルで共通していたのが「ソーシャル・ラーニング」だったそうです。

ソーシャル・ラーニングとは、一般的にはTwitterやFacebookなどSNSを用いた学習のことをいいます。ですがこの研究ではもう少し広い意味で定義されており、ひとことで言うと、人を巻き込みながら学ぶ学習スタイルのことを指しています。

たとえば、まわりの人から積極的に意見を聞く、仲間と学びをともにする、専門家に話を聞きに行く……などが、ソーシャル・ラーニングに含まれます。

ここまでのことをまとめると、学びのために自分で仲間を集めたり、積極的に人に会いに行ったりする人ほど、幸せに活躍している度合いが高いのです。

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人と関わりながら学ぶことには、「ピア効果」が生まれやすくなるという利点があります。

勉強におけるピア効果とは、意欲の高い仲間と一緒に学び合うことで、互いに刺激を受け、グループと個人双方のパフォーマンスが向上するという相乗効果のこと。

森上教育研究所の森上展安氏によると、成績がなかなか向上しなかったヒスパニック系の大学生を一か所に集めて互いに教え合うようにさせたところ、全体の成績がよくなったという報告があるそうです。

そんなピア効果が得られるソーシャル・ラーニングを取り入れるためには、職場の同僚や学生時代の仲間に声をかけてみることや、オンラインまたはオフラインの勉強会などで志の同じ仲間を見つけるのがおすすめ。

さらには、社外の人からもたらされる新たな気づき、上司・先輩・後輩など社内の人から得る学びも、幸せな活躍につながるそうですよ。

仕事を通して幸せを感じつつ、学びも充実させたい――そう思ったときは、「机に向かう勉強」から「人とたくさん関わる学習スタイル」にシフトしてみてはいかがでしょうか?

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幸福感につながる学び方2. 社外で学ぶ

幸福感につながるふたつめの学び方は、社外で学ぶ」ことです。社内研修だけでなく、思いきって社外に出て学ぶことが幸せな活躍につながるよう。

調査において、幸せな活躍層は、勉強会の主催や参加、資格取得のための学習、働きながらの大学通学など、社外での学びを積極的に取り入れていることがわかったそうです。

職場外での学習は、「越境学習」などと呼ばれ、法政大学大学院教授の石山恒貴氏は、越境学習を「自分にとってのホームとアウェイを行き来することによる学び」と定義しています。

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石山氏によると、現代がVUCA(ブーカ)時代であるからこそ、越境学習が求められているそうです。

VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉。未来予測がしづらい状況のことをいいます。先が見えない不透明さ、変動の激しさ、入り乱れた情報の複雑さなどをはらむ現代は、まさにVUCA時代。

そんないま、社会人には「自ら問いを立てる力」が求められていると石山氏は言います。会社のあり方や業務の進め方を内省しつつ、よりよい状況に向けて変化し続けるにはどうするべきかと問う力が必要だということ。誰も答えを与えてくれない時代を生き抜くには、自分で考え柔軟に変わり続ける力が必要なのです。

そして、この力を育むために大切なのが、組織の枠から出て広い視野をもつこと、つまり、越境学習であるそうです。さまざまなバックグラウンドの人々と関わり合いながら、「このままでいいのだろうか?」と疑問を抱いたり、アウェイ感を覚えてこれまでの固定観念の外に出たりすることが大切なのだとか。

VUCA時代に幸せな活躍ができる人になるためには、職場の枠を超えてたくさんの刺激を受け、学ぶことが大切なのですね。

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幸せな活躍をしている社会人は、多くの人を巻き込みながら、多様な場所へ足を運んでいました。ひとりで部屋にこもって勉強するだけでなく、他者との学び合いも大切にしていきましょう!

(参考)
株式会社ベネッセホールディングス|学びの個人化が進み、SDGsの関心が高まる現代において「人を巻き込んでいく学び」と「社会課題への関心」が若年社会人の「幸せな活躍」に影響
パーソル総合研究所|パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳「若年就業者のウェルビーイングと学びに関する定量調査」
Weblio辞書|ソーシャルラーニング
ITmedia マーケティング|「ピア効果」――仲間同士の盛り上がりが満足度を劇的に高める
スタディサプリ 進路|仲間とお互いを高め合う「ピア効果」。大学受験への応用法は?
未来の教室 ~learning innovation~|越境学習によるVUCA時代の企業人材育成
アイ・ラーニング|VUCAとは何か。VUCA時代を生き抜く企業に必要なこと
JMAMのラーニングワーケーション|越境学習が組織にもたらす効果。既存の観念に「問いを立てる」力の育成 【インタビュー: 法政大学大学院 教授 石山恒貴氏 前編】

【ライタープロフィール】
平野ももこ
大学ではフランス文学を専攻し、物語のなかの人の心を中心に研究。出版社を経営していた祖母の影響もあり、純文学、心理学、ビジネス書など幅広く読む大の読書家である。現在は、メンタルケアやカウンセリングを勉強中。バレットジャーナルの実践を通じ、生活改善に成功し続けている。

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